其の七十九…『『ひだる神』にまつわる話『後編』』
『今回』は『其の七十三』と同じく『ひだる神』にまつわる話だが、『前編中編』とは一切『つながり』はないのでそっちを読んでおく必要はない。そして実は『昼休み怪談部』には『まだまだ多く』の『ひだる神』にまつわる『怪奇談』が『持ち込み』されているのだが、それはまた『他の機会』に。そして『今回』の『語り部』は『私』こと『やっくん』である。
さらに『今回』は『怪談』が『二話』ある。片方は『米原さん』という『女子』が持ち込んだ『凄く短い話』ので『さらっと』語っていきたい。
「…………ねぇ、最近『ひだる神』って『怪談』知ってる? なんでも『ひだる神』って『単語』を聞くだけで『滅茶苦茶お腹がすいて変なものを食べてるようになる』らしくてさ……………『私』も『ひだる神』の名前を聞いてから『へんな習慣』ができちゃって……………」と『米原さん』
彼女はこの『ひだる神』と言う『単語』を『前田先輩』と言う『男子』から聞いたそうで、その後に『授業』に出て『先生』が『教科書』を読み上げているのを聞いていると、突然『猛烈にお腹がすいた』らしい。
「なんか『空腹』すぎて耐えられなくてさ…………思わず自分の『爪』を噛んだんだけどさ、そしたら『甘くておいしい』ことに気づいたんだよね……………!」と『米原さん』
「「…………甘くておいしい??」」と『私達』
なぜかわからないが『爪』を噛むと『甘くておいしい』と感じたらしい。なので『そんな馬鹿な』と思いつつ『爪』を噛んでいると『爪の切れ端』が『口』の中に入ってきた。だがそれも『甘くておいしい』ものだから思わず『味わって』しまったらしい。
「えぇ…………『キモッ』」と『ナツメちゃん』
「はっきりいわないでよ!(泣) でもマジで『そう』感じたんだって! だからすぐに『自分の爪』の『伸びてる部分』を『食べて』飢えをしのいだわけよ!」と『米原さん』
『米原さん』はその時偶然『爪が伸びていた』ので、その『伸びた部分』を『10本の指全部』食べたのである。そしてその途中で偶然『口の中』に『自分の髪の毛』が入ってきたわけだが……、
「…………それも『おいしかった』と?」と『姫川君』
「そうそう! さすがご明察! 『飴細工』で感動するほどおいしかったんだよね!!」と『米原さん』
「えぇ……」
なので『自分の髪の毛』も『食べようとした』わけだが、さすがに『ジョキジョキ』と髪の毛を切るわけもいかず困ったらしい………と、そこでふと、『前の席』に座る『女子』の『長い髪の毛』が目に入ったのである。
「…………だからさ、なんていうか……思わず『かみついちゃった』ってわけで……ははは…」と『米原さん』
「「「「いやいや! 自分の髪の毛食べろよ!!」」」と『皆』
結局『米原さん』は『授業中』にいきなり『前の席』に座っていた『倉橋さん』の『髪の毛』にかみついて『大騒ぎ』になり、『先生』に呼び出されて『みっちり絞られた』そうである。
「…………え?? もしかしてそれだけ??」と『ナツメちゃん』
「あはは、それだけなんだよね~。まじで『やまなし落ち無し意味なし』だけど、まあ『怪談』なんてそんなもんってことで…………………………だって『素人』なんだから『面白い話』にできないよ! ていうか『面白い』方が『創作くさい』じゃん! 『実体験』なんだから文句言われても無理な者は無理だから!」と『米原さん』
「別に責めてないって(苦笑)。じゃあそのまま『記録』しておくね~」と『ユズハさん』
以上である。では次は『二話目』だ。これはちょっと長い。
この『怪談』は『サンシ先輩』の『女友達』である『ユリアさん』についての話である。ちなみに『ユリアさん』は『23歳』の『女性のトラックドライバー』だそうで、その『本人』が『部室』に来て語ってくれた。
「…………『あたし』はちょっと『普通じゃない家庭』でそだったもんだからさ~。まずは『その話』からしないといけないんだよね。まず『あたしの両親』はあたしが『小学一年生』の時に『離婚』しててさ、損で『母子家庭』だったんだけど『ママ』が『適応障害』ってやつになっちゃてさ~。『あたし』はつまるところ今話題の『ヤングケアラー』ってやつだったわけよ~」と『ユリアさん』
いきなり『高カロリー』な話に『私』も『ユズハさん』もひどく戸惑ったが、『ユリアさん』の方は『笑い話』みたいな感じで軽く話してくれた。『ユリアさんのママさん』は『離婚』する『ちょっと前』くらいから『躁鬱』が激しくなっていたらしく、そのせいで『パパさん』と『毎日』喧嘩し、最終的には『パパさん』が『浮気』したのが原因で『離婚』になったらしい。
「正直な話、なんで『ママ』が『精神を病んでた』かは今でもわからないんだよね~。『パパの浮気』の前から『そう』だったらしくて、『あたし』は『職場の人間関係』とかじゃないかと思ってんだけど、『ママ』は今でも何も言わないからわかんないわけよ。まあ『トラウマ』になってることを言いたくない気持ちはわかるけどね~」と『ユリアさん』
そして『ユリアさんの親権』は『ママさん』の方に移ったらしいのだが、そのころには『ママさん』は『鬱症状』がひどくなって『ベッドから一切起き上がれない』ようになってしまったとか。『適応障害』と診断されたのはそれからしばらくしてからで、『パパさん』から支払われた『養育費』を『無駄遣い』で『浪費』するなどしてしまい──それも『症状』の一つだったらしい──結局『養育費』も支払われなくなったとか。
「まぁ明らかに『ママ』はこの時点で『入院』すべきだったんだけど、『パパ』はもう『ママと一生関わりたくない』の一心で『逃げちゃった』からね~。だから『ベッドから起き上がれないママ』の『お世話を『あたし』がしてたってわけ。いや~マジできつかったよ~! 『ママ』はずっと『スマホ』をいじってるだけなのに、あたしが『ご飯』作らないと『ヒステリー』おこすだもんね~! 困った困った(笑)」と『ユリアさん』
((全然笑えない……どう反応すればいいかもわからない……))と『私&ユズハさん』
そして『離婚』してからしばらくして『知らないおばさん』が『家』に来るようになったらしいが、どうやらこの『おばさん』は『ママさん』が『ネット』で知り合った『いい人』らしい。『ママさん』はこの人のおかげで『生活保護』を受け取れるようになったそうだが、同時にこの『おばさん』に『毎月』決まった額の『お金』を渡すことになったらしい。『おばさん』いわく『私のおかげなんだからこれくらい当然でしょう?』とのことだったとか。
「「え、それって『当たり前』のことなんですか??」」と『私&ユズハさん』
「んなわけないじゃん(笑)。『ママ』みたいな『馬鹿で世間知らず』の人が『生活保護』を受け取れるように『手助け』する代わりに『そのお金の大半』を貰ってたんだよ。『やくざ』なんかがよく使う手法らしいね~。でもあの『おばさん』はどうも『やくざ』っていうか『カルト教団』の信者だったっぽいね……」と『ユリアさん』
おかげで『ユリアさんの家』は『極貧』で、『水道』と『ガス』が止められていたそうである(電気代だけは払っていた)。なので『ユリアさん』は『近くの公園』の水道を使って体を洗っており、『母親の世話』もあるので『学校』にはいけなくなり、また『おばさん』が家に『壺』とか色々な『変なもの』を持ってくるようになったという。
『これは『ひだる神』様の『壺』よ。この『壺』があれば『あなたたち』みたいな『馬鹿でグズの役立たず』でも『幸運』になれるのよ!『ひだる神』様はすごいでしょ? さぁこの『壺』を買いなさい! 所詮あんたたちなんて『お金を出す』以外に何の役にも立たないだから! 本当にあんたみたいなのの『世話』を焼く身にもなってほしいね! 臭くて鼻が曲がりそうだよ本当に!』と『おばさん』
『す、すみません、お風呂に入りたくても入れなくて……』と『ママさん』
『なんだい!? あんた『お布施が高い』とか言う気かい!? 働かないのはあんたが『愚図』だからでしょうが! それを『あたし』のせいにするのかい!!』と『おばさん』
『ユリアさん』は実はこの『おばさん』が『大嫌い』だったそうだ。なぜなら『自分たち』をいつも『バカ』にしてきて、しかも『暴力』をふるうこともあったからだ。しかも『お金』を奪っていくため、『まともな食事』もできておらずいつも『空腹』だった『ユリアさん』は『殺したいほど憎んで』いたそうである。
「…………だからある日、『おばさん』が油断した一瞬のスキを突いて『包丁』で殺そうとしたんだよね……」と『ユリアさん』
『子供』だったので『とにかく殺そう』としか考えていなかったわけだそうだが、まだ『小学5年生』だったので『成人女性』には『力』で勝てなかった。『包丁』は奪い取られたが『もみ合ってる』うちに偶然だが『おばさんの頸筋』に『かみついた』のだそうだ。
『ふんぐうううううう!!』と『ユリアさん』
『このガキ……!? んぎぃ!? ぎいやああああああああああああ!!』と『おばさん』
『ユリアさん』は『全力でかみついた』ので『おばさんの首の皮膚』を『肉』ごと『噛みちぎった』そうである。それで『おばさん』は『パニック』になったのだ。
『あひぃ!? く、首から血がぁ!? 病院! あああああああああ!!』と『おばさん』
「…………いや、もちろん『頸動脈』に『傷』なんてつけられなかったから大したことなかったよ? でも『おばさん』は『首から流れてる血』を見て『真っ青』になって逃げちゃったわけ!(笑)」と『ユリアさん』
ちなみに『ユリアさん』は『噛みちぎったおばさんの皮膚』を勢い余って『飲み込んでしまった』そうである。だがそこで『ユリアさん』がいう。
「…………正直な話さ、今でもあの『味』が忘れられないんだよね……『滅茶苦茶腹減ってた』のもあったし、超久々の『肉』だったし、それになんといっても『あたし』が『人生で初めて大人に勝った証』じゃん? まじで『やばかった』んだよね……(恍惚)」と『ユリアさん』
彼女はまさにこの時『味を覚えてしまった』という。その後『おばさん』が『怖い男の人』を連れてまた『家』に来て『殴られた』り、逆に『ユリアさん』が『おばさんの片目を失明』させたりするなど『紆余曲折』あり……(汗)…………結局『おばさん』は『逮捕』されたらしい。
「…………そんで『おばさんが逮捕』されたのと同じくらいに『おじいちゃんおばあちゃん』が『あたし』を『保護』したんだよね。実は『ママ』は『おじいちゃんおばあちゃん』と『絶縁』しててさ、『住所』も教えてなかったんだけど、『二人』が『探偵』を雇って『あたしたち』の居場所を突き止めてたってわけ。そんで『ママ』は『病院』に入ることになって、『あたし』は『おじいちゃんおばあちゃん』に育てられたわけ……でもねぇ、『そんなやばい家庭』で育った『あたし』がさぁ…………『ぐれない』わけないよね??」と『ユリアさん』
『中学生』になった『ユリアさん』はそれこそ、『学校に木刀をもって登校し、しかもひそかに『ナイフ』を隠し持つ』タイプの『凶暴なヤンキー』に『デビュー』なされたそうだ(やっぱり笑えない)。そして『ムカつく別のヤンキー』を『しばいたり』、逆に『ボコられたり』していたそうだが、『中学二年生』の時に『初めての彼氏』ができたらしい。
「…………いや~。今思い出すとマジで『動物』だと思うんだけどさ~ww あたし『妊娠』しちゃったんだよね~w しかも『彼氏』が『21歳の大学生』だから『やば~』ってなっちゃってさww だって『未成年淫行』だっけ? だから『彼氏』が『おろせ』って言ってきたけど、あたし『ムカついた』から『絶対産む』って『意固地』はったんだよね~wwww」と『ユリアさん』
「「…………」」と『私&ユズハさん』
「おい『ユリア』、『学生恋愛』を『動物』呼ばわりはあんまりだろ、この二人は一応『付き合って』るんだからな」と『サンシ先輩』
「「先輩、我々が『ドン引き』してるのはそこじゃないです(良心)」」と『私達』
そしてここからが『ヒトコワ』と言えるかもしれないが、その『彼氏さん』はどうしても『ユリアさん』に『堕胎』させたかったらしく、彼は『最終手段』として『お金』を払って『ライバルのヤンキー』たちをけしかけて『ユリアさん』の『お腹を攻撃』させようとしたのだそうだ。なので『ユリアさん』は 『妊娠中』なのに『ヤンキー』たちに執拗に絡まれ続けたらしい。
「…………まぁそん時は『あたし』もまさか『元カレ』が『黒幕』だとは思ってなかったからさ。もうまじ『敵のヤンキー』どもをそれこそ『殺したいほど恨んで』たわけね……そんで『妊娠三か月』の時だったかな? ついに『敵』の一人が『あたし』のお腹に『蹴り』をいれやがってね……」と『ユリアさん』
『おらぁ! 『ユリアのガキ』殺してやるぜ!! 死ねぇ!』と『ライバルのヤンキー』
ゴッ!
『!? あが……』と『ユリアさん』
『お腹』を力いっぱい蹴られたせいで『ユリアさん』は最初は『激痛』でうずくまり、すぐに『真っ青』になって『お腹』をさする。『敵のヤンキー』たちは『集団』で『嘲笑』して、
『ざまあああああ!! お前みたいな『アホ女』が『母親』になるとか『ガキ』が可哀そうすぎたからよかったな~! お前が『役立たずの母親』からもらった『ゴミ遺伝子』を『あたしら』が終わらせてやったんだよ! 感謝しろばーか! ぎゃははははははは!!』と『ライバルたち』
あ、あまりにも『地獄』すぎる……(畏怖)……そして『ユリアさん』はこれで完全に『ブチギレ』てしまい、『言葉にならない叫び』をあげながら『ナイフ』を取り出して『振り回した』そうだ。そして『取っ組み合い』になり、『自分のお腹を蹴ったヤンキー』に『馬乗り』になって『頸筋』に『ナイフ』を『突き刺した』のである。
『ああぎゃああああああああ!!!??』と『ライバル』
『があああああああああああ!!!』と『ユリアさん』
『『『!? やべぇマジでやりやがったぞこいつ!? とめろおおおお!!』』』と『他のライバルたち』
すぐに『ユリアさん』は『周りのヤンキー』達から『羽交い締め』にされ『ナイフ』も奪われたが、『ユリアさん』は『滅茶苦茶』に暴れた挙句、唯一『自由』だった『首』を動かし、『刺されたライバル』の『頸筋』に『かみついた』のである!
ブチチィ!!
「…………あれも『なんか流れで』そうなったけどさ、『あたし』は『どくどく』と『血』が噴き出してる『敵』の『首の傷』に『かみついて』、しかも『全力』で『噛みちぎろうと』したわけよ……もちろん『血』がいっぱい『口』の中に入ったわけだけど……それがね……」
と、そこまでいって『ユリアさん』が『沈黙』する。『私たち』が『しばらく待った』が『一言』もでてこないので、恐る恐る『ユズハさん』が聞いたのだ。
「…………それが『凄くおいしかった』って……そう言いたいんですか?」
…………………………、
…………………………一体どれだけの『時間』が経っただろう。『ユリアさん』が『ニコニコ』しながら、
「…………まあ『色々』あってね。あ、いっとくけど『あたし』は『人殺し』はしてないよ? 『例のアホヤンキー』も『大けが』で済んだだけね。でもね、あれから『あたし』はなんていうか、変な『癖』が出来ちゃってさ………………」
彼女はそう言って『リストカット痕』を『私たち』に見せながら、
「…………『ある有名な女性漫画家』が『飲尿療法』っていう『キモイ健康法』を実践してる話知ってる? なんか『自分の体液や排泄物を摂取』のって『ある種の精神疾患患者』に共通する行動らしいよ? 『あたし』もなんか『血』を呑むと『落ち着く』ことに気づいちゃってさ…………以後『実践』してるってわけ。そんで最近『サンシ君』から『ひだる神』の話を聞いたから、とりあえず『ここ』で話してみることにしたってわけ。『あたしの人生』は『怪談』になる??w」と『ユリアさん』
「ご本人に言うのは『失礼』ですけど確かに『怪談』でいいと思います……………」と『私』
「ありがとうございます……………これも『そのまま記録』しますから………………」と『ユズハさん』
『二話目』も以上である。




