其の七十七…『昼休み怪談部事始め:姫川君の異世界冒険譚『了』』
今回も『其の七十五』の『続き』である。『私』こと『やっくん』は『姫川君』の『意外な一面』に驚いて、
「…………ちょっと意外だね。『姫川君』って『カッ』となると『手』が出るタイプだったんだね。いや、『お母さん』に手を出されたらそりゃあそうなるだろうけど……」と『私』
すると『姫川君』はちょっと『バツの悪そうな顔』で、
「………………『昔』色々あったせいで『家族』が巻き込まれると『頭』に『血』が上る『癖』があるんだ……と言っても正直『俺自身』もあの時『自分の癖』を『初めて知った』わけだが……」
そこまで言ってからまた『怪談語り』に戻ろうとしたが、すごく渋い顔になって、
「…………しかしあれだな、自分が『啖呵』切った場面を『自分で語る』ってのはなかなか『厳しいもの』がある……正直話したくないが……」
「あはは! だめだよ『姫川君』、『自分で体験した怪談』なんだからちゃんと話してくれないと~!』と『ユズハさん』
「ちゃんと『冊子』に全部載って『文化祭』で配布もされるからね~。また『女子人気』があがるんじゃない? よかったね~(笑)」と『ナツメちゃん』
「全然うれしくないんだが……まいったな本当に……(溜息)」と『姫川君』
「そこで『心底嫌そうな顔』ができるところが一番『モテる』んだと思うよ『姫川君』(嫉妬)」と『私』
そんな『姫川君』の『拳』が『サンシタ先輩』の『頬』に炸裂したところから『今回』は始まる。『咄嗟の怒り』によって殴り飛ばされた『サンシタ先輩』がそのまま『机』をなぎ倒し、『モブ生徒』たちが『悲鳴』をあげる。だがその『不安』はなにも『サンシ先輩』を心配したものではない、これから始まる『恐怖のショー』を想像したからだ。
ガタタァン!!
そして『サンシタ先輩』本人は『大の字』のまま『顔』だけあげて、
「………………自分が何をやったか理解できてない……なんてことはありえねーな『姫川』ぁ? はい、もうお前と『和葉さん』は『一番きつい方法で殺す』で決定で……ってゴラァ!!」
『姫川君』が『サンシタ先輩』が喋ってるのも無視して『追撃の蹴り』をいれてきたので、『サンシタ先輩』は慌てて『横に転がって』避けつつ綺麗に『立ち上がった』。それから『リモコン』を『映像』に向けて、
「てめぇいい根性してんじゃねーか! …………まずは『和葉さん』に『今の状況』を教えてあげないとな~? それで『自分』がどれだけ『馬鹿な厄介者』を育ててしまったかわからせてやるぜ……!」
またも『米原さん』の時と同じように『不思議で都合のいいパワー』によって『和葉さん』が『状況』を完璧に『把握』する。しかも彼女は『首を絞められている』はずなのにかなり『冷静』かつ『声』を出すことができた(なぜ?)。
『……そう、『正也』は今そんな状態になってるのね……』と『和葉さん』
「はは! そういうわけですよ『和葉さん』! しかもこいつは最初俺から『謝ったら許してやる』っていったのに俺を『殴った』んですよ! わかってねぇとは言わせねぇぞ『姫川』ぁ! てめぇは『自分のゴミみてぇなプライド』を守りてぇ一心で『家族が殺されそうになってる』のに『謝罪』を『拒否』した……っておっとぉ! 効かねぇぞ!!」と『サンシタ先輩』
『姫川君』はどうやら『怒り心頭』らしく無言で『サンシタ先輩』の顔を殴ろうとして『ブロック』された。だが『姫川君』はすぐに『サンシタ先輩』の『胸ぐら』をつかみあげ、『サンシタ先輩』も同じ様に『姫川君』の襟首をつかんで締め上げにかかる。
「ぐぐぐ…………『姫川』てめぇ……!! だから『俺』に逆らうと『和葉さん』が『死ぬ』って言ってんだろうが『日本語』わかんねぇのか『ダラ(馬鹿)』がよ……!!! 本当に死んでもいいのか!? あぁ!? てめぇ本当なら『本当の両親』に捨てられた時点で『終わってた』んだぞわかってたのかよ!?」と『サンシタ先輩』
『姫川君』は『ギラギラした目』をしながら『腕』に力を込めているだけで答えない。なので『サンシタ先輩』が続けて、
「てめぇが『幸運の悪魔』に気にいられたことは『俺』だって知ってるぜ!? なんたってお前は『こっちの世界』ではちょっとした『有名人』だからな! そんなてめぇは『養父』が『必死になって助けようとしてくれた』から今こうやって『生きてられる』ことをわかってねーのか!? もしあの時『養父』が『自分の子供じゃないから』とか『怪奇現象にビビって逃げた』とかだったらお前はそのまま『放置』されて、挙句の果てには『実の両親』が『報復を恐れて殺してた』んだぞ! ……」
確かに『姫川君』は『産まれてすぐ』に『実の両親』に『悪魔の生贄』に『された』という『壮絶な過去』を持っていて、しかも彼が『中学生』の時に『騙された』せいではあるが『悪霊』を『家』に招き入れてしまってその『養父』を死なせ『養母』も『寝たきり生活』にしてしまった『負い目』があったのである。そこを『サンシタ先輩』は『攻撃』しているわけで、あまりに『ゲスすぎるやり方』に思わず『他の挑戦者』たちも『怒りの声』をあげたそうだ。
「「「ふっざけんな『サンシタ先輩』が!! 『世の中』言っていいことと悪いことがあるぞ!!」」」と皆。
「がははは! 言っただろ俺は『この学校のルールそのもの』だってな! オラぁ『姫川』答えろよぉ!? てめぇは本気で『俺』に『謝らない』つもりかぁ!? 俺様は『寛大』だから今でも『土下座』したら『てめぇの命だけ』で『赦してやる』つもりだぜぇ!? オラぁどうなんだ『姫川』ぁ!? そろそろ『土下座』したくなってきたんじゃねーの!?」と『サンシタ先輩』
すると『映像』の中に『二人の女の子』が登場して『もう一人の姫川君』に『縋り付いた』のだ。どうやら『姫川君のお姉さんと妹さん』らしく、『真っ青な顔』で必死に『もう一人の姫川君』を『和葉さん』から引きはがそうとする。
『『マー君』なにしてるの!? やめて! もしかしてまた『憑りつかれて』るの!?』と『お姉さん』
『『おにぃ』目を覚ませ!! やめなかったら『約束』を守るしかなくなるよ! 『可愛いい妹』に自分を『殺させる』なんてことさせないで!!』と『妹さん』
「くははは! そういえば『姫川』は『姉妹』に対して『もし自分がまた『家族』を『死なせる』ようなことになったら、その時は『自分を殺してくれ』って『約束』してるらしいな! 滅茶苦茶格好いいじゃねーか『マー君』よぉ! さぁどうなんだ!? このままだと『養母』を殺した挙句『義理の姉妹』に殺されて彼女達にも『トラウマ』を植え付けることになるぜ!?」と『サンシタ先輩』
すると初めて『姫川君』が口を開いた。
「………………『俺』は『両親』からずっと『いい聞かされてきた』ことがある。それは『決して曲がったことはする』だ……」
「………………なに言ってんだてめぇは?」と『サンシタ先輩』
『姫川君』は手の力を緩めずに続ける。
「……俺はずっと『自分のせいで家族や周りの人が不幸になる』と悩んでいた。だが『父さんと母さん』は『悪いのは『怪奇現象』の方であって『俺自身』じゃない』と何度も言ってくれたんだ。そして『正也は『弱い人たち』を守り、『間違ったこと』には『間違っている』と言いなさいと教育されてきたんだ……『お前はまじめで優しいからきっと何を言っても『罪悪感』で苦しむだろう。だからせめて『不幸にした人たち』よりもたくさんの人を『幸福』にしてくれと……俺は『父さん』と『母さん』から『そうしろ』って『教育』されたんだ……!」
本来なら『サンシタ先輩』の方が『背が高い』はずなのに彼の『足』が『地面』から浮き始める。なので『サンシタ先輩』が焦り始めて、
「ちょ、待てやてめぇ、じゃあなんだ? 『お母さんから『正義を貫け』って言われたから『俺様』に絶対に謝罪しない』っていいてぇのか…………?? まじもんの『バカ』だろてめぇ、それでその『お母さん』が死んでたら意味ねーだろうが……」
「俺は『母さん』からそう『教育』されたんだ。だから『母さん』は『理解してくれる』。きっと『母さん』なら『私に構わずそのゲスを倒せ』っていってくれるにきまってるからな……!!」と『姫川君』
あまりにあまりな『物言い』に『モブ生徒』たちも『挑戦者』たちも『サンシタ先輩』ですら『ぽかん』としてしまった。そして『朝倉君』はこの時『テレビ』にいつの間にか『死会社』が映っていたが同じく『呆然』としていたのを目撃したという。
「て、てめぇ、いくら『下種な俺』でも『お母さんはわかってくれるから死んでも大丈夫』なんてそんな『ハチャメチャな理屈』が通るわけ……」と『サンシタ先輩』
『……さすがは『私の息子』ね『正也』。私とお父さんと『誇り』よあなたは』と『和葉さん』
『…………はぁ??』
『養母』の言葉にさらに『サンシタ先輩』は『絶句』する。『和葉さん』は『もう一人の姫川君』に首を絞められているのに嬉しそうに、
『……私はもう今更『死ぬ』ことは『怖く』なんてないし、『正也』と『一緒に生きる』と決めた日から『こういうこと』になることなんてわかってた……それでも『私たち』は『あの日』の『選択』を後悔してないし、どれだけ『悪魔』のせいで『理不尽な目』にあっても『まっすぐ育ってくれた正也』が『母さん』も『父さん』も本当に『誇らしかった』…………『今』もそう言って『悪霊』相手に一歩も引かない『あなた』がすごく『格好いい』し、『母さん』も『悪霊の人質』にとられるくらいなら『舌』をかみ切って自殺したいくらいよ……戦いなさい『正也』、それでこそ『私達の息子』よ』と『和葉さん』
『サンシタ先輩』と、さらには『死会社』が同時に叫ぶ。
「「いやおかしいだろ!? なんだよ『悪霊に負けるくらいなら死んだほうがまし』って!? 『姫川』だけが『意固地』になるならともかく『母親』まで同調するとかどんな『家庭環境』なんだ『姫川家』はよぉ!?」」
『『母さん』何言ってんの??』と『お姉さん』
『は、話が見えこてないんだけど……?』と『妹さん』
「そうだまだ『姉妹』がいるじゃねーか! おい『二人』はさすがに『おかしい』って思うよな!? 『正也』は『悪霊に母親を人質にとられてるのに、母親が殺されても無視して戦う』とか言ってんだぜ!? こいつなんだかんだ言いながら『家族の命』を何とも思ってないんだよ! 『二人』はこんな『他の家の馬鹿』に『自分の家族』を殺されそうになってるんだから…………」と『サンシタ先輩』
またもや『超都合のいいパワー』で『お姉さんと妹さん』が事情を把握する。だが途端に『二人』は『こちら側』に『中指』をたてて、
『『正也』の言う通りだわ。私たちを『人質』にとっても無駄よ! いつだって『怪異』に殺される覚悟はできてるもの!』と『お姉さん』
『死ね悪霊!! いやもう死んでるか! そんな『ゲス』ぶっ殺してよ『おにぃ』! もう死んでるけどもう一回殺してよ私が赦す!』と『妹さん』
「なんでお前らまでその反応なんだよおおおおお!!?? お前らもう『精神性』が『現代日本人』じゃねーじゃねーかああああああ!!」
『サンシタ先輩』がそう叫び『姫川君』を突き飛ばして『地団駄』を踏み始める。そして『死会社』が『呆けた声』で、
『…………あ、『悪魔のおもちゃになった家』だということは知っていたが……『食べ物』ではなく『おもちゃ』で『済んでる』のはこの『精神力』のためか……これは『たまげた』……!』
パキパキ……!
『挙動不審』の『サンシタ先輩』に『指を鳴らし』ながら『姫川君』がゆっくりと近寄る。途端に『サンシタ先輩』は『恐怖』の顔を浮かべて、
「ま、待ってくれ……! 『俺』を殴ったところで『無意味』だぞ! なぜならお前らの言う通り『難波』はすでに『死んでる』し、『俺』も所詮は『難波の操り人形』にすぎないんだ。そんな『俺』を殴ったところで何の意味もない……」
すると突然『テレビの中の死会社の背後』から『石田』が現れて後ろから『死会社』を羽交い絞めにし、
『うげ!? あ!? な、なぜ!?』と『死会社』
『お前の言う通り『果心居士』の力を借りたんだよ…………おい『サンシタ先輩』! いや、そうじゃなくてあんたの『本当の名前』は『本郷先輩』だったな! あんたは紛れもなく『いじめっ子本人』で、しかも『難波先輩の悪霊』に『祟られて』このくだらない『デスゲーム』に強制参加させられた『挑戦者第一号』だよな!? 今から『姫川』がお前を『解放』してくれるからありがたく思えよ! つっても本当は『あんた』は『死にたくなかった』から『難波先輩』に『縋り付いて』なんとか『現世』に留まろうとしてる『くだらない悪霊』みてーだけどな! おかげで『難波先輩』も苦しいからこんな『バカバカしいゲーム』を仕掛けないといけなくなっちまったんだ……『二人』まとめて仲良く『地獄』におちるがいいぜ! 『姫川』やっちまえよ!!』と『石田君』
「や、やめてくれ……! 俺は『二回』も死にたくない……!!」と『サンシタ先輩』
すでに『モブ生徒』たちはまるで『マネキン人形』のように『硬直』している。そして『挑戦者』たちも皆で『サンシタ……本郷先輩』を取り囲んで、
「………なんかよくわかんねーんだけど、『あんた』が悪いってことでいいか?」と『朝倉君』
「正直『意味わからない』けどね……ていうかなんかいつの間にか動けるし……」と『塩尻さん』
「よくもまぁ散々『操り人形』にしてくれたなぁ……??」と『倉橋さん』
「なんで『難波先輩』は自分で殺した『本郷先輩』の悪霊に『囚われてた』わけ??」と『米原さん』
「『同じ幽霊』になったら普通に勝てなくなったってだけでは……?」と『野崎さん』
『いや『憎悪の力』のおかげで『難波先輩』の方が『強い』んだけど、『生前の恐怖心』が邪魔して『本郷先輩』を排除できなかっただけだぜ。『悪霊』はどうしても『生前』に引っ張られちまうんだよ』と『石田』
「「「……詳細な説明ありがとう(呆れ)」」」
『姫川君』は『本郷先輩』の『襟首』を再び掴んでから、
「………………『難波先輩』は『生前の復讐心と恐怖心』に囚われて『誰かに本郷先輩を殴ってほしかった』んだろう、『他力本願』なことにな。そして『本郷先輩』の方は『殺された不満』を『別の犠牲者を苦しめる』ことで『憂さ晴らし』してたってところか……『二人』ともそうやって『何人も殺してる』んだから『ゲス』であることには変わりはない。もうこんな『下らないゲーム』を終わらせる。歯を食いしばれ……!!!」
バギィ!!
『いぎゃあああああああああああ!!! いやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』と『本郷先輩』
『姫川君』の『鉄拳』で『本郷先輩』の『顔』と同時に『すべて』が『壊れた』。『教室』も『モブ生徒』も『テレビ』も『死会社の仮面』も何もかもが『砕けて』いき、『姫川君』たち『挑戦者』の体が『光の中』へと飛んでいく。そして『死会社』……もとい『仮面を失った難波先輩』の『声』が聞こえてきたという。
『……ありがとう、これでやっと『地獄』にいける……本当にありがとう……』
「………………『地獄』に行きたかったのなら他人を巻き込むなよ馬鹿野郎……!」と『姫川君』
………………………………、
……………………、
……、
……ここまで語って『姫川君』が締めくくった。
「…………以上だ。ちゃんと『朝倉』や『塩尻』やほかの生徒も『全員』無事に戻ってきてるから皆からも聞いてくれればいい」
それだけだった。いかにも『姫川君』らしいといえるかもしれない(笑)。『姫川君の異世界冒険譚』はこれでおしまいである。




