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07.武士、知識と時短の道を進む

(武視点)


わしのために、いろんな人が動いてくれた。


警察という男、検非違使的な人はとても親切で、心配してくれた。

民生委員という女も今後のことを一生懸命考えてくれた。

言ってくれたことはさっぱりわからないが、とにかく

「安心して、頑張ろう。」

と言ってくれた。


その女と病院というところへ行った。

事前に殿から

「どんなことがあっても騒がないように。

何か事を起こして迷惑が掛かれば、検非違使に縛ってもらうことになる。」

と厳しく注意された。


それだけはと思い、すべて自分のために動いてくれていると判断して、

針をさされても、血を抜かれても、何か不気味な建物に入れられ、しばりつけられても、

頭にへんな糸のようなものをあちこちくっつけられても、叫んだり抵抗したりしなかった。


白い装束の医師と呼ばれるものの話では病などはないようだ。


きわめて健康とのことだから、早く社会人として一人前になれるよう努力しなさいと女は言った。


とは言え、この世界はわからないことが多すぎる。


殿は屋敷で「たぶれっと」というものを下さった。


「武、これでまず基本的なマナーと生活習慣、学を得ること。

ここにはそれが沢山入っている。」


と言って、基本的な使い方を教えてくれた。


光りし水面の如く、不思議な箱である。


「武はひらがなはわかるか?」

と殿に聞かれた。



はて、ひらがな…?


殿はたぶれっとを指でさすって見せた。


「これのことなんだけど。」

と言ってみせてくれたのは、女字(おんなじ)のことのようだ。



「はい、存じております。読めますし、書けます。」


「良かった、それなら、まずこれで基本的な事を学んでおくとよい。

家事も助かるが、今、武に必要なのは勉強と、このタブレットの操作と、健康だからね。」


と笑顔でくださった。


殿のおっしゃるところを指でつつくと

猫や兎や鳥がまるで人のように生活しながら話している。


とてつもない違和感。


だが、おとぎ話のようにいろんなことを教えてくれる。


トイレの使い方、順番を守ろう、譲る事、あいさつ、信号機で青になったら渡る、誕生日、歌と舞、靴を揃える…礼儀作法は共感するものが多かった。


女字はひらがなと言うのだな。

ここは楽勝だった。

そこから言葉を書いて、今の言葉を知っていく。


カタカナもあるのか。

これは漢字で理解できる。


数字…これは効率的だ。

色んな計算方法をすたさぷが教えてくれる。


生活科という、ものがあった。

朝顔を育てて、花が咲き、種ができる。

そこから教育するのか…。



そのうち、国語、算数、理科、英語と進んでいく。


その他、書道、音楽、美術など、いろんなことが学べる。




今住んでいるところは東京だ。


一気に小学校3~4年生まで進めた。

算数は中学数学3年まで進んだ。

この計算式がいろんなことを解決、計画、整理することに役立つことは実感した。


この時代の勉強とは面白い。


知らないうちに時計の針は6時となっていた。

夕飯の支度をせねば…と思ったらすでにみだい様がご用意なさっていた。


「申し訳ござらん!」

と謝罪すると、


「一生懸命勉強してたわね。

しかもだいぶ優秀じゃないの。」

とおっしゃる。


どういうことか…。


「こっちでね、武の学習状況を把握してるのよ。

もしどこかで躓くようであれば、フォローしようと思ってたんだけど、必要なさそう。」

と言って、みだい様のたぶれっとを見せてもらった。


どうやら、わしの学びを見守ってくださっていたようだ。


玄関で

「ただいまー」

という声が聞こえ、心殿が手洗いに向かった。


居間に入られる前に座り、

「おかえりなさいまし」

と頭を下げると、心殿が


「ただいまー」

と元気に返事をされて、笑顔だった。


「武、おかえりもいってらっしゃいも、そんないちいち座らなくていいよ。

声だけかけてもらえたらいい。

父さんと母さんみたいにさ。」


心殿はそう言った。


「つい体が動いてしまって…。」


と言うと


「うーん、気楽に過ごせばいいのにって思って行ったんだ。

でも、その方が楽ならそれでもいいよ。」


と言って、心殿は部屋に入って行った。

出て来た時は殿と同じTシャツ姿であった。

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タブレットの使用方法、現代の言葉使い、文章などが理解できるようになった。

そのため、家事情報のサイトなどを読んでみる。


どうやら、家事には、

・丁寧な暮らし

・時短効率

とあるようだ。


どちらも興味深いが、今、勉強し、恩返しするために仕事を探すとなると、

時短家事を選ばないと生きられない。


みだい様に相談したところ

「いいんじゃない。頑張って。」

と言われ、かたっぱしから取り組んでみる。


例えば、古くなった服で、もう着られないものをいただき

細かく切って、埃を吹いたり、流しや鍋などのしつこい汚れをふき取ってすぐ捨てる。


雑巾を洗って干す手間を省き、かつ布を最後まで使い切るというもの。


その前まではいらない布を重ねて縫い、雑巾にしていたという。

汚れたら、洗って干して、ということをしていた。


家事、時短をキーワードに色々検索していった。


この社会の成熟度を感じる。

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