カウント
ザラザラになった指先
あなたの髪を撫でた瞬間
綺麗な月が窓から覗いた
この一瞬の価値を見失う
いつでも帰ってこられるよう
赤い糸を小指にくくりつける
千切れてしまった今でも
変わらず私の小指で揺れている
古本屋で売ってしまった
あの頃好きだった恋愛漫画
それで手に入れた数百円
それで買った炭酸飲料
確証の持てない愛情
性質になってただ甘えている
私の側にいてみたいな
数年後には理想化されていそう
そんなんでもいいよね
そんなんでもいいでしょう
そんなんでもいいから
きっと人間なんだね