表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/65

6.次に遭遇したモンスターは……。

少しだけ遅刻更新。

応援よろしくっス_(:3 」∠)_








 ダンジョンをしばし探索すると、到着したのは開けた空間だった。

 ドーム状になったそこには微かな水が流れており、どことなく湿った空気が漂っている。しかし長い時間を閉塞的な場所で行動していたため、不快に思うことはなかった。

 俺はカメラで周囲を撮影し、そしてあることに気付く。



「これって、宝石……か?」



 どうやら、岩壁の一部が結晶化しているようだ。

 ダンジョンには極稀に、こういった鉱石を採掘できる場所があるらしい。もっとも先に述べた通り、このようになっているのは何億分の一程度の確率とのことだった。

 情報源は言わずもがなコメント欄だが、何はともあれ幸運であることは確か。



『激レアじゃん!』

『うわ、マジか』

『これ売ったら幾らになるんだろ』



 彼らも俺と同じ考えをしているようだった。

 しかし今、採掘の道具などはない。鍬はあるけど、それでは駄目そうだ。



「ひとまず、ここまでは安全……っと」



 俺はそう思い、一度荷物を降ろして紙とマジックを取り出す。

 そこに簡単ながら地図を描いていった。これはいわゆる『マッピング』というやつで、箇条書きで情報も追加していく。滅多にあり得ないと思うが、涼子のためにも情報を残しておいた方がいいだろう。そんなわけでしばらく記入していると、コメント欄が騒がしくなっていた。



『いま何か見えた!!』

「え……?」



 そんな類の内容が連投されており、俺は盾を手にして周囲を警戒する。

 すると、暗がりの方から何かがこちらを見ていることに気付いた。いったいアレは何だろう、そう思いながら目を細めていると、途端に姿が掻き消える。

 驚きまた周囲を見回すと、影だった者は――。




「え、何だよアレ!?」




 空洞のど真ん中で仁王立ちし、こちらを虚ろな眼で見つめていた。

 筋骨隆々な赤褐色の肉体をしており、指先は鋭い鉤爪のようになっている。背には漆黒の翼が生えており、緩やかに動いていた。

 カメラを向けて視聴者に見せると、こんなコメントで溢れ返る。






『アークデイモンって、マジかよ!!』――と。






 




 その時、急遽として一つのスレが立てられた。

 タイトルは『【緊急】たっちゃんが、命の危機【危険】』というもの。そしてダンジョン配信界隈の住人たちはみな、何事かと集まり始めた。

 スレ主は大急ぎで、みなに訴える。




『鍬使いのダンジョンに、悪魔系の上位種がでた』――と。




 それはおそらく、先ほどのアークデイモンのこと。

 だが、何がそこまで緊急なのか。その答えは、すぐに分かった。




『はぁ!? ドラゴンだけじゃないのかよ!!』

『アークデイモン、って言ったらベテランでもヤバい相手じゃねぇか』

『上位悪魔種【アークデイモン】とは、俗にデイモン系と呼ばれるモンスターの中でも最上位の戦闘力を持つとされるもの。赤褐色の肉体をしており、強力な魔法を行使する』

『コピペ乙』




 要約すると達治の目の前に現れたのは、ドラゴンの比ではない強敵らしい。

 もっとも彼はそのことを露ほども知らないが、だからこそ住人たちはみな焦っていた。このままでは期待の新人が死ぬ、という放送事故が起きかねない。

 だがしかし、どのようにすれば彼を救えるか、それも分からなかった。



『くそ! 俺たちは所詮、文字かよ!!』



 スレ住人の一人が、悔しげにそう書き込む。

 そして、そこにいた全員が祈るしかなかったのだ。





「(頼むから、まずは逃げてくれよ!?)」――と。




 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ