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上京女子の冒険日記

作者: 綿雨

深夜テンションで書きました。

笑ってやってください。

今日の予定の全ては昼で終わる。

私は今年から上京してきた為、まだここの事をよく知らない。

その為、予定が終わって出掛ける時間があると私は今日1日で行ける範囲の中で、行ったことのない場所に行ってみるということをしている。今日もスマホを片手に持ち、行くところを決めていた。

と言っても今回の行く所は大体目処がついていた。

電車に乗る。途中でバスに乗り換えるらしい。

電車に揺られながら行こうとしている場所で何をしようかと考え事をしていると降りなければいけない駅のホームが見えた。私ははっとしながら降りる。



違った。ここ、降りる駅じゃない。


前にも一度私は間違えたことがあった。改札口を目指しエスカレーターで上がるとそこは知らない駅なのだ。あまりにもホームが似すぎていてアナウンスや駅の名前を見ずに降りる癖が出てしまう。またやってしまったと慌てて乗りなおす。


バッテリーは25%。まだいける。


電車を乗りなおし、ちゃんとした目的地についた。

急いで階段を駆け上がる。エスカレーターを使っている場合ではない。スマホでバスを確認する。

そこで私はとんでもない事に気づいた。

乗るバス停が一つ前の駅の所だったからだ。

スマホが信じられなくなりつつ私は全力疾走した。

息切れしながらバス停に行くと次のバスまで10分程あった。バッテリーは16%。

流石に危ないと思った私はコンビニに駆け寄る。

モバイルバッテリーがある場所に行きQRコードをかざす。


読み込まない。5回、10回…読み込まない。


バスが来るまで3分前になった。こんな時にQRコードが言うことをきいてくれないことに悔しさを感じつつ、涙目でその場をあとにする。目的地の近くにコンビニはあるだろうか。

前の扉から交通系のカードをかざしバスに乗る。

交通系のカードの中身は残り40円だった。

人はあまりいなかった。まぁ、昼間だしな。


バッテリーは7%。いや…どうしたものか。


極力充電を減らさないために、調べた際にでてきた降りる場所の名前を覚え電源を切った。

バスに乗っているうちに緑が多くなっていく。

地元を思い出す。バスも前からではなく後ろから。

交通系のカードなんて使えない地元のバス。

このバスは中の作りが似ている為少し安心感がある。その安心感につられ眠気が襲ってきた。

目的地は前の画面を見る限りまだ着きそうではない。地元のバスや上京してきてから乗っている電車で寝ていても、なぜかアナウンスで起きられる私は寝ても大丈夫だろうと眠りについてしまった。


目を覚ます。外の光がまぶしい。ちょっと寒い。

前の画面を見た。

終電だった。

まぁ面白そうだしいいじゃないかと心の中で気持ちを抑えようとしたが、今回行こうとしていた所は前から行きたいとずっと思っていた場所だった為、バスの中で駄々を捏ねたくなった。

バスが止まり後ろと前のドアが開く。

都会って前も後ろもオープンするのかとまだあまり回っていない頭で考えながら降りる。

降りた所には沢山の建物と沢山の人。都会だ。

行こうとしていた所はかなり落ち着いている場所だった為想像と180度反対の景色に今日の暑さに勝つのではと思うくらいの混乱が私に襲い掛かる。

とりあえず充電しなければとコンビニに行く。

先客がいた。カップルっぽい。彼女の方がモバイルバッテリーを選んでいた。それを横目に並んでいると相手が『あっすみません』と言ってきたので反動ですみませんと口にする。

するとその選んでいた彼女がこの会話の2秒後に後ろの彼にこう言った。


『なんか変な人いるんだけど〜』


…私のことか?私のことを言っているのか?

確かに今日の私はキャラクターTシャツに最近太ってしまったからか少しパツパツしているジーンズ、今日の予定に使う荷物が多かったためリュックを背負っていた。おまけに風で髪はボサボサ、メイクもサボってしていなかった。

でもさ、後ろに私がいる状態で言わないでくれよ。

都会の人って心がないのだろうか。心に傷を追ったままQRコードを読み込む。

読み込めたがどうやら貸出できないらしい。


バッテリーは3%。


コンビニを急いで出る。どこかに家電量販店はないだろうかと周辺を歩いてみる。見つけた。

急いでショッピングモールの中に入る。

都会はすごい。誰一人とてキャラクターTシャツなど着ていない。さっきの言葉がグサグサ刺さる。

…いつかシティーガールっていうもんになれるのだろうか。

エスカレーターを使い上に上がっていく。

家電量販店の中に入りモバイルバッテリーのコーナーに行き安いモバイルバッテリーを手に取る。

レジで会計を済ませようとする際、アプリを入れると安くなると言われた。

それならと思いスマホの画面を見たがもうスマホは死んでいた。

泣く泣く財布にある残りの二千円をだす。

今日はどこにも行けなさそうだと悟った。

モバイルバッテリーを買い、早速スマホと繋げる。


充電が一向にされない。


先程から1%としか表示されない。

かと思うと0になる。もうだめだ。


スマホをリュックに入れ、帰り方を模索する。

電車で帰れるらしい。私は財布の残りのお金で電車の切符を買い、その場を後にした。

電車を降りて家に帰る。

鍵を開けエアコンのつけっぱなしにあっと思いながらベットに座る。

さっき買ったモバイルバッテリー。

返品すれば良かったかと考え始める。

興味本位でモバイルバッテリーに繋いでいたケーブルを家にあるものと取り替える。


使えた。びっくりするほど充電が進む。


それを見た私はなにも言えなかった。

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