其の六十八…『昼休み怪談部事始め:姫川君の異世界冒険譚の『その四』』
『今回』の話は言わずもがな、『其の六十六』の『続き』である。今回『死会社』から『挑戦者』として指名され『色彩』を与えられたのは『米原さん』という『女子生徒』だった。これまで通り『米原さん』以外の『全員』が『モノクロ』に染まり、そこに『モブ』と胸に名札がついた生徒たちが『教室』に入ってくる。
それらの『モブ生徒』たちを観察しながら『米原さん』がつぶやいた。
「………………この『モブ』って人達、よく見なくても『全員違う顔』してるよね………普通に『倉橋さん』が混じってることを考えても、多分この人たち全員『失格になった人たち』だ………あ、『塩尻さん』もいた」
『米原さん』の視線を『姫川君』が追うと、確かにその先には『モノクロの塩尻さん』がいた。彼女はこの時『他のモブ生徒』と教室の隅で『歌』を歌いながら『ダンス』していた。
「「「ごいあおるおえご~♪ あけごえ! おぎあおけっ! びえおあおぺぽいえないえ~♪」」」と『塩尻さんたち』
心の底から楽しそうに『騒いでいる』のを見て『姫川君』は思わず『唇』を噛む。
(…………この場にいる全員が『犠牲者』なわけか………そうなるといずれ『俺たち全員』が『モブ生徒』になってしまうわけだな………そしてそうなるとあの『難波先輩』がまた『現実世界』に現れて『新しい挑戦者』を探す………なんとかしてここで解決しないとダメだ…………!!)と『姫川君』
そう思っている一方で『他の挑戦者』達は相変わらず『モブ生徒』とのなぞの演技』を強制的にやらされながら『心の中』では色々な『作戦』を考えていた。
(…………今回『米原』は『標的は死会社だ』って言ってたな………本当に『爆発』の時に『死会社』が『壁』の向こうから出てきたのか?? 俺は見てねーんだけど………)と『朝倉君』
今回の『三回目の挑戦』では『米原さん』が選んだのは『死会社を倒すことで『ゲーム』それ自体をっぶっ壊す』というものだったそうだ。
「最初にいい皆? 私はこの『ゲーム』には『クリアー方法』なんて『無い』と思ってる。確実にあの『死会社』って『主催者』が私たち全員を『モブ生徒』にかえて『永遠』に『ここ』に閉じ込めるための『袋小路のデスゲーム』だと思ってる! しかも『私』は『塩尻』が『爆弾を投げ返した』ときに『視た』んだよ! 『爆発』で吹っ飛ぶ『壁』の向こう側に『死会社』がいたのを!」と『米原さん』
どうやら『米原さん』は『前回の爆発』の時に『爆砕された教室の壁の向こう側』に『死会社さん』がいたと『主張』していたそうだ。しかも『死会社さん』は『半透明な膜』のようなものによって『爆発』を防いでおり、さらには『死会社さん』が持っていた『白い杖(?)』みたいなものを振ると『破壊された物』がすべて『修復』されたそうだ。
「つまり『ゲームのやり直し』をやってるのは『死会社』だし、あいつ自身は『爆発』を食らうと『やばい』ってわけ! じゃないと『膜みたいなバリア』で自分を守ってる必要ないもん! だからあの『死会社』を狙うべきなんだよ!」と『米原さん』
すると『朝倉君』をはじめとするとほとんどの『挑戦者』たちが一斉に教室の隅からぶら下がってる『テレビ』をみて、
「………この会話確実に『死会社』に聞かれてるよな?」と『朝倉君』
「そうなると『対策』打ってくるんじゃない?」と女子生徒α。
「『対策』………そもそもその『膜みたいなバリア』は『爆弾』で破壊できるのか??」と『姫川君』
「『できる』! なぜなら『爆風で飛んでいった壁の破片』が『バリア』を『切り裂いてる』のも私視たから! そんで『死会社』はその『バリア』を頑張って『修復』しまくってたよ! 『爆弾の直撃』を受けないのにそれなら、『爆弾』を直接ぶつけたらたぶん倒せるって!」と『米原さん』
だが『死会社がバリアを張って身を守っている様子』も『白い杖を振っている姿』も『米原さん』以外の皆は誰も見ていなかったそうだ。そして『野崎さん』が、
「………もし、これはあくまで『もし』だよ? 『米原さん』が見たことが『正しい』としてだけど………『死会社』は『爆弾』で倒せるかもしれないけど、でも『現実世界に戻る』ためには『死会社』の協力が必要だったとしたら………倒したらやばくない?」と『野崎さん』
「『姫川』、『野崎』が『死会社が爆弾で死ぬかわからないし、仮に倒せたとしても『死会社』しか俺らを『現実世界』に戻せなかったらやばくない?』だそうだぜ」と『朝倉君』
「…………それはあるかもしれないが、俺はこの『異世界』を作っているのは『難波先輩の霊』だと思ってる。なんというか………『幽霊』なんだから『自分が作り出した爆弾』では死なないんじゃないか?」と『姫川君』
「もしそうならそもそも『死会社』を倒すこともできないことになるじゃんな」と男子生徒α。
「まあ確かにそうだな………みんなはどう思ってる?『米原さん』の作戦でいくか?」と『姫川君』
「そもそも今回『自由に動ける』のが『米原さん』だけだからそれでいくしかなくね?」と女子生徒α。
「『死会社』を倒すことはできなくても、『死会社』を攻撃して『降参』させることが『正解』かもしれないしね~。それでいいんじゃない?」と女子生徒β。
「『ヒント』も何もないんだからもうそれでいくしかないよ。『米原』やっちゃって~」と女性生徒Γ。
「おっし! じゃあ決まりね~!」と『米原さん』
これによって『米原さん』は『モブ生徒』が入ってきても無視して『椅子』を持ち上げて向こう側に『死会社』がいると思わしき部分の『壁』を『攻撃』して『穴』をあけようとし始めたのだ。
「さっき見た時『ここらへん』の向こう側にいた! そんで『爆発』の時『教室の壁』は『段ボール』みたいに薄くて向こう側には『何もない空間』があったのも見えた! あれなら『椅子』で『穴』くらいはあけられるかも!」と『米原さん』
彼女は『サンシ先輩(?)』が入ってきて『難波先輩』を相変わらず『暴行』し始めてもやっぱり『壁破壊』をやめなかったのだ。
「この! いい加減穴くらいあけ! こなくそ!」と『米原さん』
「難波あああああ!! てめぇ俺のこと舐めてんだろゴラァ!! なんで『煙草』買ってきてねーんだよおおおおお!!(殴打)」と『サンシ先輩』
「ぐべ!?(悲鳴)む、無理だよぉ! 僕『未成年』だから買えない………」と『難波先輩』
「てめぇ『老け顔』なんだから適当に嘘ついて『コンビニ』ででも買ってこいやぁ! なんでそうてめぇは『要領』悪いんだよ!? だから俺を毎回『キレ』させるんだよダラ(馬鹿)がよおおおおお!!」
「おら! こら! ちょっとは穴あけってーの!!」と『米原さん』
「………………さっきから何してんだよお前はぁ!?」と『サンシ先輩』
今まで『難波先輩』への『暴虐』に集中していた『サンシ先輩』がやっと『米原さん』に関心をむけた。そして彼女はすぐに『椅子』を構えて『警戒態勢』になり、
「な、別になんでもいいじゃんか! 『サンシ』には関係ないからいつも通り『難波君』殴ってれば!? 私に構わないでよ!」と『米原さん』
「あぁ!? てめぇなに『先輩』に対して『ため口』きいてん………」と『サンシ先輩』
「いや私たち『同じクラス』だよね? なら『同学年』なんじゃないの??」と『米原さん』
「………………確かにそれはそうだったな(素直)」と『サンシ先輩』
彼はそこで『首』をひねりながら『後頭部』を『ぽりぽり』かいて『難波先輩』も『目をぱちくり』させていた。その様を見ていた『挑戦者』たちが『あれ? もしかして『難波先輩の霊』が素で間違えてた?』といぶかる。
(難波先輩の霊の思考が『本当のサンシ先輩』に引っ張られてる?)と『朝倉君』
(なんだかこの『ゲーム』の『主催者』の『意思』が見えた気がする………やっぱりあの『サンシタ先輩』は『偽物』で、『主催者』が動かしてる『人形』なんだ………)と女子生徒α。
(なら、『壁の向こう側』に隠れてる『死会社』はもしかして『本体』なのか? 危ないからそこにいる??)と女子生徒β。
ほんの小さな出来事にも『ヒント』を探り出そうと『挑戦者』達は『必死』だった。そして『同学年のサンシ先輩』が気を取り直して、
「………………まあそれはいいや。おい『米原』てめぇ!? この『教室』の『王』が誰かわかってねーみてーだな!? 『机で壁を壊す』とか『気に入らねー奴を殴る』とか『先生に絶対に怒られない』とかの『特権』があるのは『俺』だけなんだよ! そうだろ『大田原先生』!? この『学校』の『ルール』が誰かいってみろやぁ!」
完璧なタイミングで『大田原先生』が教室に入ってきていて、『サンシ先輩』の言葉に露骨に『低姿勢』で『へこへこ』しながら、
「はは、そうだぞ『米原』、『サンシ先輩』………『サンシ君』のお父さんは『財閥』なんだ。これからみんなも『社会』に出て行くんだから『世間のルール』ってのを知ってないといけない。『財閥の息子さん』は皆とは『身分』が違うんだよ………(へらへら)」と『大田原先生』
「『財閥』とかもろ『韓国』じゃん! なに? もしかして『難波先輩』って『韓国の人』なの!? 『日本』の『財閥』にはそんな『権力』ないから! 『難波先輩』ちょっと『設定』が雑だよ!? もしかしてもう『ネタ』が無くなってきてるんじゃあ?」と『米原さん』
「こまけぇことはどうでもいいだよ!! てめぇ『財閥の御曹司』に舐めた口きくとは赦さねぇ………しかたねぇから『財閥の権力』ってやつを見せてやるぜ! 『黒板』をみろぉ!」と『サンシ先輩』
するといつのまにか『大田原先生』が『プロジェクター』を操作しており、そしてなぜか『黒板』に『映像』が『投影』されたのである。そこには『米原さんの両親』が映っていたそうだ。
「………え!? なんでうちの『お父さんとお母さん』が!?」と『米原さん』
「くはははは! 俺はなんと言っても『財閥の御曹司』だからなぁ!? ここから『命令』するだけで『米原の両親』を『酷い目』に遭わせることだってできるんだ! よし! お前らいけぇ!」と『サンシ先輩』
彼が『映像』に向かって『命令』を下すと、途端に『黒い影』が『二つ』登場し、『片方』は今まさに『車』を運転中の『米原父』の『後部座席』に移動する。一方『もう片方の影』は『デパートのレジ打ち』真っ最中の『米原母』の背後に回りいきなり『首』を絞め始めた!
『………………うぐ!? ぐぐぐぐ………………!?(悶絶)』と『米原母』
『!? な、なんだ!? なんでブレーキが効かない!?』と『米原父』
『米原母』が突然『泡』を吹いて倒れて『店内中』が大騒ぎとなり、『米原父』の運転する『車』が『暴走』して甲高い『悲鳴』が『教室』を支配する。『米原さん』は『真っ青』になり、
「………………ま、まさか、『ここ』から遠隔で『現実世界』にいる『お父さんとお母さん』を『祟ってる』の………!?」と『米原さん』
「はははは! これが『財閥の御曹司』に逆らった『報い』だ! はははは! ほ~ら『俺』に『土下座』しろ! じゃないとお前の『両親』が『お前のせいで死ぬ』ことになるぞ!? 『娘のせいで死ぬ』ってことをお前の『両親』に教えてやるよ!」と『サンシタ先輩』
そしてここで突然『米原さんの両親』が『カメラ目線』になった。明らかに『こっち側』が『認識』できているそうで、しかも『一瞬』で『デスゲーム』の内容まで『知った』ようだった。どうやら『両親の脳』に『情報』を直接『注入』したかのようだが、『怪異』なら『不可能』はないようだった。なので途端に『両親』が『怨嗟の声』をあげて、
『梓(米原さん)ああああああ!! なんて『馬鹿なこと』をしたんだ!? 謝りなさああいいい!!』と『米原父』
「………………へぇ、『梓』っていうんだな『米原』の下の名前は(学習)」と『サンシ先輩』
(え、じゃああの映像は『本物』なのか!?)と『朝倉君』
『お父さんもお母さんもまだ死にたくないわ! 早く謝って! じゃないと母さんも父さんも死んじゃうわよ! そしたらもう『家族三人』で一緒に暮らすこともできないのよ! 早く謝って! 早く!!』と『米原母』
『早く謝ってくれ梓あああああああ!! 父さんも母さんのお前を恨みたくないんだああああ!! 頼むうううううう!!!(ハンドルを滅茶苦茶に振る)』と『米原父』
『米原さん』は『この映像は絶対偽物だ!』と叫んでいたのだが、それでも結局『両親が死にそうになっている映像を見せられ続ける』ことに耐えられず『降参』したのだった。
「ご、ごめんなさいサンシ先輩!! 謝るからお母さんとお父さんを助け………………」と『米原さん』
『ぴぎゃあああああああああああ!!! しねぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!』と『ナマズ爆弾魔』
途端に『爆弾』が『教室』に放り込まれて『炎と疾風』がすべてを『なぎ倒す』!! 結局『挑戦者』たちは一度『体』を砕かれた後『再生』して『リセット』され、確かに『姫川君』は『教室の壁』の向こう側にいた『バリアで守られている死会社』を見つけたのだそうだ。彼はしっかりと『場所』を憶え、そして『米原さん』が言っていたのと『位置が変わっていない』ことも確かめてから…………、
………………………………、
………………、
………、
………………目が覚めるとまた『仕切り直し』になったのだが、やっぱり『米原さん』の姿はなかったそうだ。そこで『姫川君』は残った全員を集めて、
「………………『米原』のおかげで『多くの貴重な情報』が手に入ったと思う。また『作戦会議』をしよう」
全員が『疲労』の色を見せ始めていたので、『鼓舞』するようにそう言ったのだった。次回へ続く。




