表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
咎人たちの聖戦  作者: 白騎士58
第二章 冥界に手向ける鎮魂歌
76/142

亡者の作り方

「あの…あれ…見てください」


 彼らは視線を奥へと向ける。

 ボムボムプリン様はうへぇと吐きそうな顔をした。

 カイ様も顔をしかめる。


「これは…一体…?」

「もう嫌だーー!! こんなのばっか!」


 ボムボムプリン様の意見には同意せざるを得ない。私自身もううんざりだと思っている。

 カイ様はおっかなびっくりだが勇敢にも彼らに近づく。


「カ、カイ殿!? 危ないでござるよ」


 ボムボムプリン様はサッと私の後ろに隠れる。

 ビックリするほど冷たい目でボムボムプリン様を睨むが彼は動じない。


「カロンが運んできた死者たちだろうな…そうとしか考えられん」


 カイ様は半ば無理やり納得するように頷く。


「どうしてこんな目に遭わせるのでしょうか?」


 私は口もを抑えながら訊くが、答えなど分からず皆が黙る。


 その時建物を揺らすほどの大音量で鐘の低い音が聞こえてくる。

 何事かとカイ様は窓に近づき外を確認しようとすると


「…なんだありゃ」


 素っ頓狂な声が聞こえてきた。

 私とボムボムプリン様はカイ様のほうを振り向くとカイ様はこっちに来るよう手招きしていた。


 私たちはカイ様のところに近寄るとカイ様は私たちが見え易いように少し脇に退いた。

 私たちは窓の外を見る。


「なんでござるか、あれ?」

「さあ、なんでしょう?」


 窓の外には先ほどまではいなかったものがいた。

 それは全身真っ黒で毛むくじゃらなナメクジのような姿をしており、ゆっくりと這って動いていた。

 それは一体だけではなく見える範囲だけでも無数にいた。


「…新手か。見た目強そうとは思えないが…油断はできないな」


 それらは別の建物の扉を開け、ゾロゾロと中へと入っていく。

 入りきらないんじゃないかと心配するほど入っていく。


 突然悲鳴が響き渡る。

 それはすぐに断末魔へと変化する。


 しばらく眺めていると静寂が包む。


「…何しているでござるか?」


 不意にそれは入ってくるときと同じようにゾロゾロと出てきた。そしてまた別の建物へ向かって行った。

 ある一体が立ち止まるとえずくような仕草を始めた。


「なんだ…」


 その動きを注視しているとそれはドロドロの汚いヘドロのようなものを吐き出した。


 それを見た瞬間、ウっと私は慌てて口元を手で押さえる。


 吐き出したものは体液で溶けたのか肉がドロドロに溶けている人間だった。

 吐き出されたそれはビクン、ビクンと痙攣し始め、急速に集まり人の形を成していく。


 そしてそれは嫌というほど見かけるものになった。

 それは空へと飛んで行った。


「…ああやって亡者を作るんですね」


 ボムボムプリン様は青い顔をしていた。


「ハー…くそ、危険だがここを出よう…セーフティーエリアを探すしかないな」


 カイ様のその言葉にボムボムプリン様は力強く何度も頷いた。

 私も反対など微塵も思わなかった。


 私たちは上空の亡霊たちに見つからないようにしながらセーフティーエリアを探すことに決めた。

 道中進んでいるとカイ様がポツリと話し始めた。


「どうして聖戦が始まったのか興味ないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ