7.異常性検知。
おひさしぶりです(*'▽')
ちまちま書けたらいいな、って思ってます。
「なんだか、気分悪いですね。……さっきから、空気が薄いというか」
「そうか……? 俺はそんな感じしないけど」
陸の言葉に、俺は疑問を覚える。
彼の顔色は明らかに悪く、酸欠に近いような感じになっていた。幸い陸の手持ちに小型の酸素ボンベがあったので、彼にはそれで急場をしのいでもうことに。ただ疑問なのはこちらの方で、俺はむしろ先ほどから身体が軽くて仕方なかった。
それこそ学生時代に野球部だった頃、いいやそれ以上の充足感。
この差はなんだ。
俺が眉をひそめていると、陸がこう言う。
「アカンです。さっきから膝が笑てもうて、動けなさそうです」
「そっか。それなら一度、無理せずに休憩――」
こうなっては仕方ない。
そう考えて、いったん俺は周囲を確認してから――。
「……なんだ? この気配」
「達治さん……?」
青年は気付いていないらしいが、明らかにこちらを狙う存在がいた。
一つではない。小さなものが少なくとも、三つ。ただどれも動きが素早く、薄暗い中ではその姿を認識するのが困難だった。でも、それはいつもなら、のこと。
本当に、何故かは分からない。
俺は玲音からもらった模造刀を抜き放ちながら、意識を集中させた。すると分かるのだ。相手の姿形から大きさや、どこにいるのかさえ。
「陸、お前は絶対に動くなよ……?」
「ちょ……! 達治さ――」
俺は薄闇の中に飛び込んだ。
すると右側からまず一体、人の大きさくらいはあろうかというオオカミが襲い掛かってくる。だけどそれはもう認識済み。俺は模造刀を右に払うと、そのオオカミは真っ二つになった。
その次は背後から。
同じようなオオカミが現れ、即座に反応すると左手からも出没した。だが――。
「ふっ……!!」
身体が勝手に動く。
流れるように正面に入ったオオカミを斬り伏せ、俺はすぐ身体をひねって左手からの一撃を回避。無防備なオオカミの頭にめがけて、最後の斬撃を繰り出した。
それで、終わり。
俺はふっと息をついて――。
「そんな簡単に、終わらない……か」
その奥から出現したオオカミの親玉の存在に、舌を打つのだった。
◆
「…………なに、これ」
「玲音ちゃん……?」
一方その頃の涼子たちは、どうにかしてダンジョンの構造を把握することに努めていた。その中で危険性をなくすため、玲音は魔物の発するエネルギーを探知する機材を設置。それがあれば、万が一に奥に凶悪な相手がいても事故を減らせるのだ。
だが、その機材が示した座標とエネルギー数値は異常だった。
「座標は、ここなんですけど。強い反応が二つ、あります。その二つが睨み合いをしているんですけど、ただ――」
「…………ただ?」
涼子が息を呑んで、訊ねる。
そして、玲音は震える声で続けるのだ。
「片方のエネルギーが、桁違いです。……もう、勝負は決まっています」――と。
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ハイファンの新作です(*'▽')
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