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05.みだい様の厳しくも優しき導き

(武視点)

冷静な殿と優しきご子息の情けを受ける事ができそうだった。


鉄の大きな荷車に乗るように言われた。


また閉じ込められるのかと思ったが、厠でのことを思い出し、黙って乗り込んだ。


帯のようなもので体を締め付けられる。

だが不思議に伸び縮みをする。


何でも体を守りしものとのことで、不思議すぎる。


これも透明な板で外が見える。


高い城が所狭しと並んでいる。


目の前にも同じ荷車がとんでもない速さで移動している。


そして、乗り心地のよさから、寝てしまっていた。

迂闊であった。


殿の館はこれまた不思議で、開いた扉が箱のようになっている。


なにやら、触れると光りし物。

消えると扉が開いた。


砦の如く高き風景に驚いた。


ほんの瞬きでここまで上がれるものなのか?

砦なら、この高さ上がるまでどれだけ歩き、体力を使い、時間がかかるか。


ここからが地獄であった。

殿のみだいさまは、鬼の如くお怒りであった。


殿も心殿も、震えあがっていた。

わしのために申し訳ない。


お怒りも理解できる。


男を1人受け入れるとはどれだけの労力か。

衣食住を整えることは大変である。


それに対してお礼と言いつつ情けをかけてもらうことでしか、生きられない自分の弱さを思い知る。


みだい様は怒りはしたが、その後はいろんな世話を焼いてくれた。


わしは、たけし、という名をつけてくれた。

武士という意味だ。

嬉しくて涙が出た。


心殿と一緒に風呂に入れてくれた。


その後、殿のおさがりの衣服を着た。

これは、着心地よく、動きやすい。


その後、床屋というところに連れて行ってもらった。


ひげをそり、髪をだいぶ切られた。


その間も、とても気持ちよく寝てしまいそうだった。


出来上がり見て、ああ、これが最初に来た時に見た人達の髪だと思った。

ようやく、この世の人になれた気がした。


みだい様は、ご飯と味噌汁とはんばあぐというものを用意してくれた。

温かい飯とみんなの笑顔でとても安心した。


米以外、食べたことのないものばかりで、とても美味しかった。


食べ終わると、食器を持って行く様子だった。


これは自分もやらなくてはと思い、食器を持って行こうとした。


そこへみだい様は、たけし、とお呼びになり、はい、と返事をした。


「こっちがキッチン。食事後はここに食器を持ってきて。

皿洗いの仕方を教えるから、もしできそうだったらやってごらん。」


そう言って、見せてくれた。


もくもくと白い泡を食器に塗り付けていく。


丸いものをひねると、水が出てくる。


さっきの食器ついた泡を流すと、皿が光っていた。


「これで油のぬめつきが残らないように。

これだとまだ残っているから、その時はこうやってもう一回これでこすって、流す。

やってごらん。」


はい、と返事して、やってみる。


これが面白く。


夢中でやって終わってしまった。


みだい様はかたっぱしから家事を教えてくれた。


掃除、洗濯、寝床の準備、歯磨きなど。


掃除もいろんなやり方がある。


機会で吸ったり、棒の先に布を巻いて吹いたり、細かいところは手で拭くとか。


やっぱり厠はすごい。

座って用を足すように言われた。

心殿がやり方を教えてくれた。


「立ってやると汚れるだろ。

母さん怒るから。

立ってやって、汚したら掃除するんだよ。

多分、たけしが汚したらすぐわかると思うし、そしたらめっちゃ怒られる。

だからくれぐれも座ってやってね。」


「分かり申した。」


座ると、温かい。


うっかり寝てしまいそうだった。


「そのボタン押してみて。」


すると尻にお湯が当たった。


「こうやって洗うんだよ。その後、拭いて、服を着るんだ。

あんまり使うとトイレが詰まるから、これぐらいかな。」


そう言って切って渡してくれた。


これは気持ちよい。


厠はトイレということを知った。


今日一日でいろんなことを学んだ。

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