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咎人たちの聖戦  作者: 白騎士58
第二章 冥界に手向ける鎮魂歌
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我ら誓いを立てる

「えっ! ハデスと…戦闘…する必要ある?」


 ボムボムプリン様の腰が引けている。


「ボムボムプリン殿、恐らくハデスとの戦闘は回避できないでしょう。『天と地をつなぐ螺旋階段』の頂上にはペルセポネの死体がある。…ここまでの奇跡的と思われるハデスの一切なかった妨害はそれ以外どうでもいいということでしょう」

「…そうでしょうね。ハデスの執念はただ一人に向かれていますから」

「諦めて覚悟決めろ」


 ガクリとボムボムプリン様は肩を落とす。


「『天と地をつなぐ螺旋階段』、最上階までそうとうかかるぞ。ハデスがその間ほっといてくれる保証はないな」

「いやー、どう考えても無理ゲーでござるな」

「…一つ考えがある」

「却下です」


 私は内容を聞かずすかさず反対する。

 どうせろくでもないこと極まりない。


 バベル様はあまりの拒否の速さに少しだけ傷ついているようだ。


「ハハハ、兄弟、嫌われているな。…俺が代わりに兄弟の考えを聞いてやろうか」

「ユダ、お前いい奴だな」


 バベル様はさっきまでの泣きそうな顔が一転晴れやかな顔になる。


「…私も聞きます」


 ユダに負けるのは癪に障るので私はバベル様の考えを聞くことにする。


 にやにやと笑っている人たちはとりあえず無視する。


「まあ、考えというほど大したものでは全くないけど…僕がハデスと戦う」


 私含めた四人はやっぱりという深いため息をついた。


「ハハハハ、いいじゃないか、兄弟! その案でいこう!」


 ユダがノリノリで賛成する。

 こいつはいつもこういう風にしてバベル様を悪い方向へと導いていこうとする。


「…ワンパターンだがそれしかないかもな」


 カイ様が苦虫を嚙み潰したようにこめかみを押さえながら嫌々言った。


「確かに…誰かがハデスを足止めしなくてはいけない…」


 オマール様も渋々といった感じで同意を示す。

 ボムボムプリン様はブンブンと首を縦に振っている。


 バベル様一人に負担がかかってしまう。

 だからと言って何かいい案が浮かぶ訳でもない。


 結局私は何もできないのかと俯いているとポンっとバベル様が私の頭に手を置く。


「大丈夫。絶対無茶しない…そっちは任せたよ」


 バベル様はニコッと笑う。

 私はまだ不安そうな顔を彼に向ける。


「そうだな…俺たちが迅速に破壊したらその分バベルの負担が減る。スピード勝負だな」


 速く、なるべく速く私たちの役割を果たすことはそのままバベル様の助けになる。

 絶対にバベル様を守る、私は決意とともにバベル様の顔を見る。


 バベル様はそんな私を見てフッと微笑する。


「任せたよ…マリア」

「はい!」

「…よし。作戦も決まったし久々にあれやってみますか?」


 オマール様が肩をグルングルンとまわしている。


「えー。まあいいけど」


 やる気満々のオマール様とそこまで乗り気になれないカイ様とボムボムプリン様は肩を組む。


 私たちはどうしていいかわからず立ち止まっていると


「…こっちにきて肩組むんだよ。早くしろ、恥ずかしいんだよ、これ」


 カイ様が急かす。

 私たちは三人に加わり肩を組む。


 オマール様が音頭をとるようで大きく息を吸い込んだ。


「我ら! ここに誓う!」

「…なんで急にスイッチ入っているでござるか?」

「さあ? そういう気分じゃね?」

「そこ! うるさい! …我ら! ここに誓う! 騎士の誇りと仲間の名誉を胸に! 死してもここに戻ること! ここに誓う!」


 ドンっとオマール様は片足を前へと大きく出し、地面を叩く。


 カイ様とボムボムプリン様はオマール様の後に続くようにぴったり息を合わせて足で地面を叩く。

 私たちも遅れて同じようにする。


「もう一回!」


 オマール様の掛け声でもう一度みんなで大きく足を上げ地面を叩く。

 今度はぴったりと音が合わさり一人の時よりも大きく厚い音が出る。


 その時私はなんだかようやくみんなが一つになったように感じた。

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