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其の六十四…『昼休み怪談部事始め:姫川君の異世界冒険譚『その二』』

 これは『姫川正也君』という『他人に見えないものが見えて、かつ他人が見えるものが見えないことがある』という『霊能者の転校生』が実際に体験した話だそうだ。ちなみに『姫川君』自身は自分のことを『霊能者』とは思っていないらしい。



『………俺は『霊能者』じゃないと思う。なぜなら『除霊』ができないからだ。ただ『視える』だけで何もできないし、それどころか『普通の人が見えるモノが見えない』のは普通に『不便』だろ……とても『能力者』なんていないぞ』と『姫川君』



 彼の考え方には『ナツメちゃん』は『それってさらっと障碍者の人を馬鹿にしてない?』と文句を言っていたりしたが、『姫川君』は口下手なところがあるから『悪意』はないと思う(汗)。今回はそんな彼が私たち『昼休み怪談部』に持ち込んだ『怪談』だ。




「………実は『さっき』のことなんだが、『難波先輩』という『幽霊(?)』が『俺』や『クラスメート』に対して『異世界に行けるおまじないを教えてあげるから『心』を持ち帰ってきてほしい』と頼んできたんだ………『今夜』早速その『おまじない』を試してみようと思う。一応お前たちに話しておくぞ」と『姫川君』




 これはある意味『私たちが経験した怪談』でもある。『視える人』と皆から称されている男子が『真剣な顔』でいきなり『こんなこと』を言ってきたわけだから、十分に『怪談』と言えるだろう。



「『幽霊』から『心』を持ちかえってほしいって………? なにそれ? 『通りすがりの悪霊に『なぞなぞ』を出題された』ってこと?」と『ユズハさん』


「『なぞなぞ』なんでしょうか?? もしかしたら普通に『罠』なのかも?」と『私』


「その『異世界』に本当に行けるとして、『帰ってこれる』って保証もないしねぇ。それに『なぞなぞ』ならちょっと『高難易度』すぎない?」と『ナツメちゃん』



『昼休み怪談部(一人部外者含む)』の反応は大体こんな感じだった。『姫川君』はいつもの『仏頂面』で、


「とりあえず今の時点だと『何が何やら』の状態だから『おまじない』を試してみようとは思う。全部終わったらまた話すから待っててくれ」



「お~! 本当にありがとう姫川君~! 感謝感謝! 『サカナちゃん』も参加するって聞いてるから無事帰ってこれるって信じてるよ~!」と『ユズハさん』


「………あ、じゃあ『僕』もやっぱり『参加』しましょうかな………(もじもじ)」と『やっくん』


「あんたはさっさと『ひむろん』を説得するための『理屈』を考える方を優先でしょうが! ほら今からまた『作戦会議』するわよ!」と『ナツメちゃん』


「いやでも正直もう『新しい理屈』は思いつかないよ………」




 その後『姫川君』は『有言実行』で『異世界へ行けるおまじない』を実行に移したらしい。ちなみにその『おまじない』の具体的な『作法』は『其の六十三』で言及されているので今は『割愛』させていただく。『姫川君』は『下校』から始まるこの『おまじない』をうまく『完成』させてその日の『夜22時』には就寝したそうだ。



 そして彼は『真っ暗なまどろみ』の中から『明るい光』に気づいて『もう朝か?』と思って目を覚ますと………自分が『黒百合丘学園』の『自分の教室』にある『自分の机』に『突っ伏して』寝ていたことに気づいたのである。



「………こ、これはもしかして『黒百合丘学園七不思議』の一つの『あれ』じゃないのか………!?」と『姫川君』



 彼が言っているのはこの学校に伝わる『七不思議』の一つ、『まれに学園の生徒や教師が『自分の部屋』で寝ていたはずなのに『真夜中の自分のクラスや職員室』で目を覚ますことがある』という『怪談』である。もしこの『怪異』に遭遇したら『あわてず騒がずそのまま寝なおす』ことで『元の部屋で目覚める』ことができるそうだが………だが『姫川君』はすぐに『おかしい点』に気づいたという。



「………あれ? お前『姫川』か! お前はちゃんと『これた』んだな! ちょっと安心したぜ!」と『朝倉』



 この『朝倉』と言う男子生徒は『姫川君の友達』らしい………だがそれは『朝倉くん』の自称で『姫川君』は『友達』とは一言も言っていない(悲しみ)………その『朝倉君』をみとめて『姫川君』は驚いた。


「あ、『朝倉』……お前もいるってことは、ここは『七不思議のあれ』じゃない??」


「『七不思議のあれ』ってなんだ? よくわかんねぇが俺だけじゃねーぜ? 皆いるからな!」と『朝倉君』



 彼がそういうと『教室の中』には『塩尻さん』や『倉橋さん』、他にもたくさんの『見覚えのある生徒』たちが『十数人』いたという。もしこれが『七不思議のあれ』だったのなら『姫川君』は『一人で真っ暗な教室』で目覚めないといけないが、この『教室』は『LED電灯』に照らされていて全員の顔がよく見えた。



 だが『朝倉君』の声につられて集まってきた『塩尻さん』たちがいう。


「でも『サカナちゃん』いないよね………? もしかして『失敗した』てきな?」と『塩尻さん』


「あの『難波先輩って名乗ってた悪霊』が『サカナちゃん』を『弾いた』んじゃね………? でも『姫川君』がいるから大丈夫だよね………?(うるうる)」と『倉橋さん』


「本当にあの『難波先輩』が『サカナちゃん』を『ブロック』したのか? 『別の悪霊』なんじゃね? 根拠ねーけど」と『石田君』


「ま、まあ、『姫川』も『霊能者』だから問題ねーって。なぁ『姫川』? お前はここが『夢の世界』なのかそれとも『異世界』なのかわかるよな? どっちなんだ?(不安げ)」と『朝倉君』


「………『夢の世界』だろうな(超適当)。『生野魚』は………たぶんそのうち来るだろう、そんな気がする(根拠なし)」と『姫川君』



「「「本当!? 姫川君のことを信じるよ~!」」」と女子たち。


「お、おれも信じてるからな『姫川』!」と『朝倉君』


「………(滝汗)」と『姫川君』




 すると突然『教室の片隅の天井から釣り下がっているテレビ』の『スイッチ』が入ったのだ。『黒百合丘学園』のすべての教室にこの『テレビ』がぶら下がっているのだが『古いブラウン管テレビ』なので今現在は使われていない。


 そしてその『テレビ』に『仮面で顔を隠しボイスチェンジャーを使った怪しい人物』が映し出されたのである。



『………ようこそ『挑戦者』たちよ。君たちにはこれから『ゲーム』をしていただく。題して『この教室から無事脱出できるかゲーム』である。私は『司会者』の『死会社』とでも名乗っておこう………さぁまず『最初の挑戦者』は『君』だ!』と『死会社』



(((………え、『ゲーム』??)))と皆。




 そう『死会社さん』が宣言するとなぜか『教室のライト』が『変化』し、皆の『視界』が『モノクロ』になった。全てが『白と黒』に見えてそれ以外の『色』が強制的に『白か黒か』に直されてしまう。



「………一体どうなってるんだこれ?? ………って『倉橋』だけなんで『色』があるんだ??」と『姫川君』



 彼の言う通りこの時なぜか『倉橋さん』だけは『カラー』に見えたらしい。そして他の『生徒』たちが『薄闇』に包まれてお互いの顔がよく見えなくなる代わりに、『倉橋さん』だけは『天井の照明』が集中して『光り輝いて』みえた。もちろん『倉橋さん』はなんだか恥ずかしくなって、



「………え、ちょ!? これなに!? 『怪奇現象』なの!? なんで私だけ!? めっちゃハズいんだけど!!」と『倉橋さん』



 すると『死会社さん』が『画面の向こう側』から『倉橋さん』を指さして、



『君が『最初の挑戦者』だ『倉橋渚』ちゃん! これから君が『ゲーム』に挑戦し『正解』にたどり着かないといけない! 『挑戦』できるのは『一回』だけでもし『失敗』すれば『永遠の眠り』が待っている! さぁ『ゲーム開始』だ! 幸運を祈ってるよ! グッドラック!』と『死会社』



「ちょ!? なにすんの『ゲーム』って!? そもそも『私』たちは『難波先輩の心』を持ち帰りに来たのであって『ゲーム』をするために来たんじゃない………って消えちゃったし! 一体何なの………」



『倉橋さん』が叫んだが『死会社さん』は消えてしまい、突然『教室の扉』が開いて『どやどや』と『生徒』たちが入ってきた。もちろん全員『モノクロ』で、しかも皆『見慣れない顔』でしかも『胸』に『モブ』という『名札』がついていたそうだ。



「な、何の冗談?? 一体『ゲーム』って何………ひぃ!?」と『倉橋さん』



 そしてその『モブと言う名前の生徒たち』の最後に『サンシ先輩』が入ってきたのである。『倉橋さん』は先輩の『傷のついた強面』に反射的に『か細い悲鳴』をあげるも『白黒のサンシ先輩』に気づいて、


「あ、せ、先輩じゃん! 先輩も『おまじない』したんですか!? でもなんで『教室の外』から入ってきて………」と『倉橋さん』



 実はこの時『姫川君』たちも『サンシ先輩』に声を掛けようとしたらしい。だがなぜか『声』がでず、それどころか『体』が勝手に動いて『自分の席』に座ったり、『モブ生徒』たちと『よくわからない雑談』をしたり『ふざけ合ったり』し始めたらしい。自分の意志に反して勝手に『体』が動いてしまうのだ。


(な、なんだこれ!? なんで体が勝手に!?)と『姫川君』


(嫌こいつら誰だよ! ていうか何話してんだ!? 会話が『うにゃうにゃ』しか言ってねーじゃん!)と『朝倉君』


(ちょ!? きもっ! なんで知らないやつ(女子)のリップクリームぬらないといけないわけ! やめれ! ちょっと! 本当に止めて………うげぇええええ!!)と『塩尻さん』



 だが『倉橋さん』だけは『自由に動くこと』ができたという。だが彼女が声をかけた『サンシ先輩』は『いつも』と全然違って『厭らしいへらへら顔』になって、



「………あ? お、『渚』、ついに『俺の女』になる気になったか? やっと『素直』になったのかよ本当に頭の回転が遅い女だぜ………まあでも『男を見る目』はあるな? じゃあ『放課後』俺の家にこいよ(ニヤニヤ)」と『サンシ先輩』


「………………は? え、さ、『サンシ先輩』?? 何言ってんの???」と『倉橋さん』



 あまりに『みんなが知ってるサンシ先輩』と『違いすぎ』て『倉橋さん』の頭が『真っ白』になる。するといつの間にか『モブ生徒』に混じっていた『難波先輩』が『サンシ先輩』を制止したのである。



「あ、あの、『サンシ君』、『倉橋さん』が嫌がってるからそういうのやめた方が………」



 だが次の瞬間『サンシ先輩』が『難波先輩』を『殴り飛ばした』のだ。



 バギャッ! ドカン!



「ぶげぇ!?」


 盛大に吹っ飛ばされて『教室』の一番後ろにある『棚』に激突して崩れおちる『難波先輩』。『倉橋さん』やほかの生徒たちが『硬直』していると『サンシ先輩』が倒れている『難波先輩』に近づき『髪の毛』を掴んで強引に上を向かせてから、



「………てめぇ、いつから俺に『意見』できる立場になったんだ? あーまじで『むしゃくしゃ』するぜ! 『むしゃくしゃ』して『授業』どころじゃねーなぁ!? ちょうど『先生』もきたしよ………」と『サンシ先輩』



 と、そこで『ナイスタイミング』で『大田原先生』が入ってきたという。すぐに『倉橋さん』たちが『大田原先生』を見て、『大田原先生』も『サンシ先輩』と『難波先輩』を一瞥する。すると『サンシ先輩』が、



「………大田原先生~! 俺『こいつ』のせいで今すっげー『イライラ』して『ホームルーム』どころじゃないんですよ~! ちょっと『教育』してもいいっすかね~!? 『ホームルーム』の間で終わらせるんで~!」と『サンシ先輩』



 普通なら『大田原先生』は『やめなさい!』と叱る所である。だがなぜか『大田原先生』は『ヘラヘラ』した顔になって、


「………そ、そうか。『サンシ』がそういうのなら『ホームルーム』が終わるまでに済ませてくれよ?」



 それだけだった。『難波先輩』が絶望的な顔になり、『サンシ先輩』は喜んで拳を振り上げながら、


「感謝しますよ先生~! ………じゃあ『続き』をはじめようか『難波』ぁ! おら!(殴打)」と『サンシ先輩』


「や、やめ………ぶっ!(鼻血を出す)」と『難波先輩』



 そこから『異様な光景』だった。『サンシ先輩』は『難波先輩』を罵りながら殴り続け、なのに『大田原先生』は『何も起こってないか』のように『名簿』を読み上げて『出欠』を確認する。そのまま『連絡事項』の話を始めたのでさすがに『倉橋さん』が声をあげたそうだ。


「せ、先生! なんで注意しない………」と『倉橋さん』



 だがすぐに『倉橋さんの隣の座っているモブ生徒』が彼女を引き留め、小声で注意したそうだ。



「………やめときなよ。『サンシくん』の家って『やくざの親分さん』なんだよ………下手に『注意』とかすると『やくざ』が学校にやってきて暴れるから『先生』たちも怖がって注意できないんだよ………絶対関わらない方がいいって………」と『モブ生徒』


「はぁ? 何言ってんの? 『サンシ先輩』は『少年院』から出ただけで別に『反社』じゃないって………」と『倉橋さん』



「あんたこそ何言ってんの? ここは『あんたらの知ってる世界』じゃないんだよ。あの『サンシ先輩』はマジで『抜き身の刀』みたいに危ない人だから………あんたもみればわかるでしょ、あれのどこが『話が通じそうな人』に見えるの?」と『モブ生徒』



 言われて改めて『サンシ先輩』をみると、彼は『ぐったり』している『難波先輩』を『けたぐり回し』ながら、


「ぎゃははははは! なんだよつぶれた蛙かよお前!? おらおら抵抗しないと死んじゃうよ~! お前俺を『殺人犯』にしたいのかよ~!? まあ俺には『親父』がいるから『警察』も全然怖くねーけどなぁ! ぎゃははははは!」と『サンシ先輩』



 この『サンシ先輩』が仮に『私たちが知っているサンシ先輩』だったとしても、こんなことをしてる状態の『サンシ先輩』に近づきたいと思う生徒は『黒百合丘学園』には一人もいないだろう。なので『倉橋さん』も『やばそう』と思って諦めて、



「………た、確かにマジでやばそう。こ、これは『難波先輩』には悪いけど、『ひむろん』でも呼んでみるしか………」と『倉橋さん』




 だがその時だった。いきなり『教室』に『ナマズの被り物をし手にダイナマイトを持った男』が入ってきたのである!




『ぴぎゃあああああああああああ!!! 全員しねぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!』と『ナマズ爆弾男』




 ボゴォオン!!!!



 途端に放り込まれる『ダイナマイト』! 凄まじい閃光&爆音とともに『爆裂』すると『サンシ先輩』と『難波先輩』!! 『倉橋さん』も『モブ生徒』も『大田原先生』も『姫川君』達も全員『吹き飛ばされ』、『姫川君』は『爆風』で飛んできた『机』に『バキャア!』と割られながら『教室の窓ガラス』に突っ込んでしまい、



(ぐあ!? ………あ、終わった………)



 そこで『意識』が途切れたという。だが意識が消える直前にあの『死会社さん』の声が聞こえてきたそうだ。



『………『倉橋さん』は『失格』! 次の挑戦者は『塩尻華さん』です! 幸運を祈ります! グッドラック!!』と『死会社』







 ………そして『姫川君』が『ハッ』と意識を取り戻すと、また『自分の席』に突っ伏して寝ていたことに気づいたという。もちろん周りを見渡すと『塩尻さん』や『朝倉君』などの見知った顔ばかりで『モブ生徒』も『サンシ先輩』も『大田原先生』もいなかったが、



「………あれ? 『倉橋』どこいった? なんでいないんだ??」と『朝倉君』



 なぜか『倉橋さん』だけはどこを探してもいなかった。その後すぐに『その場の全員』が集まって『会議』になり、



「………『渚』は『失格』になったってこと? そんで『次の挑戦者』って聞こえてきたけど………」と『塩尻さん』


「次はお前らしいじゃん『塩尻』。どうやらさっきの『ゲーム』らしいが………」と『朝倉君』



 その場の全員が『同じこと』を考えていたので一斉に口に出したという。




「「「「………これってもしかして『デスゲーム』ってやつなのか??」」」」と『全員』




 果たしてこれは『怪談』と呼んでいいのだろうか………? だが『姫川君』たちが体験した『難波先輩の心を取り戻すゲーム』はまだまだ終わらないのだった。次回へ続く。

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