其の八十六…『昼休み怪談部事始:『貸家にすみついたトラックドライバーのお兄さん』の話『中編』』
この話は『其の八十五』の続きである。『ユズハさんのお母さんの実家』は『ちょっとした地主』で『家』から『50メートル』のところに『貸家』を持っているらしい。その『貸家』を借りた、ある『トラックドライバーのお兄さん』にまつわる『不思議な話』である。
「…………『叔父さん』は『貸家』から聞こえてきた『謎の機械音』を聞いてから『群発頭痛』になったんだ。あ、でもそれが『強い電磁波を浴びたから』とかは『あり得ない』からね。『電磁波』による『健康被害』は『無いという証拠もないけど病気との因果関係も証明されてない』ってやつだから、『電磁波被害』をことさら怖がる必要はないってだけだよ。ここだけは『絶対に抑えておかないといけないこと』だからね? たまに『創作怪談』で『間違った知識や偏見による不安や恐怖の扇動』を見ることがあるけど、それを『拒絶』するのが『怪談語り』に求められる『最低限の良識』だから(断言)」と『ユズハさん』
「な、なんといいますか、日ごろから『苦々しい』思いをしてたんですね『ユズハさん』は……(汗)」と『私』
他にも『顔の分からないトラックドライバーのお兄さん』が『貸家』を借りてから『ご近所さん』から『奇妙な話』を聞かされることが多かったらしい。これは『町内』に住んでいるある『主婦』から聞いた話だそうだ。
『…………私はいつも『早朝』と『夕方』に『愛犬の散歩』をしてるんですけどね……そしたら確か『二週間前』だったかしら………『近所の公園』で『妙なもの』をみたんですよね……』と『主婦』
その『公園』は『貸家』の『二個となり』にある小さい児童公園で、『ブランコ』と『動物の乗り物』と『屋根がついた砂場』のある場所だそうだ。いつもは『近所の男の子四人組』がよく遊んでいる姿を見かけるのだが、もちろん『早朝』にいるわけがない。
『…………だけど遠くから『公園』をなんとなく見たら、『ブランコ』が大きく揺れてたんですよね……まるで『男の子たち』が『ブランコ』から勢いをつけて『ジャンプ』したみたいな揺れ方で……』と『主婦』
彼女は『こんな時間に遊んでるのかしら? 珍しいわね』と思いながら立ち寄ったらしい。実は『公園』の前にある『門』がいつも『愛犬』が『おしっこ』する場所になっていたので『いつも通りのルート』なのだが、『愛犬』が『マーキング』してる最中に『公園』の中をまたみると、『無人』であることに気づいたらしい。
『…………あら? 誰もいない……って、『あれ』なに??』と『主婦』
そして『公園』の片隅の『砂場』に『謎の物体』があったのである。それは『何かの山』に上から『ビニールシート』をかけたもので、『石』や『タイヤ』などを載せて風でとんでいかないようにしてあった。どう考えてももともと『公園』にあったものではない。
なので『主婦』は『犬』を引っ張って『ビニールシート』に近づいて捲ってみると、『内側』には『頑丈そうなケース』が積み上げられていたらしい。『ケース』は鍵がついていたので開けられなかったそうだが、明らかに『怪しい荷物』だったそうだ。
『…………これ一体何かしら?? 後で『町会長』に連絡しておきましょう……』と『主婦』
そう思いながら『公園』を出て、『荷物の山』が気になってまた振り返ると『ブランコ』が自然に目に入ってきたのだが………
……その『ブランコ』はまだ『揺れて』いて、まったく『勢い』が落ちていなかったらしい。
『…………あらら?? え?? ……???』と『主婦』
彼女はたぶん『数分』その『ブランコ』を観察していたそうだが、不思議なことに『ブランコ』はどれだけ眺めていても『揺れ幅』に『変化』がなかったそうだ。でも誰かが漕いでるわけでもないし、と言うか相変わらず『主婦』以外の人は周りにはいない。でも『ブランコ』は相変わらず『同じ勢い』で揺れ続けている。
『………………』と『主婦』
彼女は足早に『公園』を立ち去り、『夕方』になってから『町会長』とともに『砂場の荷物の山』を確認しに来たのだが、その時は『きれいさっぱり』無くなっていたそうだ。もちろん『ブランコ』もいつも通りである。
『………あれから『三回』くらい『公園の砂場』に『荷物の山』がいつの間にか置かれてることがあってね……あの『トラックドライバーのお兄さん』が来てからよあんなものが置かれるようになったの! きっとあの人たちに違いないわ、『ガツン』と言って置いてちょうだい、なんだか気持ち悪いわ!』と『主婦』
『またですか……なんで『あのお兄さん』がきてから『妙なこと』が起こるんだか……』と『叔父さん』
といっても『叔父さん』が『貸家』を尋ねて『お兄さんの友達(もちろん初対面)』に『事情』を聴いたが『いや俺らもなんも知らねーっすよ』と返されただけだったそうだ。だが『その日』以降『公園』に『謎の荷物』が置かれることなくなったらしい。
またこんなこともあった。『トラックドライバーのお兄さん』がやってきてから『一か月』経った頃位だったか。ある日の『夜』に『玄関のチャイム』が鳴ったので『叔父さん』が出ると『スーツを着たポニーテールの若い女性』が立っていたそうだ。
『あ、あの! すみません! 私『警察』です! ぜひ『捜査』に協力を! この家の『ベランダ』に『監視カメラ』をおかせてもらえませんか!?』
そう言って彼女は『石川県警の刑事課のものです!』と元気に自己紹介した。『叔父さん』が『はぁ?』と困惑し『もしかして新手の詐欺か?』と勘繰っていると、今度は『慌てた様子』の『中年男性』が走ってきて『女性刑事』にくってかかった。
『馬鹿お前! 勝手に暴走するなといってるだろ!! 本部長の許可なしに勝手なことをするな!』
『何言ってんですか先輩!? 『監視カメラ』を仕掛ければ『証拠』が撮れるんですよ! 『証拠』がないと『本部』を納得させられないんですから仕方ないじゃないですか! 邪魔しないでください! ……あ! それとも私の『手柄』を横取りする気ですか!?』
『俺はお前のために言ってるんだよ馬鹿がぁ! 『捜査』のためなら何しても許されるわけじゃねーんだぞお!!(激高)』
どうやらこの二人は『刑事』で『女性の方が若手(新人?)』で『中年男性』の方が『ベテラン』のようだった。よく見れば『男性刑事』の方は『ぼさぼさの髪に目の下の濃い隈、くたびれたコート』を羽織っている。二人はまるで『刑事ドラマ』の『凸凹コンビ』だった。
なので『叔父さん』が『二人の喧嘩』を止めようと思って、
『あ、あの、『監視カメラ』でしたらどうぞ……私は別に構いませんよ(笑顔)』と『叔父さん』
すると『女性刑事』が飛び上がるほど喜び、逆に『男性刑事』が大げさに頭を抱えた。
『やった! じゃあ問題ないですね! 『カメラ』は絶対に触らないでください! 後で回収しにきますから!』と『女性刑事』
『お前ってやつは本当に……(嘆息)…………この一台だけのつもりか?』と『男性刑事』
『そんなわけないじゃないですか、あと『3台』くらいは仕掛けますよ~! じゃあ早速仕掛けさせてください!』
『あ、はい。ではどうぞ……』と『叔父さん』
その『監視カメラ』は『叔父さんの家(母親の実家)』の『二階のベランダ』にしかけられ、明らかに『レンズ』が『貸家』の方を向いていたらしい。だが『叔父さん』が『これは何のために?』と聞いても『刑事二人』は答えずに、
『すみません、捜査上のことは教えられないんです。それでは私たちはこれで!』と『女性刑事』
『…………何か最近『気になる』ことがあったら『県警』の窓口まで。それでは我々はこれで』と『男性刑事』
その後『ご近所さん』たちにも『同じ二人組の刑事』が訪ねて来て、『監視カメラ』を設置していったらしい。それ以外は何もわからなかったが、やっぱり『レンズ』は全て『貸家』の方を向いていたとか。
その話を聞いて『私』は、
「…………『警察』が『トラックドライバーのお兄さん』を『監視』してたってことなんですかね?? てことはやっぱり『犯罪組織』とかってこと??」
「うーん、どうなんだろうねぇ……でもそれで『叔父さんの家』の周辺で『犯罪』が増えたとかそういうこともなかったらしいし、『トラックドライバーのお兄さん』たちが来てから『数か月』たっても特に変化はなかったそうだよ。ただたまに『警察』が『カメラ』を交換しに来るくらいだったとか……」と『ユズハさん』
その後『トラックドライバーのお兄さん』の『友人』を名乗る『顔に傷のある男性』が『ある日曜日』の『昼間』に『叔父さん』を尋ねてきてこんなことを言ったらしい。
『すんません、急な話なんですけど、あの『貸家』は『半年賃貸』の契約だったんじゃないすか? 実は『大場の先輩』の『阿武』って人があの『貸家』をすげー気にいっちまったらしくて、『無期限』で貸してほしいって言ってんすよね』と『友人』
実は『大場さん』は『不動産会社』と『半年だけ借りる契約』を結んでいたらしい。でもその『先輩』の『阿武』って人が『ここいい所だから住みてぇ!』と言い出したらしく、そのことを『叔父さん』に伝えに来たらしい……なぜか『本人』ではなく『友人』が、だが。
もちろん『叔父さん』は戸惑って、
『えぇ……本人は? というか『賃貸契約』は『管理会社』を通してくださいよ。そっちに任せてしまってるんで……』
『それでなんすけど、『阿武』は『不動産会社を通さずに直接契約を結びたい』って言ってるんすよ。だからこうやって『直接』言いに来たんです。これは『そっち』にも悪い話じゃないでしょう? だって『不動産会社』を通さなければ『家賃』が全部『そっち』のものになるですから……』と『友人』
これは『阿武』と言う人にとっては『メリット』だと思ったのだろう。だが『叔父さん』には先述した通り『リスク』である。なのでその場では『考えてみます』とだけ言って帰し、『不動産会社』に電話を入れると、
『よくぞ相談してくださいました。何としても断ってください』と『不動産会社』
『やっぱり『危ない』ですよね?? だって『そんなことを言ってくる理由』がわからないですし……』と『叔父さん』
『彼らの考えはわかりませんので何も言えることはないですが、こちら側には何の『メリット』もないので絶対に受けないでくださいね。もししつこいようでしたら『こちら』で対応しますので』
その後また『友人(珍しく同じ人)』が訪ねてきたので『無理です』と答えると相手はあっさり引き下がって、
『うっす、『阿武』に伝えておきます』
『はぁ…………どうも……』と『叔父さん』
とだけ答えて帰ったそうだ。以後『阿武』と言う人物の『名前』を聞くことは無くなったし、結局彼も『大場』と同じく『直接会ったことはない』ままだったそうだ。
「…………でも、なんていうか、『この後』くらいから『奇妙なこと』がなんていうか……『レベルアップ』したそうだよ……だからまだこの話は続くよ」と『ユズハさん』
ということで続きは次回へ。




