憎悪は想う
希望、夢、愛、友情、信頼。
そう言った薄ら寒い戯言が全て絶望に変わるとき、それらは憎悪を彩るスパイスに過ぎないことを知る。
美味しく味付けされじっくりと熟成されたからこそ堪らないほど美しく輝いて見えてしまうのだろう。
兄弟、俺たちはどうしてこんなによく似ているのだろうか?
心地よいほどの憎悪、はち切れんばかりの憤怒、そしてどうしようもないほどの悲哀。
それら感情は湯水のように溢れ、渦を巻いて混ざり合う。
出口を求めるかのようにそれら感情は暴れ回る。
あと一押しで呑み込まれるといったところで、兄弟の意識が無理やり引き戻された。
惜しい。
非常に惜しい。
思わず悪態をついてしまうくらいに。
ハデスめ、それだから貴様は弟に出し抜かれるのだ。
まあ、意識が引き戻されたのはハデスが鈍間であったせいだけではない。
何かが兄弟の防波堤となっている。
そしてそれは必死に兄弟を守っている。
それがなければあっという間に兄弟は呑み込まれる。
そうだろう、兄弟。
何だって俺たちは似た者同士だ。
大体の目星はついている。
それさえ破壊すればきっと俺たちはもっと仲良くなる。
まあその問題は後に置いといていいだろう。
今は直近のハデスを何とかしないとどうにもならない。
精々頑張りな兄弟。
それにお気楽な脇役ども。




