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其の九十五…『昼休み怪談部事始め:『空の上に通じるエレベーター』の話』

 最近『昼休み怪談部』の『部長』を務める『ユズハさん』の身の回りでは『不可思議な出来事』が頻繁に起こっているそうだ。なので『部の冊子』にも『ユズハさんの体験談』という新しい『カテゴリ』を作ってはどうかと『私』は考えているくらいである。


 そんな『ユズハさん』が『一番最近体験したことなんだ!』と興奮気味に語ってくれた話が『今回』の『怪奇談』である。



「…………あれは『日曜日』の『昼間』に『ヤマト』に行った時だったねぇ………『叔母さん』が『商品券』を『9000円分』くれてさ~! それで『新幹線のチケット』買って『友達』と『ゴールデンウィーク』に『東京』に旅行することにしたんだよね~♪ ………あ、もしかして『やっくん』も旅行行きたかった?? ごめんね! 今度埋め合わせするから………」と『ユズハさん』


「あ、いえ、実は『ゴールデンウィーク』は『藤堂さん一家』と『うちの家族』で『宮城』に『四泊五日』で旅行することになったんですよ。『仙台』から『岩手』とかめぐることになってまして、なので大丈夫ですよ(笑顔)」と『私』


「なんだ~、じゃあ気にしないでいいね~」



「だーかーら! なんでそこで『ユズハ』は笑ってスルーすんのよ!? あんたら本当に付き合ってんの!!?? おかしいって言ってんのマジでなんなのよあんたらは!!!(激高)』と『ナツメちゃん』


「いや、だから藤堂が切れるのはおかしすぎるだろって(ツッコミ)」と『姫川君』




『ヤマト』とは『ヤマト百貨店』のことで、『金沢』に『本社』があり『金沢』と『富山』に二つの店舗を持っている、地元民には『お金持ちが買い物する場所』と認識されているお店である(笑)。『ユズハさん一家』はここの『友の会』に参加しており、『百貨店』の『11階』に『旅行会社』が入っているので、そこで『商品券』を使って『新幹線のチケット』を予約したのだそうだ。『商品券』を使う場合は『店舗』に直接行かないと買えないらしい。



「まあ『チケット予約』は別にすんなりできたんだけどさ。問題はその『帰り』だったんだよね。『11階』は『百貨店』の『最上階』で、『屋上』には『駐車場』とか何もないからその『12階以上』はないんだよ………『本来』はね」と『ユズハさん』




『ユズハさん』が『チケット』を手に入れて『エレベーター』の前で待っていた時だそうだ。目の前の『三つ』ある扉のうち『一つ』が『開いた』ので彼女が乗り込もうとすると、『満員』だったらしい。



「そう、『満員』だったの。いや、そのこと自体は別におかしいことでもなんでもないけどさ、なんていうか………『エレベーターの中』が『滅茶苦茶寒かった』んだよね………」と『ユズハさん』



 季節はまだ『肌寒い』季節なのに『エレベーターの中』は『刺すような冷たい風』が『頭の上』から吹いていて『ユズハさん』は『鳥肌』がたったという。そして『載ってる人たち』も寒いのか『顔が青かった』そうである。


 なので皆『仏頂面』であり、しかも『隙間』がないので『ユズハさん』が乗るのをためらってしまう。すると一人の『中年女性』が苛立った調子で、


『…………ちょっとなによあんた。乗るならさっさと乗りなさいよ』


『………あ、は、はい、すみません。乗ります………』と『ユズハさん』



 彼女は急かされて慌てて乗ったそうだ。そして『一階』のボタンを押そうとして人がいて押せなかったので、


『あ、あの、『一階』押してほしいんですけど………』と『ユズハさん』


『何言ってんのあんた? これは『上』にいくやつよ』と『中年女性』


『…………はい?? 『上』???????』と『ユズハさん』



 意味が分からなくて『ユズハさん』が『素っ頓狂な声』をあげたらしい。それも当然、彼女は『下の階』を示す『ボタン』を押して『エレベーター』を待っており、そこで『到着』した『エレベーター』に乗り込んだからである。しかもここは『最上階』で『上の階』などあるはずがない。


 そして『呆然』とする『ユズハさん』の目の前で『扉』が閉まり『エレベーター』が動きは始める。感じる『感覚』で明らかに『エレベーター』は『上昇』しており、『扉』に嵌っている『ガラス』越しに『百貨店』の廊下や店舗がどんどん『上から下』に流れていくのが見える。



(??? 私は『最上階』にいたんじゃ……?? なんで『上の階』があるの??)と『ユズハさん』



 だが『五つ』ほど『階』を超えると、そこから『上の階』は『店舗内』に『灯り』がついていないらしく『真っ暗な廊下』の中に『非常灯の灯り』だけが見えるようになったそうだ。『ユズハさん』はその時点で『ごくり』と唾をのみ、



(…………一体今私は『どこ』にいるの??)と『ユズハさん』




 そして気が付けば『エレベーターに載っている人たち』が皆『ずぶ濡れ』だったそうだ。苛立った『中年女性』は『ユズハさん』の視線に気づくと『ギロッ』とにらんできたのですぐに目をそらしたが、確かに『びしょびしょ』だった。まるで着衣のまま『プール』に浸かったばかりのようであったそうである。



(?? 『ヤマト』に『ナイトプール』でも『オーブン』したっけ?? いや今全然『デイタイム』だけど………だよね??)と『ユズハさん』



 そしてそこで気がついて『エレベーター』の上の方にある『階の表示』を見ると、ずっと『11階』が点灯していてそこから動いていない。



『客たち』は無言で『ユズハさん』も沈黙、いったいどれだけの時間が経ったのだろうか………、





 ………たぶん『40階』を超えたあたりだと思われたそうだが、ふいに『チン』と言う音とともに『扉』が開いた。



『…………やっと着いたか………』と『客たち』



 誰かが疲れたように呟いてから『ぞろぞろ』と出て行き、『ユズハさん以外の全員』が『扉』の外に移動した。『ユズハさん』は当然『目的の階』ではないので下りなかったわけだが、


 そこで『降りた客たち』が『一斉』にぐるっと振り返って、




『『『あんたはなんで降りないの??』』』




『ユズハさん』はこの時点ですでに『閉まるボタン』を押していたので『扉』が自動で閉まった。



 ウイーン、ガタン………、



 さすがに彼女も思わずその場でに座り込んで、


『…………ほぅ(深呼吸)。なんで私も『降りる』って思われてたんだろ? 最初から『一階に行く』って言ってたのに………』と『ユズハさん』



 と、そこで彼女は『エレベーター』が動いていないことに気づくとともに『ガラス』からこっちを覗きこんでいる『客たち』と目が合い、『扉』が再度開き………、




『………っ!!』




 すぐに『ユズハさん』は再度『閉まる』ボタンを押して『開扉』を『阻止』し、同時に『一階』ボタンを連打する。客たちは『扉の隙間』に『指』や『踵』を挟み込もうとしていたが、それが入るほど『隙間』が空く前に『閉じた』ので諦めたようだった。『ユズハさん』はそこで『本物の霊能者』の言葉を思い出し、



(…………『ひむろん』は『恐怖しなければ怪異に化かされることはない』って言ってた………『冷静さ』を保て………いきなり『異世界』に迷い込んでも慌てちゃいけない、『下っ腹』に力を込めて『気合』をいれれば『化け物』だって簡単に退散させられ………)




 だが『エレベーター』がまた『上の階』に移動し始めのである。




『ま!? ちょっと待って!! 待ってえええええええええ!!! 出してええええええ!!!』



 ………と叫びそうになるのを『ユズハさん』は『寸前』で堪えたらしい。正直『悲鳴』が手で押さえた口から『決壊』寸前だったそうだが、『過呼吸症』になりそうだと自覚しつつも『深呼吸』を繰り返す。途端に『大勢の人の笑い声』が聞こえてきたが、これは『過呼吸症候群』が引き起こす『幻聴』だとすぐに分かった。



『…………れ、冷静さを保て………そもそも私は『11階』から『1階』に向かってるんだ………『上の階』に行く限り『降りる』理由がない………だから『下の階』に行くまで私は絶対に降りない………』と『ユズハさん』



 すると『あかりがついている百貨店の廊下』が『ガラス』越しに現れ始め、さっき『チケット』をかった『旅行会社』のデスクも見えた。だが『ユズハさん』は『本来エレベーターから旅行会社の看板は見えないはず』と思って『扉』が開いてもすぐに『閉まる』ボタンを押す。



『こんな『見え見えの罠』に引っ掛かる私じゃないよ~!(あっかんべー)』と『ユズハさん』



 すると今度は『エレベーター』が『上昇』をやめて『下降』を始めた。もちろんそうなると途中で『さっきずぶ濡れの客たちが降りた階』に近づいていくことになるが、『ユズハさん』は動揺しない。案の定『その階』で『エレベーター』が勝手に停止して『扉』が空きそうになったが、『閉じる』を連打して何とか阻止する。ちなみに『ずぶ濡れの客』はもういなかったが、『扉の隙間』に『手』が差し込まれてきた。だが力いっぱい『蹴る』と引っ込んで『扉』が完全に閉まった。



『種が割れてるからね~!(天井に向かって叫ぶ)』と『ユズハさん』



 そして『階数表示』が『11階』から動き始めたのだが、『ガラス越し』には相変わらず『真っ暗な廊下』しか見えなかった。そのまま『1階』の表示になったので『扉』が開くと、『真っ暗な廊下』の向こう側に『首から上が『ずれている』人たち』たちが待ち構えていた。『首』が『肩』とか『肩の外側』から『生えている』のである。




『『『…………あんたは降りないのかい?』』』と『客たち』




『ユズハさん』は思わず『閉じる』ボタンを押したい衝動にかられた。だがまたも『深呼吸』して、



『…………もちろんおりますとも!!』




 一歩踏み出して『エレベーター』から出ると………そこはまごうことなき『日曜日の昼間』の『ヤマト百貨店』の『一階フロアー』だったのだそうだ。



『…………ありがとう『ひむろん』と『サカナちゃん』…………って『サカナちゃん』は今回はあんまり関係なかった………かな?(笑)』と『ユズハさん』



 彼女はそのまま家に帰り、特に変なことは何もなかったそうだ。

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