3.コラボ相手の為人。
(*‘ω‘ *)更新止まってすみません。
ちょいとばかり遠出してまして、今日からまた頑張ります(白目
アクシズとは、どうやら登録者数十万人規模のグループらしい。
メンバーは合計で五人。全員が同じ配信者事務所に所属し、そこの援助を受けながら活動をしているとの話だった。ダンジョン配信というジャンルはとかく危険が伴うので、安全面を考慮して事務所指定の保険に入るのが一般的、だとか。
「世の中、知らない世界は多いもんだな」
いまのは俺が、アクシズの一人とコラボをする上で調べた内容だ。
これまで良くも悪くも適当に配信者活動してきたが、今回の一件でいつになく勉強しているような気がする。収益化などは置いておくとして、個人勢である自分たちが負っているリスクなど、そういった部分については無知が過ぎたと思わされた。
かといって、どこかに所属したいとも思わない。
これは俺と涼子が好きで始めた配信であって、自由であるべきものだったから。
「まぁ、それは良いとして。……コラボするのは、ゼクス、って人か」
――という話もさておき。
俺はその事務所の演者一覧から、来月に決まったコラボの相手を探した。そうやって見つけたのは、二枚目な三枚目、という表現が似合う男性の画像。
派手な赤髪をしているコラボ相手ことゼクスは、大きな口を開けて笑っていた。黙っていればモテそうなものの、動画を見る限りかなりのネタキャラ扱い。本人の意向なのかどうかは知らないが、いじられることが多い様子だった。
「えっと、プロフィールには……『アクシズきってのお調子者!』か」
たしかに、俺の抱いた印象と相違ない謳い文句。
詳細なプロフィールを検索すると、ずいぶんとチャラい印象の文言が並んでいた。玲音が彼とコラボしたことも意外ではあったが、しかしそれ以上の違和感を拭えない。なんとも名状しがたいのだが、分厚い雲があるような感覚、とでもいえば良いのだろうか。
「んー……なんだか、スッキリしないな」
そうして俺は一度、パソコンをスリープモードにして。
リアルな彼に詳しいであろう玲音に、電話をかけるのだった。
◆
――その頃、達治のファンが集う掲示板。
そこでは後日の配信予定について、多くの議論が重ねられていた。それというのも、達治たちの『秘境のダンジョンちゃんねる』に『アクシズのゼクス』がやってくる、ということについて。正直なところ、『ゼクス』の人となりを達治以上に詳しい住人たちは難色を示していた。
『大丈夫な奴なのか、ゼクスって』
『アクシズのお調子者だけど、裏だと女に手を出しまくってるとか?』
『それってアンチの言うことだろうけど、リョウちゃんとレインが心配だな』
それというのも、配信での彼のイメージはとにかく『軽率で軽薄』というもの、だったから。達治のことを慕う『レイン』が推薦したという話だが、ネット越しの彼らにとっては不安しかなかった。それに拍車をかけるように、次から次に不穏な話が出てくる。
『一部の話だと毎日、歓楽街で遊び惚けてるとか』
『酒に溺れて、借金まみれだとか』
『八股の噂もあったよな』
どれも証拠はない。
しかし『そうらしい』という意見が多数だった。
そんな中で見過ごされていたが、たった一つだけ――。
『あぁ、ゼクスは本当にしょうもない人間だよ』
――なにやら、異色な雰囲気の書き込み。
でも大量に連ねられる過激な話題に、その悪口は忘れられるのだった。
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