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其の九十三……『怪談小豆夜話:『市立『不思議野町病院』』にまつわる話』

『怪談小豆夜話』のシリーズでは『東京から移住してきた不思議なお婆さん:小豆さん』の家に集まってきた『怪談』を『ノナさん』が参加して聞き取り、それを『昼休み怪談部』で『私』こと『やっくん』と『ユズハさん』(+ナツメちゃんと姫川君とサンシ先輩)に話してくれている。そして『ユズハさん』はここで『興味津々』の顔で、



「ねぇねぇ『ノナ』、その『怪談座談会』って『大雪の日』だけしかやってなかったの?」



 この時『ノナさん』は『ずっと喋りっぱなし』だったので『喉痛い~』と文句を言いながら『お茶』を飲んでいて、


「ん~? ああ、最初は『豪雪の日』にだけやってたんだけどさ、なんかその日『参加してなかった人たち』も後で話を聞いて『自分も話したい!』って言いだしてさ、だから今でも『不定期』でやってるよ。しかも最近は『ちょっと面白いお客さん』も参加するようになって『盛り上がって』きてるんだよね…………」


 といって『ノナさん』が『ちょっと不思議な笑顔』を浮かべた。『サンシ先輩』が首をひねったが何も言わず、『姫川君』は何かを察した様子だった(でも無言)。どうやら『怪談座談会』には『何か』があるらしい。



 そして『ユズハさん』がむしろ『望むところだ』と言わんばかりに、


「『なにか』あるわけね!? じゃあ今度『開催』される日は『私』も参加したいから教えてよ!」と『ユズハさん』


「ああ~、まあ、あんたならそういうだろうとは思ったね~。はいはい、じゃあ『開催』が決まったら連絡するね~」と『ノナさん』


「やった! じゃあよろしくね~」



 ということで『ユズハさん』も『小豆さん宅』にお邪魔することが決まったのである。だが『私』はやめておいた、なぜかというと『知らない人がたくさんいる空間』に個人的に『抵抗』があったからである。


「…………怒らないのか?」と『姫川君』


「なんで?? あたしが?? どこに怒る要素があんの???」と『ナツメちゃん』


「わからん…………(困惑)」


「いや、その反応がわからんわ(当惑)」





 そして『今回』も『小豆さんの友達』の一人が『怪談』を語る。今回の『語り部』は『かなえさん』という『ご近所の主婦』だった。



『…………じゃあ『私』も『怪談』を一つ話そうかしら。これは『私の夫』が体験した話だそうだけど…………まず皆に聞くけど、『不思議町病院』ってご存じかしら?』と『かなえさん』



『不思議町』と言う単語に思わず『ノナさん』が『ギョッ』としたそうだ。その名前はただの『根拠のない噂話』などではない、『ノナさん自身』が過去に『かかわり』を持ったことがある、『ガチの怪奇現象』だったからである。



『え!? 『不思議町』ですか!? あの『金沢のどこか』にあるって言う『特定の作法に従ってバスに乗らないといけない奇怪な町』のことですよね!?』と『ノナさん』



 その話には『尼御前さん』や『男子大学生』なども反応して、



『あ! その話聞いたことある! 私は『不思議町にたどり着けた人間は必ず『大金持ちになる』ってきたことあるよ! 今活躍してる『大企業の社長』とか『芸能人』も『不思議町』に行ったことある人が多いって!』と『尼御前さん』


『俺は『不思議町』の『奥』には『怪野あやしの町』って場所があって、そこに入ると『死んだ人』と会えるって聞いたことあるぜ! でもそこで『死者』と『会話』すると二度と『現世』には戻ってこなくなるって!』と『男子大学生』


『えぇ!? そんな話あるの!? 全然聞いたことないんだけど!』と『ノナさん』




 実は『昼休み怪談部』は『尼御前さん』と『男子大学生さん』の話は『知っていた』のであるが、それでもその話が『有名』であることは知らなかった。なので『裏取りができた』と『ユズハさん』は喜んでいた(余談)。そして『他』にも『不思議町』のことを知っている人がいたそうだが、逆に『真理恵さん』と言う『女子大生』はしらなかったらしく、



『なにそれ?? 『金沢』の『都市伝説』ですか? 似たような話は『福井』にもありますよ、『東尋坊タワー』で『ある歌』を歌うと『人間じゃない店員』が『変なもの』を売ってる『店』がいっぱい並んでる『市場』に入ることができるんですよ。まあ『失敗』すると二度と戻ってこれなくなるのは『お約束』ですけどね』と『真理恵さん』


『『東尋坊タワー』ってなにそれ『心霊スポット』??(マジで知らない) その話も気になるけど、とにかく今は『不思議町病院』について話させて頂戴! 『私の夫』が『数か月前』に『食中毒』をおこしたことがあったんだけどね、あやうく『心霊スポット』に『連れていかれそう』になったそうよ…………』と『かなえさん』




 ちなみにだが『東尋坊タワー』は実在する場所で『心霊スポット』などではなくちゃんと『運営されている公共施設』である(要注意)。そして『かなえさんの旦那さん』が『奇妙な体験』をしたのは『豪雪で金沢が埋まった数か月前』の、『ギラギラと陽光が照り付けていた』、今や『あこがれ』ともいえる『真夏のある日』だったという。



 そんな『真夏のお昼』に『かなえさんの旦那さん』は『食中毒』で倒れたそうだ。なんでも彼はいつも『かなえさん』に作ってもらった『愛妻弁当』を『保冷剤』ともに『通勤用鞄』に入れて運び、『職場』に到着するとすぐに『職場の食堂にある冷蔵庫』に入れておくらしい。その冷蔵庫は『従業員』であればだれでも使えるので『夏場』は皆そうしてるそうだ。


 だが『旦那さん』は『おっちょこちょい』なところがあるらしく、彼は『その日』の『朝』は『仕事の納期が詰まっていてどういう風に人員配置すれば最も効率がいいか』をずっと悩んでいて『ボーっ』としてて『保冷剤』を入れないまま『弁当』だけを『鞄』にいれてしまった。そして『職場』につくとその『弁当』を『冷蔵庫』に入れることすら『失念』してしまって、『お昼』になってから気づいたそうだ。



『でも『旦那』は『食いしん坊』で、『お弁当』をあけて『ご飯』が『糸』をひいてても『これくらい大丈夫だろ!』と食べたのよね~。それで『全部食べ終わって』から『十数分後』に急に『吐き気』に襲われて、『トイレ』に駆け込んで『戻した』あと、今度は『酷い下痢』に襲われちゃって、そのまま出れなくなっちゃったのよ~w』と『かなえさん』



 もともと『旦那さん』は『大雑把で味音痴』だったそうだが、それにしても『味がやばすぎる』とは思わなかったのだろうか…………?? 結局『旦那さん』は『下痢』を出し切って『もはや何も出ない状態』になると、『意識が朦朧』としてきたらしく、そのまま『便器』を抱きしめて『倒れて』してしまったそうだ。



『そうなるとさすがに『他の人たち』も気づいたようで、『トイレの個室の壁』をよじ登って『うち鍵』を開けてから、『旦那』が『動けない』のを見て『救急車』が呼ばれたそうよ。そして『救急隊員』が『担架』にあげてから『救急車』に載せられたの』と『かなえさん』



 そして実は『旦那さん』は『完全に意識がない』わけではなかったらしく、『霞む意識』で『仕事仲間』や『救急隊員』の『会話』を聞いていたらしい。だが『意識がぼんやり』としていたので『恥ずかしい』と言う感覚はなく、言われるがままに『服』を脱がされていたそうである。



『最初は『下痢』ごときで『救急車』呼ぶなんて『迷惑』だなって思ったけど、『これ』は呼んで『正解』だわ…………結構『危険な状態』だぞ』と隊員α。


『すごい『震えてる』な。『高熱』がでてるぞ、『点滴』が必要だ! 近くの『○○病院』は『ベッド』空いてるか??』と隊員β。


『『○○病院』は今『医者』がいないらしい。『△△病院』を当ってみるよ………』と隊員Γ。


『(…………あ~、バカやったなぁ……謝らないと…………)ごめんなさぁい…………』と『旦那さん』


『謝る必要ないですよ~、すでに『脱水』おこしてるので『水分』入れますね~(点滴開始)』



 そして『隊員』の一人が『病院』に『電話』をかけていく。だが『この日』は『運が悪い』ことに、『近隣の病院』が『手術中』とか『医者が休みとっていない』とかで全部『受け入れできない』と『電話』で断られてしまったそうである。



『まいったな~! 『××病院』も『◇◇病院』もだめだ! このままだと『小松』か『富山』までいくか?』と隊員α。


『えぇ!? 『近隣』は『全滅』なのか!? そんなことあるのか!?』と隊員β。


『運が悪すぎる…………結構『やばい』からなんとか『近い病院』に『交渉』してくれ! さすがに『県境』こえたり『南加賀』は遠すぎるって!』と隊員Γ。


『わ、わかった。『名簿』洗ってみる………』



 どうやら『紙の名簿』があるらしく、『隊員』が焦ってなんども『捲る音』を出し、さらには『一度電話を掛けた病院』に『再トライ』をしかける。『車内』がにわかに『緊張』した雰囲気になるのを『旦那さん』が『他人事』みたいに聞いてると、ふと『隊員』が『名簿』を見て叫んだ。



『…………あ! 『一つ』見落としてた、すまん! そこにかける!』と隊員Γ。


『『本当か! すぐにかけてくれ!』』と隊員二名。



 一気に『車内』が『安堵』の空気に満たされる。そして『心拍』を計測しながら『隊員の一人』が『雑談』のような調子で、



『いや~、でも『見落とし』なんてやめてくれよw どうだ? 受け入れてくれそうか?』



 すると『電話』していた隊員が『Vサイン』を出して、



『大丈夫だそうだ! 今すぐ『不思議町病院』に向かってくれ! そこなら『手』が空いていて今すぐ受け入れられるそうだ!』と隊員Γ。


(…………ん?)と『旦那さん』




 だが『運転手』は困惑した調子で、


『『不思議病院』ってどこだ?? 聞いたことないんだけど………』


『ちょっと待ってくれ、いま『グーグルマップ』でだすから…………あったあった、『ここ』に向かってくれ』と隊員Γ。


『そこか…………わかった。でも『あのあたり』に『救急患者を受け入れられる病院』なんてあったか?』と『運転手』


『俺も正直知らなかったが、『グーグルマップ』にあるのならあるんだろ。ここから『20分』でつくぞ! (旦那さんに)よかったですね~、もう大丈夫ですよ~』と隊員Γ。



 そして『残りの隊員二名』も『不思議町病院』の名前は聞いたことがなかったらしく、『最近できた病院か?』と互いに首をかしげていたそうだ。だが『旦那さん』だけはその『名前』に『心当たり』があった。



『ちょ、ちょっと待ってください! その『病院』は『ダメ』です! 他の『病院』にしてください! 『小松』でも『高岡』でもいいから『別の病院』に! 『その病院』だけは絶対にダメです! お願いしますお願いします! 絶対に別の病院にしてください~!!』と『旦那さん』



『ちょ! 動かないで! どうしたんですか!? なんでその『病院』が嫌なんですか!?』と隊員α。


『何と言われようとそこだけはやめてください~!!』



『旦那さん』は『朦朧とする意識』で『体の自由が効きづらい』がそれでも『必死』に『別の病院がいい!』と『ゴネ』たそうである。なので『救急隊員』たちも『根負け』して、



『…………わかりました。そこまで言うのでしたら『遠い病院』にしますよ。生憎あなたは『食中毒』ですので『緊急性』は低いですしね…………でも『何か』あっても知りませんからね?』と隊員たち。



 ということで結局『旦那さん』は『能美市の病院』に運び込まれたらしい(二回目電話を掛けたら『OK』が出たそうだ)。もちろんその後は『二週間』ほど『入院』してから『無事退院』したそうだ。以後『不可思議なこと』はないという。




 最後に『かなえさん』が、


『…………もちろんだけど『グーグルマップ』で探しても『不思議町病院』なんてヒットしないし、『金沢』のどこにもそんな『病院』はないわ。でも『旦那』は『不思議町の噂』を知ってたから『反射的』に『やばい』と思ったそうよ…………私の話はこれでおしまいよ』




 これもまた『昼休み怪談部』に複数寄せられている『金沢不思議町』にまつわる『怪奇談』なのだが、『小豆夜話』の一つとして『冊子』に『収録』することになったのである。

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