6.闇夜に聞こえた呻き声。
お久しぶりです(´;ω;`)
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「……さて、と。明日の準備は、こんな感じで良いかな?」
ゼクスたちとのコラボ配信を明日に控えて、涼子は必要物資の再確認を行っていた。今回はいつものそれとは違い、大手配信グループの一人とのコラボだ。
なにか問題が起きてからでは、遅すぎる。
一つのミスも許されない。そんな状況だからこそ、涼子の気合もいつもと違った。
近衛の家に泊まってまで準備しているのは、それが理由の一つでもある。
そして、もう一つの理由は――。
「むー……たっちゃん、また玲音ちゃんと二人きりだ……」
彼の家に宿泊するというもう一人。
白鳥玲音の存在を警戒、監視するためでもあった。
鈍い達治は気付いていないが、以前の一件以降の彼女は彼への好意を隠そうとしていない。いまは何か別の要件を確認しているみたいだが、いつ動きがあるか分からなかった。
もっとも従兄妹の関係を抜け出せない自分の歯痒さに似た感覚が、玲音の中にもあると考えたら同情してしまうのが涼子らしい。とにもかくにも、達治が悪い。
「まぁ、すぐには変わらないよね。……それじゃあ――」
ひとまず、いまのところは大丈夫だろう。
そう思って彼女が気持ちを切り替えた。その時だった。
「え、え……!? なに、いまの声……!?」
何かが呻くような、恐ろしい声が木々の合間から響いたのは。
涼子はとっさに身構えつつ、周囲を確認した。
「熊、じゃない。いまのは、もしかして……」
モンスターがダンジョンの中を出る、ということはあり得ない。
だとすれば、山に近いここでは熊の出現が思い浮かぶ。しかし涼子の経験上、いまの声は野生のそれのものではなかった。そうなってくると、次に考えられるのは……。
「ひ、人の声……?」
尋常ではないが、人間の呻き声という結論だった。
そして、もしそうなら相手は相当に危険な状況だろう。それほどまでに、苦しげな声色だった。だから涼子は声のした方へとゆっくり、注意を払いつつ近付く。
すると、何やら草木を掻き分ける音がして気配は消えた。
何事もなかったかのような静寂に包まれて、涼子は呆然と立ち尽くす。
「……いったい、なんだったの?」
そして改めて、困惑の言葉を口にするのだった……。
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