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其の六十五…『金沢新神田の『禿げたオウム屋敷』』の話

『金沢新神田』は『西インター大通り』という大きな道路が貫通する土地であり、市の中心部である『片町』から『犀川』を跨いだところにある地域だ。『金沢市民』だと『新神田』は『中心部から外れた地域』だと思っている人が多いだろうが、『金沢以外の石川県民』は『新神田』も『中心部』の一つだと考えてるかもしれない。


 もちろん生粋の『ネイティブカナザワン』である『私』こと『やっくん』は『前者』で考えている。一応『西金沢(金沢西部)』の玄関口とも呼べる土地かもしれないが、そもそも『西金沢』の範囲があまり明確ではないのでそこら辺はよくわからない(余談)



 そんな『地元トーク』は置いておくとして、この『金沢新神田』には『禿げたオウム屋敷』という『お化け屋敷』………なのか?? とにかくそういう『変な家』があるらしい。これは『少年院帰りの怖いけど優しい先輩』である『サンシ先輩』が話してくれた『怪談』………いや、『奇談』だ。




「『お前ら』は聞いたことあるか? 『新神田』に『禿げたオウム屋敷』っていう『色々と変な噂がある空き家』があるんだそうだ。面白そうじゃねーか?」と『サンシ先輩』



 先輩がこの話を『部室』に持ち込んだとき、その場にいたのは『部長:ユズハさん』と『会計:私』と『書記:ナツメちゃん』と『副部長:姫川君』の四人がいた。



「『面白そう』ってどういうこと? 『サンちゃん』はそこに行ってないの?」と『ノナさん』



 ………あ、『サンシ先輩と仲良しの女子:ノナさん』も忘れていた。大抵『サンシ先輩』が『部室』ににやってくるときは『ノナさん』もセットである。なのでむしろ『ノナさんがいない時』だけ言及すればいい気もする。



「行ってねーな。『バイト』忙しくて遊んでる暇ねーんだよ俺は。暇あったら『カチコミ』にいってもいいんだけどよ」と『サンシ先輩』


「ふ~ん、相変わらず『バイト漬け』だねぇ。その『禿げたオウム屋敷』って具体的に『どんな噂』が流れてんの?」と『ノナさん』


「なんだよ『バイト漬け』でわりーかよ? 『具体的な噂』が今話したやつだよ。『禿げたオウム屋敷って変な空き家がある』ってだけだ。なんか『不動産屋』が管理してるんだけどなぜか『玄関の鍵』は常に『開いてる』から自由に入り放題らしいぜ………だが『中に入って』何があるかは知らねーし『安全』も保障できねーな」と『サンシ先輩』



 そもそも『禿げたオウム屋敷』という『ネーミングセンス』が謎すぎるが………いや、『怪奇談』にそういう話は『野暮』だろうからこの場の誰も『ツッコミ』は入れてなかった。そしてなぜか『ノナさん』が話を進めていたのでやっと『ユズハさん』が割って入って、



「えーと、先輩? その『禿げたオウム屋敷』に行った知り合いとかいるんですか? その人たちって今でも『無事』なんです?」



 すると『サンシ先輩』はここでちょっと『深刻そうな』顔になって、


「………『一人』いるんだ。俺も『詳しい話』は聞いてないんだが、『怖い目』にあって『ケガ』したそうだぜ………『足をくじいたん』だったけな。そんだけだ。これで十分『部員』の役割は果たしてるだろ? もう『あの糞アマ(ニア先生)』には文句を言わせねーぜ」




 この話を聞いた『ユズハさん』は早速『その日の放課後』に早速『禿げたオウム屋敷』に『訪問』することを決めたのだそうだ。



「その『禿げたオウム屋敷』って『心霊スポット(?)』に行くよ! 久々に『部員全員』が集まったんだからこの機会に『共同作業』しようよ! 『部活動』らしくさ!」と『ユズハさん』



「いや『全員』は集まってないですよ。『サンシ先輩』はやっぱり『バイト』ですし、『幽霊部員』は相変わらずですし………」と『私』


「まあこの『四人』が『いつメン』だから間違ってはないけどね。その『いつメン』が揃わないのは主に『姫川』………じゃなくて『正也』のせいだけど」と『ナツメちゃん』


「………………『藤堂ナツメ』が何を思おうが俺には関係ない。ノーコメントで」と『姫川君』



「ちょっとちょっと~! なんでそんなに仲悪いの~!? 『私とやっくん』を少しは見習いなよ~!(無邪気)」と『ユズハさん』


「ゆ、ユズハさん……それあなたが一番言っちゃいけない言葉ですよ………(冷や汗)」と『私』



『私』はここでわざとらしいが『話題を変えようと』思っていたら『ふっ』とある『事実』を思い出した。


「………………そういえば『ユズハさん』、今日の『放課後』は確か『怪談持ち込みの予約』が入ってましたよね? 『粟島さんと吉田さん』が時間ができたから『霊能者業界怪談』を語ってくれるから待っててほしいって話が………」



 この『昼休み怪談部』は名前の通り『昼休み』が活動のメインだが、『放課後』でも『予約』を入れてくれれば対応可能である。『ユズハさん』は『先約』があることを思い出して、


「ああ!? そうだった! じゃあ『放課後』にも『部室』に誰か残ってないといけないじゃん! でも『思いたったその日』にさっさと調べておきたいんだよなぁ~………わかった。じゃあ『やっくん』と『ナツメ』が残ってよ。『私』と『姫川君』で『禿げたオウム屋敷』ってところに行ってくるからさ。お願いね~」



 すると『姫川君』が『ものすごく変な顔』になり、また『ナツメちゃん』が色めきだって、


「はぁ!? なんで寄りによってその『組み合わせ』なわけ!? 普通は『部長』と『副部長』のどっちが残るの『筋』ってもんじゃないの!? なんで『二人』とも『出動』して『書記と会計』が残るのよ!?」


「え~? 『役職』なんて別に『適当』に割り振っただけの『肩書き』じゃん。まあその『肩書き』で考えてもまず『書記』は残って『悠ちゃんとノアくん』の話を聞くのが『筋』だし、『私とやっくん』は『最古参』だから散らばった方がよくない? それに『姫川君』は一応『霊能者』だから絶対『出動』した方がいいじゃん。この組み合わせが一番『自然』だと思うけど?」と『ユズハさん』



「そいうことじゃなくて! 『あたし』はなんでよりにもよって『その組み合わせ』にするかって言いたくて…………」と『ナツメちゃん』


「別にそれで善くない?? 『僕』は『ユズハさん』の考え方が『合理的』だと思うし、そこまで『目くじら』立てなくても………」と『私』


「なんでよりにもよって『あんた』がそういう態度なわけ!? 人の気も知らないでえええええええ!! 謝れええええええ!!(怒髪天で首絞め)」と『ナツメちゃん』


「うげえええええ!! なんでええええ!!???(呼吸困難)」と『私』


「………………楽しそうだな相変わらず(微笑)」と『姫川君』






 ………ふぅ(呼吸回復)。そんな感じで件の『禿げたオウム屋敷』には『姫川君』と『ユズハさん』の二人が『放課後』に『調査』に赴いたわけだ。ちなみに『姫川君』は道中『ユズハさん』に、


「………………今更いうのは遅すぎる気がするが、『空き家』なら『所有者』に『許可』をとらないとダメなんじゃないか? 『不法侵入』になると思うが………?」



 すると『ユズハさん』は『スマホ』を取り出して、


「大丈夫♪ 実はその『空き家』を管理してる『不動産会社』が『ひむろん』の『知り合い』らしくてさ。『ひむろん』に頼んだら『許可』をとってくれたんだ~♪ だから私たちは『合法的にお化け屋敷』にはいれるってわけ。安心してよ『姫川君』」


「『氷室麗華』の知り合いなのか? ということは『堰守衆』が経営してる『不動産屋』ってことか?」と『姫川君』


「それはどうなんだろうね~。『ひむろん』は『私の知り合い』としか言ってなかったし………あ、あったあった。ここだよ」



 二人がやってきた『新神田エリア』にある『住宅街』の一角に確かに『空き家』と大きな看板が掲げられた『古い民家』があった。ちなみにその『管理会社』の社名は『大日大照不動産』だそうだ。やたらといかめしい。



「『不動明王』をもじった社名か………? ということはやっぱり『堰守衆』??」と『姫川君』


「まあそれは別に『関係ない』からどうでもいいけど………あ、本当に空いてるね~! ほら『姫川君』入ろ入ろ~!」と『ユズハさん』



 確かにその『空き家』は『玄関のかぎが掛かっていなかった』ので簡単に入ることができたそうだ。そして『玄関』に足を踏み入れると、そこには『鳥かご』に閉じ込められた『オウム』がいて、『二人』を見るなり鳴いたそうだ。



『ようこそいらっしゃいませ! ようこそいらっしゃいませ!』と『オウム』


「………………これ『オウム』?? なんで『毛』がないんだろう??」と『ユズハさん』



 彼女の言う通りこの『オウム』は『羽毛』が一切無く『全身』がいわゆる『鳥肌』むき出しの状態だった。『オウム』は『高ストレス』の状態が長く続くと『自傷行為』としてこういうことをするらしい。なので『ユズハさん』も『姫川君』も同情の目になって、



「………………なんか可哀そうな『オウム』だね………たぶん自分で抜いちゃったんだろうね」と『ユズハさん』


「こんなところで飼ってるからじゃないか? ………というかなんで『空き家』で『オウム』が飼われてるんだ? 『不動産屋』が飼ってるのならなぜ自分たちのところに持ち帰らない??」と『姫川君』


『いらっしゃいませ! ようこそいらっしゃいませ!』と『オウム』



『姫川君』が『鳥かご』を観察すると、ちゃんと掃除が行き届いていて『水と餌』もちゃんと用意されていたようだ。そして『ユズハさん』は『玄関』から奥へと続く『廊下』にももう一羽『禿げたオウム』がいることに気づいたのである。



『どうぞおあがりくださいお客様! 遠慮なさらず! 土足で大丈夫ですよ!』と『廊下のオウム』


『いらっしゃいませ! どうぞ中へ! いらっしゃいませ!』と『玄関のオウム』



「…………『禿げたオウム屋敷』………まんまのネーミングだね………」と『ユズハさん』


「一体なんなんだここは? 『氷室麗華』はこの『空き家』の『由緒』を教えてくれなかったのか?」と『姫川君』


「全然………でも『安全なことは確かよ』って言ってたからそれだけで『十分』かなって………」


「『氷室麗華』の『安全基準』は『人死にが出ないと思う(たぶん)』だから滅茶苦茶ハードルが低いぞ………(不安)」



 そもそも『怪異』は『人間の想像力』を超える存在だから『氷室さん』を責めるのはかわいそうな気もする(苦笑)。そして『二話のオウムの招き』で二人が『廊下』を歩くと、その先に『リビング』があった。もちろんそこにも『禿げたオウム』がいてやっぱり『誰かの声真似』をする。



『よくぞ来られました! でもすぐに帰った方がいいかも!』と『リビングのオウム』


「………………え? 帰った方がいいって??」と『ユズハさん』



 するとその声を聴いたのか、


『帰った方がいいかも! 来るから!』と『廊下のオウム』


『来るから! 帰った方がいいかも! 危ないよ!』と『玄関のオウム』


「…………なんなんだ一体?」と『姫川君』



 さらにはどうやら『リビング』の横には『キッチン』があって、そこにも『オウム』がいるようだった。もちろんやっぱり『羽毛』が一切ない。


『来るかもしれない! 足音がするよ! きっと気づいたよ!』と『キッチンのオウム』



 ここで『ユズハさん』が『スマホ』で『動画』を取り始めた。もちろん『彼女の耳』は『何かが近づく音』とかは聞いていない。『姫川君』にも確認すると、


「俺も何も聞こえない。『西インター大通り』から聞こえる『車の音』くらいだ」


「『姫川君』でも聞こえないのならやっぱり『何も来てない』のかなぁ? 『動画』にも何も映ってないし………」と『ユズハさん』


「あまり俺の『耳』を当てにしない方がいいだろうな。俺は『怪異を必ず察知できた』わけじゃないからな。だから『野崎』………」と『姫川君』





『『『『来たよ!』』』』と『全てのオウム』





 ここで突然『全てのオウム』が同時に『叫びだした』そうだ。どうやら『二階』とそれに続く『階段』にも『オウム』がいたらしく、その鳥たちも一斉に同じことを叫んで『バタバタ』と暴れはじめる声が聞こえた。




『来てるよ! 来てるよ! 来てるよ!』と『リビングのオウム』


『逃げて! 逃げて! 逃げて? 逃げて!』と『キッチンのオウム』


『危ないよ! 危ない! 危ないって! 早く!』と『廊下のオウム』


『もうそこまで来てるよ!!』と『玄関のオウム』




 そういう言葉を突然『狂った』ように繰り返し始めたとなると、さすがに『姫川君』も『やばい』と思った。なので彼はすぐに『ユズハさん』の腕をつかんで走り出そうとする。


「た、『高宮』! なんかわからんが『凄くやばそう』だ! ここからいったん離れた方がいい! 早く逃げ………ってうわ!?」



 だが『ユズハさん』はそんな『姫川君』の手をむしろ『自分の方に引っ張った』のである。なので『姫川君』は『予想外の力』で思わず転んで『尻餅』をついてしまう。


 そんな『姫川君』の『肩』に手をおいて『ユズハさん』は微笑んで、言った。





「………………ダメだよ逃げたら『姫川君』。せっかく『怪異』が向こうから『来て』くれるんだからさ」





『姫川君』は『呆然』として言葉を失う。『ユズハさん』の方は『キラキラした目』でまた『スマホ』で周囲を撮影しながら、



「こういう時に『逃げる』限り『私たち一般人』は『向こう側』にはいけないと『私』は思うんだよね。だから『私』は喜んで『迎え入れる』よ。それで死んだって今更『後悔』なんてしないし。それどころかもしかしたらもう『昼休み怪談部』のせいで『誰か死んじゃってる』かもしれないんだから………」




 この時の『ユズハさん』の『顔』を『姫川君』は後に『表現が難しい』と説明していた。でも別に『喜んで』いたわけではないらしい。むしろ『悲しみ』に近い顔だったとか………『私』はその場にいなかったので想像するしかないが。



 ………………、


 ……………、


 ………、


 





 …………そのまま『二人』は『空き家のリビング』にしばらくとどまって『様子見』をしていたらしい。その間も『オウム』達は相変わらず『来る!』とか『逃げろ!』とか繰り返していたが、『5分』も経つとだんだんと『口数』が減り、『20分』たつと何も言わなくなったらしい。




「………………おわったみたいだな」と『姫川君』




 なので『姫川君』も立ち上がって念のために『一階』を回ってみたが特に『変なもの』は目撃しなかったそうだ。そして『ユズハさん』も『期待していたもの』が一向に現れないことを察して、



「………帰ろっか。たぶんあの『オウムたち』が『怪異』なんだよ」と『ユズハさん』


「…………『普通の動物』が『怪異』になるなんて普通らしいが、ちょっと想像と違ったな………だが一体誰が何の目的で『オウム』にあんなことを教えたんだろうな………」と『姫川君』




『怪異』の『定義』に『生きていてはいけない』と言う条件が無いのなら、別に『生きている動物』が『怪異』でも問題はない………かもしれない(汗)。その後二人は『普通』に『空き家』をでてそれぞれの家に帰ったらしい。あとは特に変わったことはなかったという。







『後日』この体験を『サンシ先輩(&ノナさん)』に話すと、


「ふ~ん、そうか。『お前ら』が経験した話は『俺』が『知り合い』から聞いた内容と全く同じだな。『禿げたオウム屋敷』に行くと『裸のオウムたち』から『逃げろ』て脅かされるんだそうだぜ。俺の知り合いはそれで『怖くなって』逃げ出したら躓いて転んでけがしたらしいぜ」と『サンシ先輩』



「なにその『しょうもない話』~!? どこが『ホラー』なわけ~!? 落ち無しでやる気なさ過ぎでしょ~!(文句)」と『ノナさん』



「え~? でも『当事者』の『私たち』は『オウム』に脅かされて普通に怖かったけど? あれだって十分『ホラー』じゃない? だって『ホラー』って『恐怖を楽しむ』ものでしょ~? つまり『禿げたオウム屋敷』は『ホラー系テーマパーク』なんだよ」と『ユズハさん』


「(いや全然怖がってなかっただろ……)……正直『俺』は『がっかり』だったと思うぞ。結局『高宮のスマホ』にも何も映ってなかったんだろ?」と『姫川君』


「まあ、本当にびっくりするくらい何もなかったね………『オウム』が騒いでる音しか入ってなくてつまんなかった(悔し泣き)」と『ユズハさん』


「いいじゃねーか。『氷室』が言ってたことが正しいことが証明されたんだからさ」と『サンシ先輩』



 今回の話は以上である。

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