2話
「ん、ここは?俺、何してたっけ?」
記憶があいまいだが、俺は今ベッドの上で寝ている。
一度何があったか思い返してみよう。
確か、学校から帰ってきて疲れていたのでそのままベッドに飛び込んだはずだ。そして少し寝すぎてしまってご飯を作ろうとしたら知らない女の人が。って!
「誰やねんあいつ!」
ガチャ
「あ!起きたんだまさ君!」
「うん。今起きたところ。・・・じゃなくて!あんた誰!?」
「まさ君、私がわからないの?」
「いや、本当にあんた誰。ってちょっと待てよ。あんた俺のことまさって」
そう。俺のことをまさと呼ぶやつを俺は知っている。だがそいつがここにいるはずがないのだ。なぜならそいつは中学生になるころにそいつは引っ越していってしまった。俺には幼馴染はいないといったが実は俺には幼馴染がいた。そいつはまあ幼稚園のころからの腐れ縁で小学校までずっと2人でいた。家が近かったこともあり、よくご飯を食べに行ったり泊りにいったりとなかなかに仲が良かった。そのためそいつが引っ越しをすると分かったときは俺は結構泣いた。だが、さすがに4,5年もたてばもう立ち直って今になってはもう忘れていたくらいだ。だが、まさと呼んでいたのはこいつだけだった。このことから察するにこいつは俺の幼馴染の、
「お前、もしかして麻衣か?」
「そうだよ!思い出してくれた?でもしょうがないよね。ものすごくひさしぶりだから。でも少し悲しかったな、私はまさ君と離れ離れになってもずっとずっとずっとまさ君のことを考えていたのにな~。」
「お、おう。すまんな」
なんかよくわからないけど俺がこいつのことを忘れていたってことは絶対に言わない方がよさそうだな。いや、しかしこいつ本当に麻衣なのか。こいつは押山麻衣。俺の幼馴染で間違えないんだろう。だがあんまり覚えていないけど昔と雰囲気が全然違うから全然気付かなかったぞ。ちなみに今のこいつはなんていうか、普通に可愛い。だが俺の知る麻衣はもっと地味な感じだったような感じがする。
「それにしてもお前昔と雰囲気なんか変わったか?」
「ん、そうかな?でもまさ君に会うまでに色々努力はしたよ。」
「そうなのか。て、忘れるところだったわ!なんでお前がここにいるんだよ!?」
「そういえばまだいってなかった?私、今日からここに住むんだよ。」
「ん?ちょっと待て。ここって俺の家だよな?」
「うん。そうだよ?今日からまさ君は私と一緒にこの家で暮らすんだよ。」
「いやいや!どうしてそうなるんだよ!」
「まさ君聞いてないの?。私がこの町に帰るって伝えたらまさ君の親が、あの子1人だとまだ心配だからまさの家に住まないかって言ってくれたんだよ。」
「あの馬鹿ども何言ってくれとんねん!」
「まさ君どうしたの?もしかして私と一緒に暮らすの嫌?私はずっと楽しみにしてたのに。ねぇまさ君どうなの?」
やばいやばいやばい!なんかよくわからないけどこいつ雰囲気が急に変わりやがった!なんか負のオーラみたいなの出してやがる。これ言葉間違えたら死ぬやつだ。慎重に本当に慎重にいこう。
「い、いやいや、嫌なわけないだろ(汗)ただ男女2人ですむのはどうかなと思っただけなんだ。」
「そうなの?ほんとう嫌じゃないの?}
「あ、ああ。嫌なわけないだろ、むしろ良かったくらいだ。1人だと寂しいしな。」
「そうなの。なら良かった、でも心配しないでね。私、まさ君にならなにされても大丈夫だから。」
あーーーーー!!!!!あのクソ親どもなんてやつ送り込んできやがった!こんな危険な奴と俺は暮らしてかなきゃいけねーのか!!!