渡し守カロン 6 ~正体見つけたり~
船の中はひどい有様であった。
この瞬間にも船が破壊されているのが進もうとしていた通路が瓦礫で閉ざされ別の道を行くことを余儀なくされたり、また水も少しずつだが入ってきていることからわかる。
残されている時間は少なそうだ。
「こっちであっているのか?」
「あっているでござるよ。だんだん魔力が集まっているのう。…この先!」
俺はその言葉を聞き、刀を抜く。
ボムボムプリンが示す先には扉があった。
俺は扉の右側に張り付く。
ボムボムプリンは反対側につく。
俺は指で三数えることを示す。
ボムボムプリンは了解と頷く。
俺はゆっくり三数え、扉を蹴破る。
扉の先にいたものに俺たちは驚いた。
子供くらいの大きさの小鬼がそこにいた。
小鬼は角が三本あり、そのどれもが途中で折れていた。
小鬼の肌は赤黒く、目は一つ目であった。
「なんだか…吾輩いけそうな気がする」
ボムボムプリンがなめた言葉を漏らす。
俺もその姿を見て少し気が緩んでしまった。
その小鬼はなめられていることが分かったのか怒ったように地団駄を踏んだ。
「ムフフフフ。あいつ面白いでござるな」
ボムボムプリンが小鬼を指さし笑っている。
完全に油断している。
小鬼は大きく、大きく口を開け始めた。
明らかに顎は外れ、顔が裂けているだろうと思えるくらいに口を開ける。
小鬼はそれでも足りないのかまだまだ口を開けている。
「…いや、おかしいでござろう」
ボムボムプリンはその異様さにビビり始め腰が引けている。
俺も気付くと刀を握っている手が震えていた。
気圧されているのかと自分を叱咤し、小鬼が何かをする前に攻撃することを決め一気に距離を詰める。
小鬼はまだ口を開け続けている。
十分に間合いを取り俺は必殺をくらわす。
「『居合・三桜』」
その必殺が炸裂する直前、小鬼が目でニヤッと笑ったように感じた。
しくじったかもと俺は直感で感じた。
ぐんっと強烈にかつ無遠慮に身体が後ろのほうへと引っ張られる感覚に襲われる。
それに引き続いて身体中に衝撃が襲い、痛みが全身を駆け巡る。
俺はそのままはるか後方へと吹き飛ばされた。
「があ!」
痛みで立ち上がることが出来ず地面に伏し悶える。
その痛みを堪え、這いつくばるように進む。
外ではバベルやオマール、マリアちゃんが必死で戦っている。
さらにバベルは姿かたちが化け物になっても勝つために戦っている。
衝撃波をまともに受けたからリタイア?
笑っちゃうね、そんなことで諦めたらあいつらにもみんなに殺される。
立ち上がるために全身に力を入れる。
しかし痛みで力が入らない。
半ば悲鳴に近い気合を叫びながらなんとか立ち上がる。
刀を握る力が入らない。
技を打てて精々2発が限界だろう。
小鬼がいる部屋へと向かう。
かなり飛ばされた、無駄な時間のロス、俺は走る。
痛みが地面に足が着くたびに全身に駆け上がる。
うるせい、そんなことはどうでもいい。
走らねば。




