雨の日の切り裂き魔。
___私は、雨の日が好き。
雨音やしとしととした感じが好きなの。
___それに、雨になると?
人通りが多いところでも、人が少なくなるわ。
私は、黄色のカッパを着て赤の傘をさすの。
人が少ないところに、私は行くのが好き。
雨の日だから、そこに行きたいの。
___そして、もう一つの目的は?
雨の日に外で、一人でいると危ないわよ。
私に出会うと、殺されてしまうから......。
*
『・・・またですか?』
『___あぁ、なんて! 酷い事を...。』
『誰の仕業なんですかね?』
『被害者の女性は、刃物の様なモノで百か所以上刺されています。
これはよっぽど被害者を恨んでないと出来なことではないですか?』
『・・・うーん? まあ、そうだな! 被害者の関係者を調べてくれ!』
『___はい!』
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___私の名前は、『下平 カズナ』22歳、小さな会社で受付の仕事を
している。彼氏も高校からの同級生で、お互い結婚も考えているわ。
何もかもうまくいっているの。
・・・でもね?
私の母親は、私たちの結婚を大反対している!
父親からは、毎日のように暴力を振るわれたわ。
母親は、まだ幼い私を置いて家を出て行ってしまった。
___あれから、17年が経った。
父親は、お酒の飲み過ぎでアルコール依存症になりそのまま亡くなった。
私は、母親の妹のところに預けられて育ててもらったの。
母親の妹は? 当時、5年も付き合っていた男性がいて結婚する
はずだったわ! 私を引取る為にその男性とは別れたらしい。
母親と違って、責任感のある女性で私を凄く可愛がってくれたの。
私の家族は、唯一この女性だと思っている。
・・・それなのに、
3年ほど前から、私の実の母親が私に会いに来たわ。
『・・・ごめんね、わたしを許して! どうしようもない母親で
本当にごめんなさい。』
『・・・・・・』
『・・・姉さん、カズナがどれだけ! 姉さんに会いたかったか?』
『・・・本当にごめんね、カズナ。』
『・・・・・・』
___何度も言うようだが、、、?
私の唯一の家族は、この女性だけだ!
血が繋がっていようが、私を置いて行ったこの女を私は許さない!
私は長い間、父親から暴力を受けていた。
誰も助けてくれない! 唯一頼れる母親も居ない!
私は、何度も何度も死のうと考えたわ。
それでも、私は生きる事を選んだの!
それは、いつか? 母親が私を迎えに来てくれると信じていたから!
・・・でも?
違ったわ! 父親はアルコール依存症になり汚く狭い6畳半の部屋の
片隅で亡くなったわ。
そこに! 母親の姿はなかった。
いつか? 母親と会えたら、私はこの女を殺すと決めている!
▽
___私は、雨の日にあの女に捨てられた。
だからなのか? 雨の日は、腹の底から憎しみが沸いてくるの。
誰かを、殺さないと気が済まない感情が芽生えた。
だから! 初めて私が人を殺した時、心がウキウキしたわ。
楽しくて仕方がなかった。興奮して何もかも忘れる事ができたの!
初めて私が殺めた人は? まだ10歳ほどの小さな女の子だった。
1人で雨の中、公園で遊んでいた。砂場で山を作っていたわ!
だから、私が女の子に声をかけると? 嬉しそうに私に着いてきたの。
可哀想な女の子だわ! 私が無残に刺殺したというのにこの子の親は?
涙も見せなかったのよ。あの子が、勝手に亡くなってくれて良かったと
ホッとしているように見えたのよ。
・・・まあ、
そのおかげで、大きな警察沙汰にならなかった。
結局、犯人も見つからず今も私はのうのうと生きている。
___そして、私はここから連続切り裂き魔として!
生きていくことになったの。
*
___私は、幸せだったわ。
大切な彼も居て、唯一の家族であるあの女の妹が私を支えてくれた。
彼との結婚が決まった時も、一番に喜んでくれたのは、あの女性
だった。
・・・それなのに、
あの女だけが、私の結婚に大反対したのよ。
『・・・お母さん、どうして? 僕たちの結婚を許してくれないのかな?』
『___ごめんね、大吾! お母さん、私たちの事が心配なだけよ。』
『・・・それなら、いいんだけど?』
『・・・そんなに、心配?』
『そりゃ~結婚するんだから! みんなに祝福されて結婚したいだろう!』
『・・・そうね。』
___私はね、
結婚なんか! どうでもよかったのよ。
彼の事は、好きなのだけど、、、?
結婚は、一切考えてないわ!
・・・だって!
結婚したら? 私の大切な時間が無くなってしまうもの!
今なら、雨が降る好きな時に人を自由に殺める事ができるしね。
___そして今日も、雨が降っている。
この日も、何処かで一人寂しそうにしている人を見つけるの。
直ぐに、私が殺してあげる!
何回も何回も、刺し殺すように楽しんでね!
血を見ると興奮するわ!
最後までお読みいただきありがとうございます。




