4.期待を一身に背負って、配信は始まる。
若干、寝坊して執筆しました。
粗いところはご容赦を。
そうして、期待の新人である『鍬使いのドラゴンスレイヤー』の配信が始まった。開始と同時に同接は数百人を超えて、前回とは比にならない程の速度でコメントが流れる。
『キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!』
『はじまた!』
『待ってた甲斐があったぜ』
リスナーたちは歓喜に沸き立っており、達治たちへの期待値が見て取れた。
しかし、そこで噂のドラゴンスレイヤーが申し訳なさそうに言う。
「えっとー……コメント追い切れないんですけど、きてくださってありがとうございます。今からダンジョンに入っていくんですけど、謝ることがあって――」
何事かと、配信を見ている全員がざわついた。
すると達治は自身の手を画面に映して、こう説明する。
「まず、今日は戦闘を行えないかもしれません。見ての通り手のひらを火傷しまして、まだ少しだけ痛むんですよね」――と。
そしてリスナーたちは、彼の手がまだ赤く腫れていることに気付いた。
どうやら、先日のスレ住人の憶測は正しかったらしい。それによって詐欺動画説を上げていた者は口ごもり、達治を信じていた者たちはむしろ喜んでいた。
『いやいや、怪我なら仕方ないって』
『むしろ何もない方が怪しいからさ』
『俺は信じてたで』
コメント欄を埋め尽くしたのは、気にするな、という掛け声。
それを見た達治は、どこか安堵したように感謝を述べた。
「ありがとうございます。あともう一つ、相方のリョウなんですけど――配信枠を取った後になって体調を崩しまして、今日は画面に演者は映りません」
続けて、今日の配信についてそう加える。
涼子の不在を惜しむ者もいたが、それについては概ね了解が得られた。
『まぁ、しゃーない。切り替えてけ』
『リョウちゃん(´・ω・`)』
『お大事にしてもろて』
そんな言葉が並ぶ。
それらを見て、達治は改めてこう宣言した。
「お知らせは以上ですね。まぁ、今回は視聴者さんからの質問を拾いつつ、ノンビリダンジョン探索をできたらと思います! よろしくお願いします!!」――と。
◆
そこで俺はいったんミュートにして、諸々の装備を準備した。
一番の目玉は、あの店員から貰ったミラーシールド。
「これの性能を確かめるには、ちょど良いかもな……」
今日は戦闘を極力避ける方向性で、配信を行うつもりだった。
それを確かめ、俺は大きく深呼吸をする。
そして、ミュート解除して言った。
「それでは、今日の配信を始めます!」――と。
たった一人での配信。
その状況に、いつも以上の緊張感を抱きながら……。
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