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其の七十三……『『ひだる神』にまつわる話:中編』

 ここで『振り返り』もかねて再確認するが、『ひだる神』というのは『江戸時代』に伝承されていた『妖怪』で、『神』と言う名前だが正体は『餓死者の霊』らしい。『慢性的な栄養不足』である『昔の人たち』が『山道』などを歩いている時に『ハンガーノック』を起こして動けなくなる現象を『妖怪化』したというのが『定説』だそうだ。





「………………『ハンガーノック説』は『有力説』ではありますけどそれが『事実』というわけでもないですね。なぜなら実際に『ひだる神』にとり憑かれた人を『現代医療』で『診察』したわけではないからですよ。もしかしたら本当に『妖怪』の仕業かもしれませんが、一方で『昔の人たち』は『不思議なこと』がおきるとよく『狸や狐』の仕業にするものです。それをなぜか『神』と名付けてるわけですから、これは『学術的』に注目すべき点ではないですかね?」と『ジョージ村田さん』



「………………あの~、申し訳ないですがあなたはだれですか??」と『私』


「失礼、『大日大聖不動産』の者です。ですが『前職』は『オハイオ州』で『心霊現象対策チーム』を運営してましたね。『縁』あって『来日』したんです。以後お見知りおきを(名刺を渡す)」と『ジョージさん』


「………『心霊現象対策チーム』ってなんですか??」


「『心霊現象』を『科学的』に調査研究する『民間企業』といえばいいですかね? 主に『建物』の『電磁波』を測定したり『カメラやマイク』をしかけて『映像や音声』を蒐集し、そこに『ゴースト』がいないかを調査するんです。あ、でも『除霊』なんて基本的にしませんよ? 『対策チーム』がする仕事は『不可思議な現象』が『霊の仕業かどうか』を見極め、それが『善い霊』であれば『人間との共存』を、『悪い霊』であれば『住民の退去や建物の取り壊し』をすすめるだけです。『建物に住むゴースト』は基本的に『建物そのもの』がなくなると『消滅』するものなので………それが『アメリカ南部』での『心霊対策』なんですよ。私の地元には『心霊対策チーム』が多数存在してまして、日夜『仕事』に追われてますよ。『夜勤』が多くて『休日が不定期』でしたがねw」


「は、はぁ…………(なにがなにやら)」






 まあ『ジョージさん』のことはわきにおいておくとして………………そしてどうやらこの『妖怪:ひだる神』は『現代日本』でも生き残り『元気』に人々に『害をなしている』らしい。まずは『前田』という『二年生』の『先輩』が体験した話から始めよう。『語り部』はいつも通り『私』こと『やっくん』である。




 この『前田先輩』は『同じ野球部』に所属する『深沢先輩』と仲良くて『二人で一緒に登下校』していたらしい。二人はこの日もいつもお通り『寄り道』をすべく、『最近できたばかりのラーメン屋』に入ったそうだ。



「なぁ知ってるか前田? 今のこの店で『大食いチャレンジ』やってるんだぜ。『とんこつラーメン4キロ』を『制限時間以内』に『完食』できたら『無料』になるんだってさ! 俺等もやってみねぇか?」と『深沢先輩』


「おいおい『晩飯』前に『ラーメン四キロ』は馬鹿だろw でも面白そうじゃん、競争しようぜ! 負けた方が明日の買い食いおごれよ!」と『前田先輩』


「まだ食う気かよw 腹壊しても知らねーからなw」




 二人とも『大食い』にはそこそこ自信があるらしく、軽いノリで件の『大食い挑戦ができるラーメン屋』に入ったらしい。その『4キロの豚骨ラーメン』は『数量限定』だったそうだが、挑戦者がほとんどいなかったためあっさり参加できたらしい。早速『二人』の前に『そのまま船になりそう』な大きさの鉢に入った『ラーメン』が配置された。



 その『巨大ラーメン』におののきながら『深沢先輩』がこんなことをつぶやいたらしい。



「…………なぁ『前田』。ちょっと『耳』を塞いでくれねぇか? あ、店員さんもお願いします。『あれ』を聞いたらまずいですから」




「「はぁ??」」と『前田先輩』&『店主』



 本当に唐突だったので皆が『困惑』して聞き返すと、『深沢先輩』は『真剣な顔』になって、



「いや、いきなりこんなこと言ってもわけわかんねーと思うけど、実は俺は『大食い』を達成するための『必勝法』があるんだよ。でもその『必勝法』はちょっと『やばい方法』でさ。『おまじないを聞かれ』たら『やばい』んだよ。だから皆には『耳』を塞いでほしいってことだよ」



「どういうことだよそれ(困惑)。なんだ『大食いできるようになるおまじない』って? どっかの『お笑い芸人』のネタか??」と『前田先輩』


「いいから耳塞げって! 今から俺が唱える『おまじない』を絶対聞くなよ! どうなっても責任とれねーからな!!」と『深沢先輩』


「「はぁ…………」」と『前田先輩』&『店主』



『深沢先輩』の異様に真面目な態度に『皆』はとりあえずは従って『耳』を塞いだそうだ。だが『前田先輩』だけは『いたずら心』が芽生えて『聞き耳』をたてたそうだ。すると『深沢先輩』は短く、




「………………『ひだる神』」




 とだけ唱えてから『耳を開けてよい』とジェスチャーしたらしい。だが『前田先輩』にはさらに念押しして、


「おい、本当に聞いてないだろうな? まじで聞いたらやばいんだからな? ましそうなったら俺は責任取れねーし、散々注意したんだから俺を恨むなよ? わかったな??」と『深沢先輩』


「わかったって、聞いてないって言ってんじゃん(嘘)。つーかそこまで聞かれたくねーんだったらそもそも人前で言うなよ、お前矛盾してるぞ」と『前田先輩』


「うるせーな。今まで『家』でしか『やったこと』ないから一遍『大食い』に挑戦してみたかったんだよいいじゃんか。おーし、じゃあ食うぞ~! 始めていいすか?」


「あ、はいはい。じゃあ『タイマー』セットするね」と『店主』




『店主』が見守る目の前で『大食い』が始まったのだが、そこからの『深沢先輩』の『食速(食べる速度を意味する造語)』は『異常』の一言だったそうだ。まるで『バケツに捨てる』かのように『麺』が『喉』に吸い込まれて行き、ものの『5分』で『4キロのラーメン』を『完食』してしまったのである。



「う、嘘でしょお客さん………『4キロのラーメン』ですよ?? しかも『スープ』まで全部飲み干すなんて………(唖然)」と『店主』



「いやこの『挑戦』を設定したのはあんただろw あー、つーか全然『満腹』にならねーな。『もう一杯』挑戦ってできるんすか?(余裕の笑み)」と『深沢先輩』



『前田先輩』が『嘘だろ?』と思って『深沢先輩』のお腹を触ってみるが一切膨らんでいなかったらしい。


「(むっ)………いいでしょう! 『お客さん』が望むのなら何回でも挑戦させてあげますよ!(対抗意識)」と『店主』




『店主』がムキになったことで『深沢先輩』は『二杯目の4キロのラーメン』に挑戦し──ちなみに『前田先輩』は『1杯目』を完食できなかったそうだ──、またも『するする』と流れるように『スープと麺』が腹の中に収められて『5分』程度で『完食』してしまう。この時点で『8キロ』が『深沢先輩』の『胃』に入ったわけであるが、彼は全く『余裕』を崩さなかったのだ。



「………………まだいけるな。『店長さん』、『3杯目』挑戦していい?」と『深沢先輩』


「「えぇ!? まだ食べれるの!? 嘘だろ!!」」と『皆』




 もはや『店内中の人間』が『深沢先輩』の前に集まっていたわけであるが、その全員が浮かべていた『表情』は『感心』ではなく『嫌悪感』だった。『深沢先輩』が『3杯目のラーメン』に『箸』や『レンゲ』を突っ込むたびに『悲鳴』があがり、『前田先輩』も『飲み干されるスープ』を見て思わず叫んだのだ。



「お、おかしいだろおまえ! それで合計『12キロ』だぞ!? ぜってー『人間の限界』越えてるって! なのになんで『腹』が膨らみもしねーんだよお前は………」


「これが『必勝法』の力だぜ。おーし、じゃあ『店長』さん『四杯目』注文しますね~! あ、『前田』の残した分も食ってやるよ。もったいねーからな………(食べ始める)」と『深沢先輩』


「うわああああ!! お前まだ食うのかよ!? なんか『気持ち悪い』ぞお前! そろそろやめてくれ!」


「「「「うわ~! もう食べ終わったああああ!!」」」」と『周囲の人たち』




『前田先輩が残したラーメン』は『数十秒』で消え、その後『顔面蒼白の店主』が提供した『4杯目』のラーメンが『全く衰えない勢い』で食いつくされた時にはもう『店中の人間』が『集団ヒステリー』を起こしていたという。『深沢先輩』が『合計16キロ超のラーメン』を食べた『事実』を皆が受け入れられなかったからだ。



 なので彼が『5杯目』を注文すると『店主』が『キレ』始めたそうである。



「もうやめてくれ! いったいどんな『手品』かわからないがそんな『キモイ』ものを見せないでくれ! 見てるこっちの『腹』が『破裂』しそうだ! 約束通り『お代』はもらわないから帰ってくれ!」と『店主』


「なんだよ~! 『一人で何回も挑戦したらダメ』ってどこにも書いてないだろ~!? そもそも『成功されたら困る挑戦』なんて最初からやるなって! 『赤字』とか俺には関係ないってーの! 客が注文してるのに拒否すんのかよ!? おかしいだろ!」と『深沢先輩』



「違う!! 別に『利益上』では困ってない! 最初から『大食い挑戦の枠』が『完売』すること前提で計算して事前に『予算』を別にとってあるから『君』が一人で何回『完食』しても困らないんだ! そもそも『ラーメン』を『残された』らそれはそれで『処分費用』がかかるからね! 私が『拒否』してる理由はそうじゃなくて、『君』が明らかに『人間の胃袋の限界』を超えた『量』を食べているのに『ピンピン』してるところだよ! 本当に見てるだけで気分が悪くなる! 他のお客さんたちもそう思いませんか!?」



『店主』が店中にそう呼びかけると『お客』たちが一斉に、


「「「「見てるだけでこっちが気分悪くなってくる! マジでキモイからもうやめてくれ!!」」」」


「俺も正直言うと『深沢』がすげー『キモイ』って感じるわ。つーか見ててなんか『怖い』つーか………『営業妨害』になってるしそろそろ帰ろうぜ(良心)」と『前田先輩』


「そ、そっか(汗)。わかりましたよ、大人しく帰りますから………あ、でも『写真』だけはとってくださいよ。『成功者』はああやって『店の壁』に飾ってるんでしょ?」と『深沢先輩』


「………………そうだね。一応『成功者』だから『写真』はとらないとね………(律儀)」と『店主』




 最後に『深沢先輩』の『4杯食べました!』の『証拠』となる『写真』が撮影され、それは現在でもその『ラーメン屋』の壁に飾られてるらしい。ちなみにその後この『ラーメン屋』では『不可思議な噂』が流れるようになったとか。



「…………それはその『ラーメン屋』が『閉店した後』に起ることなんだそうだが、『店の外』から『真っ暗な店内』を覗き込むと『深沢』が『デカイラーメン』をひたすら食い続けてる『姿』が見えるって『噂』だよ…………たぶん『深沢の霊』だろうな(遠い目)」と『前田先輩』



「え、もしかして『深沢先輩』って『16キロのラーメン』のせいで死んじゃったんですか??」と『私』





「………………そんなわけねぇだろうが! ぶはははは!(爆)『深沢』は今でも『ピンピン』してるよ! ただ『16キロのラーメン』を食った『翌日』は『腹痛すぎる』っていって学校休んでたけどな! アホだろあいつマジで! ぶはははは!」



「いや、でも『16キロのラーメン』を『完食できる』てどう考えてもおかしくないですか?? そんなことが本当に『可能』なんですか??」と『ユズハさん』


「『深沢』が大丈夫だったから大丈夫なんじゃないの?? 知らねーけどね(笑)。この『怪談』はこれで終わりだよ。どう? 『現場』にいるとかなり『怖かった』んだぜ? だって『目の前』で『でっけぇラーメン』がどんどん『消滅』していくからな~。マジで見てるこっちの『腹』が『裂ける』かとおもったもんね」と『前田先輩』


「『深沢先輩』が死んでないのなら、『ラーメン屋』に現れる『深沢先輩の霊』は『生霊』ですか?? それとも『店主やほかのお客さんたち』の『恐怖』が『残留思念』として残ってる??」と『私』


「『残留思念』が残るほど怖かったんだね(笑)」と『ユズハさん』




 その『ラーメン屋』に後日『昼休み怪談部』のメンツで尋ねて『裏とり』をすると、『店主さん』が『本当のことですよ』と『保障』してくれたし、『深澤先輩の間食写真』も見せてくれたらしい。ちなみにもう『大食いチャレンジ』は終了していて、しかも『深沢先輩』は『出禁』になってるそうである(笑)。

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