其の四十一…『昼休み怪談部事始め:『高宮冬瓜(かもり)』にまつわる話『その一』』』
今回は『其の三十九』の続きだけど、『語り部』は『やっくん』じゃなくてこの『私』こと『高宮柚葉』が務めることにする。なぜなら『今回の怪奇談』は『私自身が体験した話』だからだ。
「…………今回は『その喋り方』でいくわけね。なんかさ、前にも『ユズハが語り部』になってる『怪談』あったけどさ、なんか『口調』が安定してないし、すぐ『敬語』忘れるしで『文章の違和感』めっちゃ強かったよ」と『ナツメ』
「だ、だって『敬語』で通したら『やっくん』と『キャラ被り』になるんだも~ん! だから『自分スタイル』探そうと頑張ってたけど、『タメ口』で通すのは『印象悪いかな~』と思ったしで困ってたんだから~! ………でももういいもん! 『私』は『タメ口』で『キャラ』だすから! 『ナツメ』が『語り部』するときは『スタンプ』貼りまくって私と『差別化』してよね!」と『私』
「『なろう』の仕様で『スタンプ』は貼れないですよ(メタ)」と『やっくん』
………おっと、ごめんごめん。そんなことはどうでもいいね(笑)。それじゃあここからは『私』の『双子の妹』について語っていこっか。『あの子』がこの『昼休み怪談部』の『創立理由』であり、すべての『原因』。つまり『事始め』そのものの存在なんだ。
『私』こと『高宮柚葉』には『一分違いの双子の妹:高宮冬瓜』が『いた』。『冬瓜』と書いて『かもり』と読むんだけど、そもそも『かもり』が『冬瓜』を指す『金沢の方言』だからまあ『普通』には読めないよね。『私』の方はそのまますんなり読めるので大違いだ。
そして『かもり』は『顔かたち』こそ『私』とまさに『瓜二つ』だったんだけど、『中身』は『全く違う』子だった。『かもり』はいわゆる『神童』、『天才児』だったからだ。
『『かもり』ちゃんとっても『頭がいい』ですよ! 『うちの塾』でもあの子より頭いい子はいません! 『小学三年生』なのに『素因数分解』を憶えてしまうなんて………!』と『塾の先生』
『正直『かもり』ちゃんの扱いには困ってるんですよね………(笑)。どうやら『授業』が詰まらないらしくて『ユズハちゃんやほかの子』と『授業中』いつもふざけあってますし、それでも『かもり』ちゃんは『成績トップ』ですよ? でも『他の子たち』は『成績』が伸び悩んでしまっていまして………どうにか注意できませんかね(汗)? あの子『先生』の言うこと全然聞かない子ですし………』と『担任の先生』
『実は『福井』に『水泳』のすごい『コーチ』がいるんですよ。なので『私』が『紹介状』を書きましょうか? その人に『指導』してもらえば、きっと『かもり』ちゃんなら将来的に『水泳選手』になれますし、それどころか『オリンピック』にだって出れますよ! あの子は『才能の塊』です! 自分は正直『未来のメダリスト』だと確信しているんです! ぜひ『福井のコーチ』のところに行ってみてください!』と『水泳教室の先生』
こんな感じで『かもり』は『小学生』ながら『頭脳明晰』で『運動神経抜群』、そして『私』と『瓜二つ』な『顔立ち』と言うことから『容姿端麗』でもあったってわけ! ………だよね『やっくん』?(圧)…………でも『両親』の『かもり』に対する『評価』はちょっと違った。
いや、別に『パパとママ』は『かもり』を嫌ってたとかじゃないんだよ? ただ『戸惑っていた』というべきか………なぜかというと『かもり』は『物心ついたころ』からずっと『こんな話』をしてたからだ。
『………『私』は本当は『人間』じゃないんだよ。『お姉ちゃん』の『血肉』を『半分』奪って『肉体』を獲得した『化け物』なんだよ。だから『パパとママとお姉ちゃん』とは『種族』が違うんだ………(ニヤニヤ)』と『かもり』
この子は自分のことを『人間ではなく化け物だ』と口癖のように言っていた。『『天才』に見えるのはそもそも『人間』より『高次の存在』だから。『四本足』から見た『二本足』が『大きく』見えるのは当たり前ってだけだよ。だから別に嬉しくとも何ともない』とかなんとか。『両親』は別に『かもりの話』を信じてたわけじゃないだろうけど、『私』がまだ『舌ったらず』で『長い文章』を喋れなかった時代に『かもり』が『上記』の話を喋ってたら、『ちょっと変な子だなぁ』くらいは思っちゃうだろうね。
『………本当に『ユズハ』と違って『かもり』はなんでもできるな………まさか自分で『プログラム』を組んで『ゲーム』まで作るなんて………』とパパ。
『ええ、『かもり』は『幼稚園』の時には『ユズハ』の『子守り』までしてたもの………確かに『天才』だけど………』とママ。
『………なんだろうなぁ………なんであんな『厭らしい笑い方』をするんだろうなぁ………自分の娘のはずなのに『薄気味悪い』よ…………』とパパ。
『ちょっとパパ! あんまりよその言い方は!』
『そんなこと言ってるママだって、『『かもり』は物分かりが良すぎて『子供の姿をしたお婆ちゃんみたい』』とか前言ってたじゃないか………』
『そ、そんなことは………』
それでも『両親』や『他の人たち』が見る『かもり』は『時たま変なことを言う天才児』くらいでしかなかったと思う。
だけど『寝室』を『かもり』と『共有』していた『私』は知っていた。何歳のころからかわからないけど、『かもり』は『真夜中』になると人知れず『起き上がって』から『部屋』を出て『一階』に降りて──あ、『私たちの寝室』は二階にあるんです──そこで『何か』をしていることを。
『両親』は『かもり』が『真夜中の一階』で『何か騒がしいこと』をしていることに全然気づいてなかった。でも『私』だけは気づいていて『何をしているのか』気になってしょうがなかった。だから『ある夜』寝たふりをして『深夜』になるのを待って、『かもり』が『部屋』を出て行ったのを確認してから『私』も布団から起き上がろうとしたんだ。
『(音立てないようにおいかけないと)…………ッ!?』と『私』
でも『私』は起き上がれなかった。なぜなら『金縛り』が起こって『布団』から出ることができなかったからだ。
(な、なんで!? 動けない………)と『私』
結局その夜は『かもり』が部屋に戻ってくるまで『私』は微動だにできなかった。そして『かもり』は『部屋』に入ると『布団の中でプルプル震えている私』を見てから近づいてきて『耳元』でささやいた。
『………へぇ。まさか『お姉ちゃん』は『気づく』とはね………。やっぱり『血肉を分け合った』せいかな? なら仕方ない、今から『お姉ちゃん』には『本当の私』を見せてあげるよ………』と『かもり』
そういうなり『かもり』は『私』の『枕元』に座り、口から『青い炎』を吐き出したのだ。
ボォゥッ!
『!?』と『私』
その『青い炎』は『かもり』が『手で空気を捏ねるような動作』をすると、それに合わせて『空中』で勝手に丸まって『青い火の玉』に変わった。さらに『かもり』は『青い炎』を追加で吐いて『青い火の玉』を『二つ』生み出し、『合計三つ』の『青い火の玉』で『お手玉』を始めたのだ。
『………ケケケケ、この『鬼火』は『普通の炎』じゃもちろんないよ? 触るとわかるけど『氷みたいに冷たい』んだよ。でも『紙』を近づけると不思議なことに『燃やす』ことができるんだ。でもその『燃えてる紙』を触ると『火傷』しないかわりに『凍傷』になるけどね………実はこの『鬼火』に関しては『江戸時代』に『ちょっとした怪談』があるんだよ。聞きたい………?』と『かもり』
そこで『かもり』が語ったのはこんな話だった。『江戸』に住んでたある『若い男』は『仲間内』では『豪胆な男』だと言われていた。なので彼は『自分の豪胆さアピール』に熱心で、ある時思い付きで『肝試し』をすることにしたらしい。
『聞いたかい? 近くの『墓場』に『鬼火』が出るって話だ。ちょっと見物しに行こうぜ!』と『若い男』
すると案の定『墓場』に『鬼火』が現れた。『仲間たち』は『ひゃー! 怖ぇ!』と慌てたが、『若い男』だけは『キセル』を取り出すと『鬼火』に近づいて、
『どいつもこいつも肝がちいせぇな! 俺なんて全然怖くねーから『こんなこと』だってできるぜ!』
そういうなり『鬼火』で『キセル』に火をつけて『一服』して見せたらしい。その様を見た『仲間たち』が『とんでもねぇ度胸だぜ!』と称賛し、『若い男』はすっかり『江戸市中』で『有名人』になったそうだ。
そこまでの話を『お手玉』をつづけながら『かもり』が話してから、
『………だけどね『お姉ちゃん』。その『若い男』は『鬼火』を『吸って』からだんだん『顔色』が悪くなっていってね。しばらくすると『病気』になっちゃったんだ。それでまるで『骨と皮』みたいになって『死んじゃった』んだ………『江戸の古老』はこの話を聞いて『怪しい物を吸ったりするからだ。馬鹿なことをした』と言ったそうだね………古来から『鬼火』ってのは『普通の炎』じゃないから触るのも危ないんだよ。でも『私』は大丈夫、だって『人間』じゃないからね………』と『かもり』
イヨーッ! ドン!
そういうなり『かもり』の『口』がどんどん『裂けて』いき、あっという間に『口』が『両耳のすぐ近く』まで広がったんだ。つまりは『口裂け女』みたいにいなり、しかも『鋸みたいな歯』まででてきたわけ。『かもり』の『青く輝く目』を見たら『普通の人』なら『気絶』したかもしれない………、
………でも私は『かもりの目』をみて、『綺麗』って思ったんだよね。
『………キラキラして綺麗………それにその口どうなってるの? もともとそんなに大きかったっけ? なんか『ワニ』みたいで格好いい………』と『私』
『かもり』がそこで『ガクッ』と肩を落としてから、
『………何その反応(困惑)。普通『こんな怖い顔』みたら『気絶』するよね? それが『綺麗』とか『ワニみたいで格好いい』とか『何』なん? 『女の子』は『ワニ』に例えられても全然うれしくないわけ、『大人のお姉さん』は『ワニ革』はすきだろうけどね(へっ)』と『かもり』
そこで『私』は『金縛り』が解けていることに気づいて起き上がり、『かもり』の顔を『ペタペタ』触りながら、
『本当にこの『口』どうなってるの!? 『手品』なら『種明かし』してよ!』
『ちょ! 触んないでよ危ないから! 牙当たるし『お手玉中』だって! ………はぁ、調子狂うよ『お姉ちゃん』はさ。『私たち』は『怖がられてなんぼ』なんだけどな~』と『かもり』
その『夜』から『かもり』は色々なことを『私』に話してくれるようになった。『私』が知ってる『かもり』の話は『この時期』になってから教わったことだ。
『『かもり』は本当の本当に『人間』じゃないの?』と『私』
『うん、そうだよ。『私』は本当は『人間』が『化け物』って呼んでる存在で………でもなんだろうなぁ、『名前』とかはないんだよね。だから『化け物』としかいえないんだけど………『私たちの種族』では『大人』になるために『転生』する必要があるんだけど………あー、『脱皮』とか『羽化』とか言った方が近いかな? とにかく『古い子供の体を捨てて新しい大人の体に入れ替える』ってのをやるの。それが今の『私』』と『かもり』
『?? じゃあ『かもり』は『大人』なの??』
『うん、まあ………そういっていいかな? 本当は『ちょっと違う』んだけどね。『私たちの種族』に『子供と大人』なんて区別は本来ないから………まあそれはいいや。それで『私の種族』では大昔から『大人』になるためには『人間の体』が必要なんだ。大抵は『流産や死産してしまっている子供』の体に入り込んだり、あるいは『本当は一人で産まれる予定の胎児』を『双子』にして、その『片方の肉体』を貰ったりする………『お姉ちゃん』と『私』は『後者』の方だよ』と『かもり』
『『校舎』??』
『そう『後者』ね。本当は『お姉ちゃん』は『一人』で産まれるはずだったんだよ。でも『お姉ちゃん』がまだ『一個の受精卵』だったときにさ、前から『めぼし』をつけてた『私』がこう、『爪』でね………』
『かもり』はそういうと『鎌みたいに長い人差し指の爪』を見せた。でも普段の『かもり』の『爪』は『私と同じで普通』である。もうこの時点で『私』は慣れてしまっていて気にしなかった。
『………『受精卵だったお姉ちゃん』を『真っ二つ』にしたんだ。『人間の体』って不思議なものだね? 『受精卵』が『二つ』に割れると『二つの受精卵』になって別々に『成長』し始めるんだからさ。そして『私』は『片方の受精卵』を貰って、『私』が『選ばなかった方』が『お姉ちゃん』になったんだよ………こういうと不思議な気分だね? もしあの時『私』が『もう片方の受精卵』を選んでいたら『お姉ちゃん』は『遺伝子が同じだけの別人』になってたわけだからさ………ケケケケ』と『かもり』
『『校舎』と何の関係が?? ……まあ、なんかよくわかんないけど、すごいね~』と『私』
『その反応は本当によくわかってないみたいだね(呆れ)』と『かもり』
『かもり』は自分の『正体』を『私』にだけしか見せなかったし教えもしなかった。だから『私たち双子』は『二人だけの秘密を共有』する関係であり、『家族』よりもずっと『強いきずなで結ばれていた』と、少なくとも『私』は思っている。だって『両親』とは『血のつながり』があるだけでど、『かもり』とは『秘密』だけじゃなくて文字通り『身体を半分こしあった仲』なんだから。
でもそんな『かもり』はもう『私』のそばにはいない。だからこそ『私』は『昼休み怪談部』を立ち上げたのだ。なんとしても『行方不明の妹』を探し出すために。そのためにはどうしても『怪談蒐集』が必要なんだから。
『………『11歳』だよ『お姉ちゃん』。『私』は『11歳』になると『旅立たないといけない』んだ。それが『私たちの種族』の『掟』だから………だからもう『二度と』会うことはないよ………よかったね、これで金輪際こんな『できすぎる妹』のせいで『両親』から比べられることも無くなるからね………』と『かもり』
その『かもり』が『行方不明』になった『経緯』はまた『次』に持ち越させていただきたい。それではそっちもよろしくお願いしま~す!




