其の三十一…『昼休み怪談部事始め:『弟子入り』と『ショウ肉』の話』
『ホラー作品』の世界では『霊能者』は『怖ろしい魔物から『私たち』を助けてくれる『ヒーロー』』であり、そして『昼休み怪談部』と関係の深い『加賀国堰守衆の一人:氷室麗華さん』もまさしく『ヒーロー』と呼ぶにふさわしい人だと思う。『彼女』は『報酬』も『名誉』も求めず、ただひたすら『怪異』と『夜闇の世界』で『死闘』を繰り広げ、そのことに対して何一つ『愚痴』もこぼさない。
『私』が『所属』する『昼休み怪談部』は『怪談蒐集を行う』という活動の性質上、どうしても『怪奇現象』と遭遇する事例が多く、そのたびに『氷室麗華さん』から『助言』をうけたり、あるいは『お祓い』してもらったりしてきたのだ。本当にただただ『頭が下がる』ばかりである。
「…………そんな『大恩人』が『怪談蒐集やめなさい』って『善意』から『警告』してくれてるのに対して、『昼休み怪談部』は『それでも続けさせてください』と『説得』しないといけないわけよ。『ユズハ』も『八潮』もそのことは『オッケー』ね? まずはそこが『オッケー』にならないと『何も始まらわないわけ』よ。そこを『理解』したうえで、『どうやって『昼休み怪談部の活動』を『正当化』するか』を考えないといけない………さぁ『二人』は何でもいいから『案』だしてよ」と『ナツメちゃん』
ここは彼女の言葉通り『昼休み怪談部の部室』で、『部長』である『ユズハさん』と『副部長兼会計』である『私』が『椅子』に座っている。一方『ホワイトボード』の前に立ち『議長』を務めている『ナツメちゃん』は実は『部員』ですらない『部外者』だった。なので『ユズハさん』が申し訳なさそうに、
「…………『ナツメ』、さっきは本当にありがとう。正直本気で『廃部します』って約束するところだったよ………ううん、本当のところは今でも『廃部するべき』だと思ってるんだよね………だって『ひむろん』にこれ以上『迷惑』はかけられないし………(しゅん)」
「本当は『氷室さんを追い払ってくれたことに感謝する』こと自体が『氷室さん』に申し訳ないですけど………それでも『良かれ』と思ってそうしてくれた『ナツメちゃん』には『ありがとう』って言いたいです………」と『私』
『部員二人』は完全に『意気消沈』しているが、一方なぜか『ナツメちゃん』は『意気軒昂』していて、
「『二人』とも『情けない』! マジで『情けない』!! だからさっきも言ったけどここで『やめる』ってことは『私たちは頭空っぽの馬鹿です!』って認めることと同じになるんだって! 『そんな終わり方』マジで『あたし』は『赦さない』から! 『あたし』の言ってること理解してる!? ここで『怪談蒐集を正当化』すんの! そうすれば『二人』も『バカ二人』じゃなくて『ちゃんと考えがあってリスクを背負っていた二人』ってことになるじゃんか!」
こういう時に『ビシッ』と『一番前』を走って『皆を引っ張っていく気の強さ』こそが『ナツメちゃん』の『魅力』だと『私』は思う(素直に)。さらに彼女は続けて、
「…………それじゃあ『二人』は『映画』でも『ドラマ』でも『漫画』でも『アニメ』でも『小説』でもなんでもいいけどさ、『何の力もないど素人』が『怪奇現象に関わろうとすることを正当化』してて、しかも『霊能者』を『説得』できた『シチュエーション』って知らない? もしそういう『教科書』があれば『ひむろん』の『説得』の『参考』にできると思うんだけど」
『私』も『ユズハさん』も『速答』して、
「そういうのは知らない………『助けようとしてくれた霊能者が全員死んだから仕方なく素人が戦う』って展開なら知ってる(汗)」と『ユズハさん』
「僕も『霊能者から助言を受けた素人が除霊する』って展開しか知らないです………」と『私』
「『あたし』も知らないしなぁ………はい! じゃあすぐに『頭』を切り替えて! 『あたしたち』の『オリジナル』で『ひむろんを説得できる話術』を考えるよ!!」と『ナツメちゃん』
『ユズハさん』は『うーん』と眉毛をしかめてうなっていたが、『私』の方は怪訝な顔になって、
「えっと………いや、『僕自身』がこんなこと言うのもおかしいけど、『僕たちのやってること』を『正当化する』ってそもそもからして『不可能』じゃない?? 例えば『心霊スポットに侵入する行為』ってどうやって『正当化』できるの?? どこをどう頑張っても『犯罪行為』だし、仮に『心霊スポットが私有地じゃない場合』でも大抵は『老朽化してて立ち入り禁止になってる場所』とかだから『危険行為』には変わらないし………絶対『無理やりな屁理屈』にしかならないと思うけど………(汗)」
まあ『古くてボロボロな場所』だからこそ『雰囲気がある』わけだからと『私』は思ったが、『ナツメちゃん』はすぐさま『切り返して』来た。
「それは違うじゃない? じゃあ『ひむろん』はどうなの? 『霊能者』が『除霊』のために『心霊スポット』に入るのは少なくとも『間違い』ではなくない? まあ確かに『私有地』なのに『所有者』に許可取ってないとかは『よろしくない』だろけどさ。でもそれは『赦されること』になるんじゃない??」
「いやだって『氷室さん』は『プロの退魔師』でしょ? 『僕たちみたいな素人』とは全然違うじゃん(ツッコミ)」と『私』
「でも『ひむろん』自身が『霊能者は普通の人たち』ていってたじゃん。『その部分』から『突破』できない??」と『ナツメちゃん』
「いやいやいや、『専門教育を受けた』って『本人』が言ってたじゃん。『専門教育の有無』は大きいよ、それを否定したら『世の中のすべての資格』が『無意味』になるじゃんか」と『私』
「えぇ? そもそも『堰守衆』って『国家資格』なの?? 『ひむろんの実家』の人らが勝手にいってるだけじゃね?」
『私』が『ネット』で調べた範囲だと『資格』には『国家が認定する『国家資格』』と『自治体が認定する『公的資格』』と『企業が認定する『民間資格』』があるらしい。そして『後』で分かったことだが『堰守衆』には『資格』とかそういうものは『無い』そうだ………つまり本当に『氷室さんの実家が勝手に言ってるだけ』なのだそうだが、かといってそれが『氷室さんの力』を疑う理由にはならない(重要)。
なので『私』は言う。
「『堰守衆』が『資格』なのかどうかは知らないけど、『僕』が一番気にしてるのは『氷室さんに迷惑がかかる』ってところだよ──いや、『今更自覚するのかよ』とか言われたら全く『反論』はできないんだけど(汗)──だからやっぱり『正当化』は無理だし、そもそも『氷室さんの負担になる』ことを理解していながら『正当化』すること自体が『アウト』だと思う。あまりに『申し訳なさすぎる』から………」
「んなこと言ってたら『廃部』することになるじゃんか! 『あたし』は『本当にそれでいいの?』って言ってんの! 良いわけないでしょうが!! もし『ひむろんを説得』できればそれに越したことはないじゃん! 違うって言うの!?(怒)」と『ナツメちゃん』
「いや、でも『正当化』しようが何しようが『氷室さんの負担』は変わらないし………」
「………(閃いた)…………! だったら『弟子入り』すればよくね??」と『ナツメちゃん』
これは『咄嗟の思いつき』だったそうだが、途端に『ユズハさん』も『目を輝かせ』て、
「…………そうじゃん! 『ひむろんの負担軽減』なら『私自身』が『堰守』だっけ? 『除霊師』になればいいじゃん! 明日『ひむろん』がまた来るって言ってたよね!? そん時に『弟子入り』したいって『頼んで』みようよ! 『やっくん』も『弟子入り』してくれるよね!? 『ナツメ』と『三人』で『修行』すればそれで『解決』だよ! な~んだ大したことないじゃん! なんで思いつかなかったんだろう~♪」
「え、『僕』と『ユズハさん』はわかるとしても『ナツメちゃん』も『弟子入り』する理由なくないですか??」と『私』
「別にいいじゃん『あたし』がいても。なに? それとも『あたし』と『一緒に修行』するのが『嫌』ってわけ??」と『ナツメちゃん』
「いや、だって『危険な業界』らしいし普通に『心配』ってだけで………」
「…………………『自分の彼女』を心配しなさいよ(そっぽ向く)」
「『ナツメ』ってちょっと『単純』すぎない?」と『ユズハさん』
「な!? ち、違うから!!(焦)」
………と、そんな話を『三人』でしてるところに『塩尻さん』と『倉橋さん』という『ユズハさんとナツメちゃんの女友達二名』が入ってきた。
「オッスオッス!←(最近女子がよく使ってるけど流行ってるの??)今日も『怪談持ち込み』に来たぜ~………ってどしたの? なんか『会議』でもしてた??」と『塩尻さん』
「ん~? 『ひむろんを説得する方法』~? なんかあったの??」と『倉橋さん』
この時『ホワイトボード』には『ナツメちゃんの字』で『ひむろん説得する方法』と書かれていたので………(だが『案』がないのでその文字しかなかったが)………すぐに『ナツメちゃん』が『かくかくしかじか』と説明した。
「…………って感じ。『あたし』は『ユズハ』の『みんなで弟子入り大作戦』が『最善』だと思ってる。どうせなら『華(塩尻さん)』と『渚(倉橋さん)』も一緒に『弟子入り』する?w」と『ナツメちゃん』
「みんなでやったら『楽しそう』じゃんね。もっと他の『友達』も誘ったらよくない???(目キラキラ)」と『ユズハさん』
(こんなに『ノリ』が軽くていいのだろうか………?)と『私(苦笑)』
「へ~! 『ひむろん』が『廃部』をねぇ! 確かに『滅茶苦茶忙しそう』だから『迷惑』はかけちゃいけないと思うよ『華ちゃん』はね(ウィンク)。でも『弟子入り』は『名案』じゃね?」と『塩尻さん』
「『弟子入り』か~。確かに『ひむろんの実家に弟子入り』すれば『恩返し』もできて『良さげ』だけど………でも案外『拒否』されるかもしれないね。『ひむろん』は『ホラー・妖怪好きの人』の『弟子入り』には基本的に『反対』みたいだからさ」と『倉橋さん』
「そうなの?? なんで??」と『ナツメちゃん』
「やっぱり『怪奇現象起これ!』って思ってるやつは『破滅願望』持ってるからってこと??」と『ユズハさん』
「そう言えるかもしれないし、そういえないかもしれない。これは『私』の『(男)友達』から聞いた話なんだけど………『ユズハ』と『ナツメ』と『華』、あと『やっくん』も『ショウ肉』って『妖怪』きいたことある?」と『倉橋さん』
どうやら『怪談語り』が始まったようだ。『私』と『ナツメちゃん』が『異口同音』で『焼肉?』と聞くと『倉橋さん』が『妖怪って言ったじゃん!』と笑った。『塩尻さん』も『知らな~い』だが、『ユズハさん』だけは違って、
「それって『食べると不老不死になれるっていう変な肉の塊』のことでしょう? なんかもともと『中国の伝承』だったらしいけど、『その時代時代の一番偉い人の前』に必ず現れるらしいね」
「「「『食べると不老不死になれる肉ぅ』? それについての『怪談』ってこと??」」」と『私たち』
「そうそう。『ちょっと前』のことらしいけど、『磐田』って『男子』が『友達二人』と一緒に『ひむろん』に『弟子入り』したことがあったらしいんだよね。そんで『せきもりしゅう』だっけ? そこの『道場(?)』に通って『三か月ほど修行体験』したそうだよ………」と『倉橋さん』
本当かどうかわからないが『氷室さんの実家』である『堰守衆』は『白山連邦』の『どこか』に『修行のための施設』を運営しているらしく、『磐田』と言う男子たちは『そこ』で『半年間修行体験コース』なるものを『受講』したらしい。『氷室さん』の言う通り『堰守衆』は『深刻な人材不足』であるため『初心者でも安心できるように』と色々『工夫』してるらしい。つまりは『インターンシップ』みたいなものである(笑)。
『………色々と『親切』に教えてくれるのはありがてーんだけどよ『ひむろん』、なんかすっげー『拍子抜け』なんだけど(困惑)』と『磐田君』
『『偏見』があるようだけど『堰守衆』は『昔』から『初心者大歓迎』よ。恐らく『三か月』ほど『修行』すれば『怪異』に遭遇しても『半狂乱になって逃げださない』程度に『度胸』がつくでしょうね』と『氷室さん』
『………その『修行』ってもしかして『堰守衆が使役してる『式神』みたいなやつに『脅かされ続ける』』とかそういうのか??』
『『式神』は『陰陽道』よ。うちは『陰陽師』じゃないわ』
『なんだ~残念 (がっかり)』
『………脅かされたかったの??(当惑)』
この『修行体験』は『企業秘密』らしいので教えられないらしい。だが『磐田君』は『式神』を見ることはできなくても『それに近い存在』は見ることができたので結構『大満足』だったらしい(どうしても見たかったとか)。その後『四か月目』からは『実践訓練』ということで『氷室さん』と一緒に『妖怪退治』に赴いたそうだ。
そしてその『妖怪』こそが『ショウ肉』だったのである。『石川県庁』に突然現れたこの『妖怪』について『氷室さん』は『磐田君』に『以下のような説明』をしたそうだ。
『『ショウ』は『その時代時代の権力の『頂点』にたった人物の前』に『忽然と現れる』という『食べると『不老不死』になれるという不思議な肉』よ。大抵は『小さい人間』のような形をしていて、大抵この『ショウ肉』を発見した人たちは『ショウ肉に関する伝説』を知らないまま『放置』したり『廃棄』したりしてしまい、後で『物知りの古老』から『食べたら不老不死になれたのに!』と『悔しがられる』という『お決まりのパターン』があるわね………』と『氷室さん』
そう『説明』する彼女の前にはその『ショウ肉』がおかれていた。『磐田君』の目にはそれは『確かに『ずんぐりむっくりの人間』のような形をした新鮮な肉の塊』に見えたという。『顔』とかそういうものは一切ないが『腕』に見えるような『突起部分』が『左右』から生えており、そのうち『右の突起』はあかたも『天井を指さしている』ように見えたとか。『磐田君』曰く『『わが生涯に一片の悔い無し』とか言い出しそう』とのこと。
つまりはその『ショウ肉』が『石川県庁』の『最上階』にある『廊下』に置かれていたのである。その周りをこの時『氷室さん』と『磐田君』とその他『堰守衆』の『姉兄弟子たち』、そして『県職員』が囲んでいたらしい。
『………あの~いったいこの『変な肉』は誰が置いたかわかりますか?』と『磐田君』
『い、いえ、職員がいつも通り『出勤』してきたら『いつの間にか』置かれていたんです………今は『総理』も『来庁』しているので『警備問題』になってるんですよ………ああ、このことは『内密』にお願いしますね………』と職員さん。
この時『磐田君』たちは『堰守衆の服』を着ていたので『丁寧』に対応されたらしい。そして『時節』はまさに『能登震災』の『直後』で『石川県庁』に『総理大臣と閣僚一同』が滞在していた期間だったわけである。『磐田君』はそこで『氷室さん』に向かって、
『………『その時代の権力の頂点に立った人物の前に現れる』って言ってたけど、まさかそれが『総理大臣』ってことかよ?w』
『『ショウ肉』は『聖徳太子』の時代に現れたのを『初め』とし、『源頼朝』や『足利尊氏』、さらには『織田信長』に『豊臣秀吉』に『徳川家康』の『三英傑』の元にも現れてるわ。でもそれらの『天下人』より『今の総理大臣』のほうがはるかに『強い権力』を持ってるわよ。だって『日本全国』を『完全に掌握』できてる上に『江戸時代以前』より『領土』も広がってるもの』と『氷室さん』
『いやおれ『歴史』わかんねーんだよ(困惑)。でも結局『偉人』は誰も『ショウ肉』を食べなかったわけか………なぁ『ひむろん』、俺『一口』食べていいか?』と『磐田君』
当然だが周りにいた『堰守衆』の『兄・姉弟子』たちが一斉に反対した。
『おいおい、お前正気か? あんな『キモイ肉』何で食いたいって思うだよ』と兄弟子。
『地面に落っこちてる上に『何の動物の肉』かもわかんないのよ? 『毒』でもはいってたらどうすんの?』と姉弟子。
あまりにもあまりな『ド正論』である(笑)。それが『普通の反応』なのだが『磐田君』は違った。
『え~? でも『ショウ肉』って『有名な肉』なうえに『不老不死』になれるんでしょ!? べつに『不老不死』になりてぇわけでもねーけどこういう『不思議』には『興味』あるじゃないすか? なんで『試してみてー』って思わねーんすか?? 面白そうじゃん!』と『磐田君』
『『いやいやいや! 仮にこれが『ショウ肉』だとしても食べるなよ! 『歴史上誰も食べてない』んだぞ! 本当に『不老不死』になれるかもわかんないだから絶対食べるなって!!』』と兄姉弟子たち。
だが『止められて』も『磐田君』は『怪異に対する好奇心』を止めることができず『諦めなかった』。『氷室さん』たちが『ショウ肉』を『エレベーター』で『運び出している最中』に『一瞬の隙』を突いて『磐田君』が『肉』をちぎり取って『口』に放り込んだのだ。
『『ああ!? バカ食うな! こら飲み込むなって………吐かせるんだ! すぐに吐かせればまだ間に合う!!』」』と皆。
『むぐぐ! くっそー! やってられっかよー!(脱兎)』と『磐田君』
不思議なことに『エレベーター』から飛びだして『県庁の玄関』を通り抜けて逃げる『磐田君』は『とんでもない俊足』で、あっという間に『堰守衆』を引き離して『姿をくらまして』しまったのだ。しかもその『ドタバタ』の合間に『ショウ肉』の方も『煙のように姿を消して』おり、『氷室さん』は『後悔』して『独白』したそうだ。
『………『ショウ肉の伝承』通り『いつの間にか姿を消した』わね………『磐田君』を参加させた『私』が『バカ』だったわ………いくら『人間は多いに越したことはない』とは言っても、『興味本位』で『弟子入り』する人はちゃんと『弾かないと』ダメね………(溜息)』と『氷室さん』
『『お嬢』、そうはいっても『私たちの人手不足』はもう『待ったなし』の状態です。この前に『100人』も死んだんですから、今更『人材』を選んでる余裕も我々にはないですよ………』と姉弟子。
『『お嬢』は落ち込まないでください。こういうことは『良くあること』です。まだ『弟子入り希望者のふりをした『化け物』』とかじゃなかったのでよかったじゃないですか………』と兄弟子。
………と、ここでこの話は『終わり』………と言うわけではない。どうやら『一か月』ほど経ったあと『氷室さん』のもとに『磐田君』から『メール』が届いたのだそうだ。
『ひむろんへ。あの時はマジですまない。ついつい『好奇心』に負けて『仕事の邪魔』しちまって悪かったな。でも実は今俺『全日本疾病研究センター』ってところにいるんだ。俺の『不老不死の体』を『研究』して将来的に『不老不死の薬』を作る研究に協力してるんだぜ! すげぇだろ!? 『俺の体』が今『国家機密』になってるから会いにはいけねーし『返信』もできねーけど、いずれは『直接会って』謝らせてくれ! じゃあ元気でな!』
ここで『倉橋さん』が話を終えて、
「…………もちろん『磐田』は今も『行方不明』ね。そんで『ひむろん』は『磐田から送られてきたメール』を『偽物が送ってきてる』って思ってるそうだよ。そんで多分『これ』のせいで『弟子入りの基準』が『厳しくなってる』可能性大だね、実際に『本人』がそれっぽいこと言ってたし。あ、この話は『磐田』と一緒に『弟子入り』した『友達』が『ひむろん』から聞かされた話ね(登場はしてないけど)」
「え~! じゃあ『私』は『拒否』されるかもしれないってこと~!」と『ユズハさん』
「そうなると別の『作戦』が必要ですかね………それとも『ダメ元』で聞いてみます?」と『私』
「ねぇ、その『全日本疾病研究センター』って実在する場所なの??」と『ナツメちゃん』
「ううん、『国立健康危機管理研究機構(CDC)』ってのはあるけど、『磐田』が言ってた組織は存在しないってさ」と『倉橋さん』
「『ひむろんの説得』ねぇ………ちょっと『私』は力にはなれそうにないけど、『向いてる人』は呼べるよ。呼んだげようか?」と『塩尻さん』
『作戦会議』はまだ続く。




