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其の五十四…『昼休み怪談部事始め:人類を滅ぼそうとする宇宙人にも『人権』はありますか?:前編』

 唐突だが『読者の皆さま』に一つだけ『問いかけ』をさせていただきたい。その『問いかけ』とはずばり『怪奇現象って全部が全部怖いし危険なものだと思いますか?』である。



 ちなみに『怪奇現象』の『定義』は『現代科学で説明できないとされる奇妙で不思議な現象』のことだそうなので、必ずしも『怖くて危険な現象』は意味しない。だから上の『問いかけ』も『定義に厳密』に応えるなら『そんなことはない』となるかもしれない。



 一方で『人間』はやっぱりそんな『初めに言葉ありき』で生きてるわけじゃあない。例えば『自分の家にある日本人形が突然踊りだす』とか『だれもいない部屋から『お経』が聞こえてくる』とか『三階の窓を覗き込む人影が見えた』とかの『怪奇現象』が起こると『普通』は『怖い』と思うだろう。実際『私』こと『やっくん』もそういう現象を目の当りにしたら思わず逃げ出してしまうと断言することができる(笑)。




 そしてここで『話』がちょっと変わるが、ここに『氷室麗華さん』と『高宮柚葉さん』と言う二人の『女子』が『対談』をしている。『前者』は『本物の霊能者』で『後者』は『一般人』で、また『後者』は『怪談蒐集がライフワーク』の人だが『前者』は『その怪談蒐集は『危険』だから何としても辞めさせたい』と思っている。今回はそんな『二人の会話』とそれにまつわる『怪奇談』を紹介していきたい。




「『私』は『今日』改めて『昼休み怪談部』が『廃部になるべではない理由』を説明します! それはすなわち『怪異や霊能者』と『一般人』の『橋渡し役』が必要で、その『役』に『昼休み怪談部』ほど『適した部活動』は存在しないと思っているからです!!」と『ユズハさん』



 この言葉は『氷室さん』にとっては『全く予想外』だったらしく、


「…………『怪異と一般人の橋渡し役』?? なぜそんなものが必要なの? そんなもの『危険な怪異に人間を生贄として差し出しているだけ』じゃないかしら?? むしろ猶更『廃部』にすべきよ、『怪異側のスパイ』を『退魔師』が見逃す理由がないものね………」


 そう言いながら『氷室さん』の『目つき』がどんどん『鋭く』なっていく。どうやらこの時点で『ユズハさんが怪異に操られて都合のいいことを言わされているのかもしれない』と疑い始めているようだった。



 だが『ユズハさん』は『大げさなジェスチャー』で『全然違う!!』と手をばたつかせて、


「そうじゃないって! 例えば『霊能者』なんかは皆『普通の人には見えないものが見える』せいでいろいろと『辛い思い』をしてるんじゃないかな!? でもそんなの『霊能者』の皆が可哀そうじゃん! だから『霊能者』の人たちが『あるがままの姿で暮らせる場所』を作る必要があるんだよ! それを作るのが私たち『昼休み怪談部』ってわけ! そういう場所って絶対必要だと思わない? 『霊能者は社会に適応できなくても仕方ない』なんて絶対『理不尽』だよ!」と『ユズハさん』



 ここで彼女は咄嗟に『ひむろんだってそういう場所が欲しいって思ったことない?』と言おうとしてギリギリ『踏みとどまった』そうだ(そりゃあ失礼に聞こえるだろうから)。だが『氷室さん』は少し時間を置いてから『首肯』して、



「…………そうね。確かに『霊能者や退魔師のような『普通ではない人たち』が『ありのまま』の姿で暮らせる環境』があればそれは『素敵』なことだわ………だけれど、それと『一般人の怪談蒐集』がどうしても私の中では『つながらない』わね。『怪異とのかかわりあい』は『危険なもの』なのだから『橋渡し役』は『霊能者や除霊師』が行うべきで『何の知識も手段も持たない素人』が行うべきではないわよ(きっぱり)」



 まあ『除霊のプロ』ならそういうだろう。そして『ユズハさん』は押されまいと必死に抗弁する。



「そ、そうやってすぐ『怪異=危険』っていうけどさ! 必ずしもそうじゃないでしょ? 『怪奇現象』の中には『悪いことの前兆』とか『びっくりするだけで特に害はない』とか『幽霊が成仏を手伝ってほしかっただけ』とかそういうのもあるじゃん! だから『全ての怪異が危険』ってわけじゃないから『怪異=全部危険』ってのはおかしいよ! 『歴史上』に『一人』でも『日本人の殺人鬼』がいたら『全ての日本人が殺人鬼』にはならないでしょう!? 『殺人鬼』はその都度『逮捕』すればいいだけで、『無実の人』まで『排除』するのは『差別』だよ!」



「さ、差別………『怪異差別』だというつもり………???」と『氷室さん』



『本物の霊能者』はまたも『奇妙奇天烈』と言いたげな顔になって黙ってしまった。なるほど、最近は『差別』とか『偏見』にはいろいろと『厳しいご時世』だとは言うが、『妖怪や幽霊を差別してはいけません』とはさすがに聞いたことが無い。



 そしてここで『唐突』に『ユズハさん』が『リングノート』を引っ張り出してきた。そこには今まで『昼休み怪談部』に持ち込まれていた『怪談』の『メモ書き』が納められているのだが、その中から『自分の論を補強強化』するための『物語』を一つ引っ張りだしたのである。



「…………ちょっとここで『怪談』を一つ話すけど………あー、その前に一つ確認するけど『宇宙人』も『怪異』に数えていいよね? とりあえずこれは『宇宙人』に関係する『怪談』なんだけど、今から『数年前』、『洒落怖スレ』に投稿された『ある主婦を名乗る人物からの書き込み』の内容なんだけどね………」と『ユズハさん』




『洒落怖スレ』は『現代ホラー好き』なら知らない人はいないあの『日夜怪談が投降されている超有名掲示板』のことである。その『スレッド』に『ど田舎の主婦』と名乗る人物が『宇宙人を拾って育てた話』と言う題名で語ったものらしい。




 ………『某県某町』は『離島』一つが『町』を構成していて『人口』は『数百人』ほどらしい。そこに『夫』と二人で住んでた『ど田舎の主婦』と言う『投稿者』が今から『20年前』に住んでいる『島』の中央にある『山』に『隕石』が墜落したのを目撃したことがあったらしい。



『あ! 今の『隕石』じゃないか!?』と『夫』


『生れてはじめて『隕石』を見たわ………(唖然)』と『ど田舎の主婦』



 この『ど田舎の主婦』はその後すぐに『興味』失って『日常』に戻ろうとしたのだが、『夫』の方は『山』が気になって仕方なかったらしい。すぐに『家』を飛び出して『隕石が落ちた地点』に出かけてしまったそうだ。


『ちょっと見に行ってくる!』と『夫』


『えぇ!? 危険だって! ………もう! 本当に子供みたいな人なんだから!』と『主婦』



 ちなみにその時『多くの島民』が『野次馬』をしに『山』に繰り出していたそうだが、『夫』はそんな『他の島民』とは偶然だが誰とも出くわさず、『山』の中を一人で歩き回っていると『奇妙なもの』を見つけたそうである。




『………な、なんだこりゃ………? 『びくびく』してて気持ち悪ぃ………(唖然)』と『夫』




 それは『人間が『二人』入れるくらいの大きさの『巨大な心臓』』だったという。それがまるで『空』から落ちてきたかのように『木々』をなぎ倒していて『地面』にめり込んでおり、しかも『表面』が『びくびく』と『脈打って』いたそうだ。


 しかも『夫』の目の前でいきなり『表面』が『縦一文字』に割れ、中から『大量の赤い液体』が噴き出してきたのである。



 バガァ! ブシャアアア!!



『!? うわわわわわわわぁ!? 血!? マジで何なんだこれはぁ!?(混乱)』と『夫』




 その『赤い液体』はすぐに『流出が止まり』、それ以後は特に何かの動きはなかった。『夫』は『表面にできた割れ目』の中に『何か白いもの』が見えたので『恐る恐る』近づいて覗き込んでみると、そこには『薄い白い膜』に包まれていた『巨大な目』がこっちを見ていたのである。




『………!?』と『夫』




 そして『ギョッ』とした『夫』が『声』をあげるより先に『巨大な目』は『膜の内側』で『どろどろ』に溶けていき、『数秒』で『赤ん坊』に変化したのだ。




『………な、なん??『赤ちゃん』に『変身』した………??』と『夫』




 すると『白い膜』がひとりでに『とける』ようにして崩れていき、『赤ん坊』が『外気』に露出した。見ると『へその緒』のようなものはないが『新生児』にしかみえなかったらしい。だが『泣き声』はあげずただただ『穏やかな顔』で『眠っている』。




『………』と『夫』




 もちろん『巨大な心臓』の中から産まれてきた『赤ん坊』なんてどう考えても『普通』じゃない。しかも『赤ん坊』が間もなく『目を覚ました』のだが、その『両目』が『ライトグリーン』の『光』を放っていたのである。だがそれ以外は『人間の赤ん坊』にしか見えなかった。




『………に、『人間』じゃない………もしかしてさっきの『目』は『俺』を見て『擬態』したのか?? なぜそんなことを?? ………もしかして『宇宙人』なのか………???』と『夫』





 彼はそう考えて『こんな気持ち悪いものさっさと殺した方がいい』と思ったのだそうだ。だが近くにあった『謎の尖った破片』を拾い上げて『赤ん坊』を殺そうとして近づくと、当の『赤ん坊』が『ニコニコ』しながら自分に向かって『手』を伸ばすしぐさを見せた瞬間『憐れみ』を感じてしまったという。





(…………もしかしたら、もし『俺たち夫婦』に『子供』が生まれたらこんな感じで可愛かったのかな………いや『ライトグリーンの目』はあり得ないけど………)と『夫』





 実は彼と『ど田舎の主婦』の間には『子供』がおらず、長年『不妊治療』を夫婦で頑張っていたが『年齢的』に難しくなって『子供を諦めたばかり』だったらしい。そのため『夫』はどうしても『宇宙人(?)の子供』を殺すことができず、もちろん『捨てる』ことも不可能だったので『抱いて』そのまま家に連れ帰ったそうだ。




『………すまん『母さん』。『宇宙人の子供』を拾ってきたんだ………信じられないかもしれないが………』と『夫』


『え!? いったいどこの子供なの!? 『宇宙人』ってどういうこと!?』と『ど田舎の主婦』




『夫』が正直に自分が体験したことを話し、『ど田舎の主婦』も『赤ん坊のライトグリーンの瞳』を見てとりあえずは『信じた』のである。そして『二人』はその子を『自分の子供』として育てることにしたのだそうだ。


 ちなみにだが『巨大な心臓型の宇宙船』はなぜか『他の島民』たちが見つけることができなかったそうだ。理由はわからないが『ど田舎の主婦』と『夫』の『二人』しか『心臓』に近づくことができず、なのでその後『数年』かけて『夫』が『小屋』を建てて『心臓』をすっぽり『覆って』しまったそうである。その『DIY作業』もなぜか『他の島民』には気づかれなかったらしい。





『………この子は『親戚』から『養子』にむかえたことにしよう。名前はそうだな………『ミチル』でどうだ?』と『夫』


『『女の子』のようね………(確認した)…………『ミチル』っていい名前ね。それにしましょうか』と『主婦』





 そして『ど田舎の主婦とその夫』の『子育て』が始まったのであるが、知れば知るほど『赤ん坊』は『人間とはかけ離れた能力』を持っていたそうだ。まず『風邪や病気』の類には『一切』かからず、『ケガ』をしても『かすり傷』程度なら『一瞬』で『完治』してしまう。さらには『異常に反射神経が善かった』そうだ。『三歳』の時に自分に向かって飛んでくる『蜂』を捕まえて『両親』に見せてきたことすらあったという。





『ママみて~! ハチ~!』と『ミチル』


『わぁ!? 危ないわね~! 放してあげなさい! あ、でも『向こう』でね! 遠くに『ポイッ』してきて!(恐怖)』と『主婦』





 そんな風だったためか、『夫』は『ミチル』が寝静まるとは『奥さん』と二人で『子育て』について『毎晩』のように『議論』し、『以下の方針』を『夫婦』で『確認し合って』いたそうだ。



『………これはあくまで僕の『霊感』なんだが、『ミチル』はなんだか『人間より上位の地球外生命体』な気がするんだ………まだ『生まれつき優秀な子供』と言う感じだが、『成長』していくとそのうち『超人』になるんじゃないかと思ってる………だから『虫も殺せないくらいおとなしい子供』に育てるべきだと思うんだけどどうかな………? なんだか『やんちゃ』に育ててしまうとうっかり『良くないこと』をおこしそうで………(不安)』と『夫』


『………実は私も同じことを考えたのよあなた………そうね。『ミチル』が『だれかを怪我させたり』しないように、『宇宙人』だって気づかれないように『おとなしくて優しい子』に育てないとね………』と『主婦』




 そんな二人の『願い』は通じたのか、『ミチル』はすっかり『大人しくて気弱で臆病で『暴力』の『ぼ』の字も知らない女の子』に育ったという。だが逆に『大人しすぎた』ために『幼稚園』でも友達は少なく、『小学校』に入ると『いじめ』を受けるようになってしまったという。



 だがその『いじめ』は『殴られる』とかそういう『直接的』なものではなく、『靴を隠される』とか『プリントに足で踏んだ跡をつけられる』とか『教科書を盗まれる』とかそういう『陰湿』なものだったそうだ。なので『ミチル』はよく『両親』に泣きついていたそうだが、『両親』の方は『ミチルが復讐しようとする』ことの方を恐れてしまったという。




(……『いじめ』なんてかわいそうだけど、それでも耐えて『ミチル』………あなたは自分の『力』を知らないままでいられる方が大切なのよ………)と『主婦』


(『ミチル』の『力』が年々強まってるようだ………恐らく下手に『手を出す』と相手を殺してしまうかもしれない………そうなったら戻れない、『一人』でも殺したら戻れなくなるんだぞ『ミチル』………)と『夫』




 この話を書き込んでいた『ど田舎の主婦』は『今にして思えば『ミチル』を一番苦しめていたのは私たち夫婦だったと思う、きっと『毒親』といわれるんだろう』と『悔悟』したという。だが『当時の二人』は『小学校』くらいから『ミチル』が頻繁に行うようになった『奇行』のことで頭がいっぱいで『それどころではなかった』そうだ。




『………その『奇行』は『ミチル』が頻繁に『ボーッ』とした顔で『巨大な心臓』がある『山』の方を眺めるようになったことなんです。しかも『ミチル』は『山から変な声が聞こえる』とか言い出すようになって………もちろん『ミチル以外』には聞こえません。その『声』ってのがまた『不気味』で………』と『ど田舎の主婦』





『GBAAAGOOOO(謎の咆哮)………コロセ………コロセ………コロセ………』と『声』





『まるで地の底から響くような低い声』で『コロセ』と言う言葉を繰り返しているという。『ミチル』は常にその『声』を聴いているらしいが『まだよく意味が分かっていない』ようだった。なので『両親』に『何の声?』と聞くが、『ど田舎の主婦』も『夫』も毎回はぐらかして答えなかったらしい。



 この話は『次回』へ続く。


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