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#10 リアの回想

 

(リア視点)


(ふぅ……)


 あれから少し歩いた場所で私達は夜を明かすことになった。足元が見えない暗い夜に移動するのは危険だからだ。


(私への配慮もあったよね……多分)


 だけど、正直ありがたい。とにかく色んなことがあり過ぎて頭がついていかないのだ。


(まずはカートレット将軍が遠征に出てからしばらくして、辺境へ視察に行くように頼まれたんだっけ)


 母を亡くして後ろ盾を失い、誰も敵に回せない私は言われるがままに仕度をしたけど……これがそもそも罠だった。


(辺境の視察といってもマルボレク要塞までだったはずなのに……)


 土地勘がなかったこともあり、私が連れて行かれたのは森の中。エリート騎士に囲まれて絶対絶命だった私はシデンさんに命を救われた。


(あの騎士達を一瞬で倒すなんて……)


 思えばあの時点でシデンさんの凄さに気づくべきだったと思う。


(一体三の状況を覆すなんて……あ、四だっけ)


 私を撃ったあの貴族……名前を忘れたけどまあ、いいか。


(とにかく剣一本で三倍の敵を相手にするなんて有り得ない)


 それだけ数の力は大きい。だからこそ、奴らも勝利を確信していたのだ。


(不意を打ったから……ううん、初撃はそれもあったかもしれないけど、騎士達はそもそも反応らしい反応も出来ていなかった)


 真正面から戦いを挑んでも、恐らく結果は同じだろう。それ位、シデンさんの剣は速い。


(しかも、威力も凄い……)


 なんの因果か、本来視察予定だったマルボレク要塞に入ることになったんだけど……


(まさか地下にあんなものがあるなんて)


 地下にあったのは何と製造はおろか、所有さえ禁止されている魔導具の牢。しかも、特に厳重に取り締まられているはずの非道な類の。


(あの魔導具……中からは脱出不可能だったはずなのに)


 あの魔導具、幻魔の魔牢が禁じられていたのは非道さよりもむしろ悪用されたら厄介な代物である点が大きい。気づかぬ内に中に入れられてしまえばもう終わりというくらい危険な代物なのだ。


(それをたった一撃で……)


 凄い……凄すぎる


(……でもなんだろう。シデンさんのことを考えると落ち着かない)


 さっき一緒に飛び降りてからは特に……


(そう言えば男の人にあんなふうに抱きかかえられたのって初めて……)


 勿論子どもの頃は別だけど。


(何ていうか……逞しい、かな)


 ありきたりかもしれないけど、そんな言葉しか浮かばない……


(私に向かってくる怖いもの全てから守ってくれるような……)


 足元がなくなるような不安を感じたのは一瞬だけ。後は護られるような感覚しかなかった。


(まるで私の騎士のような……あわわ!)


 私、なんてことを考えてるんだろう! 全然知らない男の人をこんなふうに……


(駄目だ……完全に舞い上がってる)


 落ち着くのよ、リア。そんなことより大事なことがあるわ。


(サラさんのあの便利グッズ……魔導具よね)


 実は神聖オズワルド王国は魔導具全てを悪く思ってるわけじゃない。あくまでも悪用を防ぐために取り締まっているだけで、実は秘密裏に使っていたりもする。


(伯父様なら面白がりそうなものばかりだし)


 だけど、疑問もある。あれだけの数を一体どうやって集めたんだろう?


(明日思いきって聞いてみようかな)


 リスクはある。けど、正直サラが悪いことをして魔導具を集めたとは思えない。それに……


(どちらかというと想像もつかない話を聞かせてもらえるんじゃないかと思ってドキドキする……)


 シデンさんもサラも凄い。凄い人には色々会ってきたけど……こんな風に相手のことをもっと知りたくなるような人は初めてだ。


(この先はダルニシ平原。田舎町が点在するだけだけど、逆に危険はないはず。だからお互いゆっくり喋る時間はありそうだし)


 ダルニシ平原を抜けたらダラク山脈が待ってる。ダラク山脈は第三王子派の息がかかった手勢も多いから簡単には行かないはず。


(この先の難所を超えるためにもお互いのことを知っておいたほうが良いよね、うん!)


 別にサラの便利グッズが他にどんなものがあるのか知りたいとか、シデンさんの話がもっと聞きたいとかってことじゃないんだから!

 秘かに(?)チョロインなリアさんによる回想……物語が大きく動く前のお約束ですね! 次話からは激動の展開!? 引き続きお付き合い下さいませ!


※筆者からのお願い!

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