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『ざまぁの仕方』について学ぶ令嬢育成学院で起こる波乱

作者: たまユウ

深夜テンションのノリで書きました。頭空っぽにして読むのを推奨します...!

ここは、「ざまぁ」の仕方について学ぶ令嬢育成学院。

今日も麗しき乙女たちによる、ちょっと不思議な学校生活が行われていた。



―・―・―




「では、カリーナさん。もしあなたが婚約破棄されたとき、どのような“ざまぁ”を?」


──教室中が、息を呑んだ。


白いカーテンが風に揺れる午後の第七教室。レースに包まれた机の上には、今日も美しく装飾されたミニケーキと紅茶が並ぶ。そんな中で、私はひとり、スプーンを持つ手を止めた。


「え? ざまぁ、ですか?」


「そうですわ!」


椅子をエレガントに鳴らして立ち上がったのは、例によって縦ロールの暴君──クラリッサ嬢。今日のドレスは薔薇の刺繍が二百輪(本人談)。ドレスというより防具に近い重厚さである。


「ここは令嬢育成学院。“ざまぁ”の型を修めてこそ、真のレディと認められるのですわ!」


「でも、婚約破棄されたなら……次を探した方が早くありませんこと? ざまぁって、非効率的では?」


……その瞬間、紅茶を噴き出した令嬢が三名、失神者が二名、クッキーを喉に詰まらせた者が一名。私の発言は、ほぼ爆弾だったようですわね。


クラリッサ嬢が、恐ろしくゆっくりと振り向き、震える唇で言いました。


「ざまぁは、礼儀作法ですのよ……?」


「えっ、礼儀作法?」


「そうですわ!」


クラリッサ嬢が勢いよく黒板を指さすと、そこには本日のお題が。


《課題:想定ケースB - 王太子が平民女に寝返った場合の“ざまぁ”演習》


……演習??


「ざまぁの種類には、“社交界一斉公開型”“新婚インパクト型”“他国結婚マウント型”などがございますの。私など、先月は『豊穣な土地付き再婚先公開ざまぁ』で学年トップでしたのよ!」


「ちょっと何を言っているのか……」


「あなた、基本の“報復タイムスケジュール”すら把握していないんじゃなくて?」


「報復にタイムスケジュールが……?」


* * *


後から聞いたところによると、ここ令嬢育成学院では、ざまぁ教育は一年次の基礎教養。授業では『反撃の美学I〜III』『毒舌演習』『顔面偏差値とざまぁの相関性』などが展開され、卒業時には“ざまぁ実技試験”まであるとのこと。


「婚約破棄される前提ってどうなんですの!?」と私が叫んだとき、教室中の令嬢たちは一様に微笑んでおりました。


「婚約破棄は通過儀礼ですわ」

「恋の敗北なくして勝利のざまぁは生まれませんの」

「私たちは、ざまぁで成長するのですわ」


──なにそれ怖い。



―・―・―



その夜、寮の自室に戻った私は、机の上のざまぁ実技テキスト(全四巻・布張り)を睨みつけながら、紅茶を飲んでいた。


ざまぁ、ざまぁ、ざまぁ。


そればかり。どこを開いても、復讐と逆転劇のマニュアルばかり。

でも、どうして皆、そんなに自然と受け入れているの? なぜここまで……?


気になった私は、夜中にこっそり図書館の地下書庫へと足を運んだ。月明かりの中、埃をかぶった棚の奥で見つけたのは──


『ざまぁ史・第一巻──婚約破棄政略の裏事情』


ページを開くと、最初に飛び込んできたのはこの一文。


「ざまぁ教育は、かつて政争の火種を制御するための方便として制定された。」


……ざまぁは、仕組まれた制度だった?

貴族社会の秩序を維持するために、令嬢の心と恋愛を、政治の道具に?


唇を噛んだ私の脳裏に、クラリッサ嬢の高笑いがよみがえる。


『ざまぁを否定するなんて、反体制思想ですわ!』


いいでしょう。ならば、私はその“反体制思想”とやらを大いに掲げて差し上げますわ。


ざまぁ文化を、徹底的に、そして華麗に、否定してみせましょう──

なにせ私は、


ざまぁ反対令嬢──カリーナ・フォン・エーデルシュタインでございますから!




・・・いけない。深夜テンションで舞い上がってしまったわ。ちょっと恥ずかしい。


思わず周りに誰かいないか首を振りながら、そそくさと部屋に戻りました。



―・―・―




今日は学院恒例行事──高等令嬢弁論会。


一年に一度、“ざまぁ”にまつわる思想を戦わせ、最も美しく理論的なざまぁ哲学を提唱した者に、栄えある“ミス・ざまぁ・グランプリ”の称号が贈られるという、なんかすごいけど根本的に間違ってるイベントである。


「では皆様、本日のディベートテーマはこちらですわ!」


壇上で金色の扇子を広げるクラリッサ嬢。

相変わらずの縦ロールは今日も攻撃的なカールを描き、あれで人を殴ったら普通に危ないのでは? というレベル。


「“ざまぁは愛の証か、復讐の手段か”──」


ざわ…ざわ…と、会場に集まった令嬢たちがざまぁ語録をめくる音が一斉に鳴り響いた。



「討論者、賛成側は──クラリッサ・フォン・ロゼンリッター!」

「反対側は──カリーナ・フォン・エーデルシュタイン!」


──いや、なんで私参加してるんですの?


昨日、私はただ図書館で「ざまぁの語源って“ざまぁみろ”だけですの? 他にバリエーションありませんの?」と呟いただけなのに、気がつけばディベートという名の言葉の戦場に立っていますわ。そういえばクラリッサ嬢、私のスケジュール帳に勝手に“ざまぁ弁論会”って書いていたような……。


「それでは、賛成側・クラリッサ嬢より発表をお願いします!」


「はい、まず第一に、ざまぁとは愛情の裏返しですわ!」


クラリッサ嬢は扇子をぱん! と閉じて、壇上を華麗に一回転。


「深く愛したがゆえに、裏切られた悲しみも深い! よって、ざまぁは愛を昇華する芸術ですの! 愛がなければ、これほど燃え盛る怒りは生まれませんこと!」


(愛の炎で燃やすざまぁって、サイコすぎませんこと?)


「しかも、ざまぁされた側の元婚約者も“ああ、俺はなんと愚かだったのだ!”と気づき、愛の業火に焼かれながら後悔する──まさに愛と悲劇の二重奏ですわ!」


──あっ、ここで泣く令嬢が出ました。どうやら元婚約者に浮気された経験がある模様。

クラリッサ嬢、涙腺攻撃まで計算に入れるとか強すぎますわ。


「……では、反対側・カリーナ嬢のご意見を」


……仕方ないですわね。ざまぁ反対令嬢の力を見せてやりますわ。

咳払いひとつ。私はマイクを取り、丁寧に言いました。


「まず、ざまぁを“愛の証”とするのは、思考が過激に偏っておりますわ。愛があれば復讐してよいという理屈になってしまいます。それは“愛情”ではなく、ただの“執着”ではありませんの?」


どよめき。何人かのざまぁ信者が紅茶を落としました。


「それに、本当に愛していたならば、相手の幸せを願って静かに身を引くという選択肢だってあるはずです。むしろそれこそ、真の上品なレディのあり方ではありませんの?」


「だ、だまされてはいけませんわ皆様! これは“ざまぁ否定工作”ですの! 静かに引いたら、社会的敗北ですわ!」


「敗北? 令嬢の価値とは、恋愛の成否に左右されるものでしょうか?」


私は壇上を歩きながら、ゆっくりと視線を巡らせました。


「もし、ざまぁを行わないと評価されない社会だとしたら、それは制度そのものが歪んでいる証拠。私たちの“気品”は、そんな復讐劇の上に築かれるべきではありませんわ!」


……しーん。

……とても、静かになりました。


──そして次の瞬間。


「お、おもしろいことを言うではありませんか!」


突然、会場の最奥から声がした。

振り向くと、そこには漆黒のドレスをまとい、謎の面紗(めんしゃ)で顔を隠したご婦人が──


「あなた、“ざまぁ無し派”ですわね?」


「どちら様ですの……?」


「私は“かつて、ざまぁを選ばなかった者”──あなたと同じよ」


ざまぁ制度の“被遺忘者”──幻とされていた存在。その人が今、私の前に現れたのです。


会場にざわめきが走る中、ご婦人はポツリと囁きました。


「あなた、調べているのでしょう? なぜ“ざまぁ教育”がここまで強制されているのかを……」


「……ええ、もちろんですわ」


「ならば、気をつけなさい。学院の“ざまぁ監察室”は、あなたを“思想汚染者”として監視している。ざまぁは、ただの文化ではありません──国家戦略なのです」


──まさか、この学院のざまぁ制度の裏には、国家ぐるみの洗脳プログラムがあったなんて──?


私は背筋を伸ばし、マイクを握り直しました。


「では最後に、私の答えを申し上げますわ!」


壇上で、深く一礼してから宣言しました。


「ざまぁは──愛でも復讐でもなく、“無駄”ですわ!」


──この瞬間、ざまぁ学院(私が勝手に命名しました)史上初の「紅茶一斉吹き出し現象」が記録されました。




―・―・―




朝の中庭。たまには、中庭でもお散歩しようかしら、なんて思っていたら、急に目の前に何人もの令嬢が現れました。


「カリーナ・フォン・エーデルシュタイン嬢、“ざまぁ否定発言”につき、思想チェックを実施しますわ!」


「きゅ、急になんですの!?……私はただ、“ざまぁは非効率では?”って言っただけですのにっ!?」


「その言葉が危険ですの。ざまぁ否定は、社会崩壊に繋がりますわ!」


「社会崩壊に繋がるわけないですわ!」


鳥がさえずる中、私はなぜか豪華絢爛な荷車に押し込まれました。

周りを四人の監視令嬢がサーベル代わりの長スティックで優雅に取り囲んでいるのが見えます。


「今から貴方にざまぁ再教育を施します」


「人権無視が酷すぎですわこの学院!」


私の叫びもむなしく、荷車はご丁寧にティーセット付きでゴトゴトと地下へ運ばれていきました──。





ざまぁ監察室。


そこは、学院地下の禁忌の施設。壁には「ざまぁこそ国家的美徳」「裏切られたら、まず優雅に笑って復讐」のスローガンが描かれている。


雰囲気は冷たいのに、部屋の温度だけは常夏リゾート級に暑い。

精神的に地獄で、物理的に汗だくですわ。


「はい、カリーナ嬢。こちらが“ざまぁ再教育機器”になりますわ」


ドヤ顔で装置を操作するのは、思想保護官補佐・ルルフィーナ嬢。額に“熱血ざまぁ”のシールを貼っているあたり、頭の中も熱そうですわ。


「なんですのそのピカピカの筒……」

「これは“愛してたのに!婚約破棄ざまぁシミュレーターver.8”ですの。まるでその時の情景が思い浮かぶような高性能装置ですわ!」


「その技術力を……もはや誰かの幸福に使いなさいまし!」


私が必死に装置から逃げようとしたその瞬間、突然大きな音ともに部屋が真っ暗になりました。


「な、なんですの!?」

「真っ暗ですわ!!爺や、爺やはどこ!?」


急な展開に皆さん驚いております。チャンスだと思いこの場を離れようとすると、スッと現れた人影が私の腕を握りそのまま走り出しました。


「やはり、ここに連れてこられましたか──カリーナ嬢」


「あなたは……こないだの面紗のご婦人!?」


「ふふ、あなたを助けに参りましたわ。さあ、ついてきてください」


そのままご婦人に手を引かれ、秘密の抜け道を抜けて地下を脱出しました。

向かったのは、学院でも滅多に使われない屋根裏の旧礼拝室。そこで、ようやく私はご婦人の正体を問いました。


「……ずっと気になっておりましたの。あなた、いったい……」


ご婦人は微笑み、スッと面紗を取った。


「ようやく名乗れますわ。わたくし、マリーネ・フォン・ロゼンリッター──クラリッサの実母ですの」


「えっっっっ!?!?!?」


「彼女の記憶から、私は消されています。なぜなら──ざまぁを拒否した“異端の母”として、令嬢育成学院からは史上最悪の人物だと認識されていますから」


「……じゃあ、クラリッサ嬢のざまぁ狂信も……?」


「ざまぁをしなかったことで母が社会から虐げられた。それにより母を失った悲しみから、ざまぁという正義を信じたのでしょうね」


マリーネ様は、古びた手帳を差し出しました。

そこにはかつて、彼女が告発しようとした学院の闇の記録がびっしりと──


「ざまぁ制度は、政敵の抹殺と情報操作のために制度化されたもの。

“感情的に復讐する令嬢”という構図を作れば、世間は冷笑し、真実に耳を傾けませんわ」


「……ざまぁを使って、令嬢の尊厳ごと封じてきたということ……?」


私はそのページを見つめ、心の底から拳を握りました。


「もう終わりにしませんと。クラリッサ嬢を、“ざまぁの呪縛”から救わねば」


マリーネ様は、私の手をそっと包みました。


「カリーナ嬢。あなたこそ、“ざまぁしないざまぁ”を見せて差し上げなさい」




―・―・―




あの日、マリーナ様との秘密の約束をしてから今日まであっという間の日々でした。

明日は卒業ざまぁ舞踏会。学院の最後のイベントであり、ここでざまぁをする令嬢は数知れない。


私は、深夜の学院の廊下を歩きながら、思い返しておりました。


この学院に来て、数々の“ざまぁ”を見た。

人を圧倒する勝利の演出──けれどその奥には、みな傷ついた心が潜んでいた。


ざまぁで得られるのは、“勝った気がする感覚”だけ。

でも、本当の誇りとは、誰かを踏みつけることじゃなく──誰かを赦し、自分を認めること。


だったら、私はそれを証明してみせる。




そして──

翌朝


私は静かに、卒業ざまぁ舞踏会の支度を整えながら、クラリッサ嬢への最後の手紙を封じた。


“私は、ざまぁをしませんわ。ざまぁを否定したいからじゃありません。

あなたと、“ざまぁをしない”世界で、もう一度話したいのです──カリーナ”


──この手紙と共に、私は舞踏会の舞台に上がる。

“ざまぁの終焉”と、“誇りの再定義”をこの場で成し遂げるために。


舞踏会の幕が上がった瞬間、あらゆる煌めきが、ざまぁを待っていました。


舞台には高貴な音楽、会場の中央にはまるでざまぁをするためにあるような高めの段差のあるステージ。

その上で、令嬢たちが元婚約者の目の前で再婚相手とワルツを踊り、まるで言い放つかのように──


「ごきげんよう、“元”王太子様。わたくし、隣国の王太子様と婚約しましたの!」

「あなたより優秀で経済力のある伯爵令息様にプロポーズされましたのよ!」

「そなたに弱いやつはいらないと捨てられたあの日から、剣術を極めて今や騎士団長になったぞ!再婚相手は副団長だ」


いや、最後の令嬢はすごすぎ!!



控室でその様子をモニター越しに眺めながら、私はドレスのリボンを結び直しておりました。今日はあえて、地味な淡いブルーのドレス。ざまぁどころか“見逃されそう”な仕様です。


「ご準備はよろしいですか、カリーナ嬢?」


マリーナ様が優しく声をかけてくれる。


「ええ。”ざまぁをしない”私だけの答え、見ていてください」





そして、私の番がやってきました。

ステージにあがり、灯りに照らされた私は、何のパートナーも連れずに中央へと歩きます。


会場がざわつきました。


「……まさか、ひとりで?」

「演出か?“絶望の孤独ざまぁ”か?」


クラリッサ嬢もステージの向かい側に登場。

今日の彼女は、血のように赤いドレスに、金色の扇子。まさに“最終形態”といった様相でした。


「あなた、何を仕掛けてくるつもりですの? ざまぁをしないなんて、それ自体がざまぁである可能性すら否定できませんわよ?」


「いいえ。今日は、“誇りある無言”を見せに来ましたの」


私は観客席にいるはずの私の()婚約者を探す。

こういう社会情勢だからなのか、私も婚約者に虚偽の言いがかり(何人もの人に浮気をしたと言われた)を受け、ついこないだ婚約破棄をされていた。ざまぁをする文化が根付いているということは、ざまぁを受ける人ももちろんいるということ。

...見つけたわ。


私は()婚約者に向かって、にっこりと微笑み──


「……彼は私の元婚約者です。私は先日婚約破棄されました。でも、ざまぁなんて、いたしません。私はただ自分の人生を一番に考えたいだけ。確かに相手が悪いとざまぁをしたくなる、けれどそれはただの復讐にすぎませんわ。また新たな被害者を生む。それだったら相手のことは考えずに自分が幸せな道を進むために前を向く。それが大事だと思うのです。 わたくしは、わたくしの人生を歩みますわ」



──それだけ言って、踊らずに、ただ一礼して、ゆっくりと降壇しました。



静寂。



──そして次の瞬間、なぜか観客の中から小さな拍手が起こりました。


ぽつ、ぽつ、と。

それは、まるで『ざまぁ』の仕組みに悩んでいた人たちに染み渡るように。


やがてそれは波紋のように広がり、全体が大喝采に包まれたのです。





クラリッサ嬢は、しばらく黙って私の背中を見つめていました。


そして、ふと、舞台に扇子を落とし、言いました。


「……いいざまぁでしたわよ、カリーナ嬢」


「私はざまぁなんてしてませんわよ!?」


「ええ、だからこそ、負けた気がしますの。あくまでも仕返しをするっていう『ざまぁ』に縛られていた私達と『自分の幸せ』を考えていたあなたに。こんな感情、“初めて”ですわ……」


その瞳には、微かに光る涙。

私は、そっと歩み寄り、差し出しました。


「……舞台上で踊りませんこと?」


クラリッサ嬢の瞳が、丸くなりました。


「『ざまぁ』抜きで純粋に踊るってこと?」


「ええ、ざまぁ抜きで、ですわ」



──二人の令嬢は、ステージに上がると、ざまぁのないワルツをそっと舞いました。




―・―・―




後日──


学院はざまぁ制度の見直しに入り、「反ざまぁ選択科目」が新設されました。

ざまぁ依存症カウンセリング部門もでき、急に令嬢たちが真面目に心理学を学び始めるという怪現象も発生しました。


クラリッサ嬢は「ざまぁ的自我の解体と再構築」とかいう妙な論文を書いて、学会で拍手喝采を浴びました(物理的に扇子で叩かれていたとも言います)。

ちなみに、マリーナ様の不名誉も払拭され、クラリッサ嬢とマリーナ様の感動の和解もありましたがここでは割愛させていただきます。



私とクラリッサ嬢は、卒業後も紅茶を飲み交わす仲になりました。


「ねえカリーナ、ざまぁってもう古いと思いません?」


「ええ、今の時代は、“さっさと次いきますわ”の時代ですわね」


「次いきますわ(For my own happiness)!ってTシャツ作りませんこと?」


「ちょっと、ブランド化は控えましょうよ……!」


笑いながら、二人でケーキをつつく日々。

これこそが、きっと本当の“勝ち組”というものですわね。



──他人を落とすより、自分を上げるほうが、ずっと優雅で素敵ですもの。





ここまでお読みいただきありがとうございました!

コメディー要素もりもりで書こうと思ったのですが、オチがなかなか決まらずこのような結末になりました...。コメディー難しいですね、、

設定はゆるふわです。ざまぁ系を最近書いてたので、ざまぁを教育する学院をメインに書いてみるの面白そうだなと思ったのが書くきっかけです!

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