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#1 追憶

 新連載です! ノンストレス&ノンストップなおっさん成り上がりモノなのでよろしくお願いします!

 

「シデン、貴様は追放だ!」


 言い渡されたのは国外追放。理由は親父がやったとされる王家への背信行為。でも、あの堅物にそんなこと出来るはずがない。


(あ、これ昔の夢だ)


 何故こんな昔の夢を今更見るのか分からない。が、起きる前に気づいた夢オチ。この後どうしよう。


(まあ、直に目が覚めるだろ)


 別に何をする必要もない。楽しいとは言えない思い出だが、思い出したところで今更どうということもない。


「お前は辺境に街道を作るのだ! フフフ、辺境は広大だ。剣の振り方を忘れるほどつるはしを振れるぞ!」


 さっきからハイテンションなこいつはハイネ。ハイテンションなハイネ(別に冗談を言ったつもりはない)はいわゆる俺のライバル……と言ってもコイツが一方的にそう言ってただけだが。


(まあ、そんなふうに興味を持たなかったからこんな目にあったのかな)


 今更……そう、本当に今更な話だが、ハイネは俺にライバル心を燃やすあまりありもしない罪をでっち上げたらしいのだ。


(あ、そろそろ目が覚めるな)


 ハイネの高笑いと共に意識が覚醒するのを感じる。やれやれ、出だしは違ったが、今日もいつもの一日が始まりそうだ。



 ピチパチ ピチパチ……


 何処ぞで小鳥が鳴いてるのが聞えてくる。のどかな朝だが、俺には起きたらすることがある。朝飯前の素振り千回だ。


(おし、起きるか!)



 千百八、千百九……


 千を少し越えた辺りで──


「シデン〜! 朝ご飯出来るよ!」


 サラの声、もう時間か。つい没頭してしまった。


(けど、素振り千回はかなり余裕でクリア出来るようになってきたな)


 越えたから何だって? なんにもなるわけないだろ。ただの自己満だ。


(ノルマを増やしてみるか……)


 っと、いけない! 早く行かないとな!



「今日も豪勢だな」


 食卓に並んだ料理を見て、俺はいつものように歓声を上げる。所狭しと並べられたサラダやフルーツの数々に加え、ソーセージなどの肉料理まで。まるで貴族の食卓のようだ。


「もぅ……褒めても何も出ないからね」


 口調とは裏腹に満更でもない様子でパンを置いてくれるのはサラ。この辺境で一緒に暮らしている女の子だ。


「フム……サラは手際がいいの。器量も良いし、王都なら嫁の貰い手には困らんじゃろうに、ここではな……」


 この婆ちゃんはエリザベス婆ちゃん。ここでは婆ちゃんで通ってるが、実は昔は凄い魔法使いだったらしい。


「どうじゃ、シデン。そろそろ世帯をもっては?」


「もぅ、婆ちゃんったら!」


 少し顔を赤らめながらサラはエリザベス婆ちゃんの前にもパンを置く。実はここまでのくだりは朝の恒例行事だ。


(いくら他に男がいないからって年の差ありすぎるだろ)


 サラは大人びて見えるが今年で十八歳。アラサーの俺とは年が違いすぎる。娘とまでは言わなくても妹みたいな感じだ。


(まあ、可愛いのは間違いないが)


 確かにエリザベス婆ちゃんの言うように王都なら嫁の貰い手には困らないだろう。サラはこの辺境に捨てられた孤児だが、そんな出自が気にならなくなるような魅力がサラにはある。


「そろそろ行くよ。仕事しなきゃな」


「誰が見てるわけでもないんじゃ。もっとゆっくりしてもいいじゃろ」


 エリザベス婆ちゃんはそう言うのは正しい。俺の仕事──というか、罰は隣国まで伸びる街道を作ることだが、そもそもこの辺境は広い。しかも、一体誰が使うのやら……隣国は仲が悪い獣人の国だっていうのに。


(まあ、要は死ぬまでいろってことだよな)


 こう言うとえらい目にあっているようなや見えるかも知れないが、俺はここでの暮らしに結構満足している。美味しい食事に適度な運動。それに可愛い妹と頼りになる婆ちゃん。もうこれで人生これで良くないか?


「婆ちゃんの言う通りだと思うけど……行くなら帰りに食材の調達をお願いしてもいい?」


「あ、今日はアイツたな。分かった」


 サラからお弁当を受け取りながら頼まれ事を引き受ける。いつも通りの光景だ。



 ザクッ! ザクッ! ザクッ!


 いつも通りの手応えに思わず笑みがこぼれる。体が理想通りに動いた時の手応えは何物にも代えがたい。


(ふぅ……一息入れるか)


 街道を作るために土を起こし、埋まっている石を取り除く。ただそれだけの単調作業。やってる中に何もかも忘れそうなくらい地味な作業だが、やってみると案外深い。


(一撃でどこまで深く打ち込めるか……まだまだ追求しがいかあるな)


 さっきは理想通りの動きと言ったが、それはあくまでも今の段階。まだまだ先はあるはずなのだ。


「そろそろ昼にするか……あ、その前に」


 サラに肉の調達を頼まれていた。今の内に狩っておくと帰りには血抜きが終わってるな。


 俺は腰を上げ、いつもの狩り場に向かう。だが、この時にはそこで人生を変える出会いがあるだなんて思いもしていなかった。


 実はこの作品を書き始めたのは大分前です(汗) 書いては直し書いては直し……としている内にいつの間にか二年……いや、三年?


シデン:「……の割には誤字が多いな」


 は? 誤字? 何それ美味しいの?


 ……嘘です。ごめんなさいm(_ _)m 何はともあれ楽しんで頂けたら嬉しいです。そして、ブクマとかポイントとかもポチッとしていただけたらもっと嬉しいです。


シデン:「しれっとねだったな」


 くそっ、うるさいぞ。

 こ、コホン。次話から本格的にシデンの無双劇が始まりますので是非ご覧下さいませ。ブクマも是非……


シデン:「あ、また……」


 本編とキャラが違うとか言われるから黙っててくれ!


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