表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七つの願い  作者: 星華
2/4

空腹

話を聴いてきたのか、初めの一人は、金色の長髪の痩せた男だった。

男は

「俺は、いくら食べ物を食べても、満足したことがないんだ。だから、一度空腹な状態で、食べ物を食べてみたいんだ。空腹は、一番のスパイスと言うだろう?」

と言った。

魔女は、なんだそんなことか。と思いつつ、男に言った。

「分かったわ。では、このベルトに魔法をかけて、その願いを叶えましょう。」

身に着けていた水色の宝石のついたベルトを外し、ベルトに手をかざしながら魔法をかけた。

水色の宝石が淡く光ったかと思うと、宝石は一層輝きを増し、ベルトを彩った。

 魔法のかかる一部始終を見ていた男は、興味深そうにして、魔女から魔法が付与されたベルトを渡されると、一層感動した様子だった。

「とてもきれいなベルトだな。これを身につければ良いのか?」

「ええ、そうよ。空腹を体験したいときに、このベルトを着けて。しばらくすると、おなかがすいてくると思うわ。」

 男にベルトの使用方法を伝えると、男は嬉しそうにして、街へ走り出した。

 その後ろ姿を魔女もまた、嬉しい気持ちで見送った。

一つ目の願いがかなえられ、魔女は今まで森で一人で過ごしてきた楽しさとは、また違う嬉しさに気付かされた。

「願いを叶えることは、思い付きだったけど、誰かのためにするのは、気持ちがいいのね。」

森の木々の葉を風が心地よく吹き抜けていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ