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咎人たちの聖戦  作者: 白騎士58
第二章 冥界に手向ける鎮魂歌
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ケロべロス 2 ~チーム戦~

 ケロべロスの真ん中の頭が口を耳元まで大きく裂ける。

 歯のない深紅の真っ赤な口がぽっかりと覗き込む。


 炎が小さく灯るとともに、それはみるみるうちに大きくなっていく。


「バベル殿! 離れていろ!」


 オマールが僕の前へと飛び出る。


「『オールバインド』(俺を見ろ)!」


 オマールがそう叫ぶと彼の全身から赤いオーラが放たれる。


 そのオーラにケロべロスが当たるとケロべロスは不自然に狙いをオマールへと向ける。


 ヘイトを自分に向けるスキルかと僕は納得する。

 ケロべロスが火球をオマールへ向け放つ。


「『ロイヤルフォートレス』(堅牢すぎる防御)!」


 オマールはまた叫ぶ。火球が直撃し、オマールを包む。


「オマールさん!」


 僕は思わず叫ぶ。


「心配ご無用!」


 オマールのその声が証明するように無傷であった。


「『ロイヤルフォートレス』。60秒間その場から動くことが出来ないがどんな攻撃もノーダメージとなる。リキャストタイムは7分かかるのが難点だが…」


 ケロべロスの攻撃すべてにオマールに対してダメージはなかった。


 僕はその間にケロべロスの側面につく。


 攻撃しようとしたとき、右の頭が急に僕に狙いを定める。


 右の頭が口を開く。その瞬間幾筋の雷撃が矢のように飛んできた。


 それをなんとか躱し、距離を詰める。

 それでも右の頭はしつこく雷撃を放つのをやめない。


 飛び上がり右の頭へと斬撃を叩き込む。


 しかし鈍い音がとともにジワリと手に衝撃が走る。


 斬れない、説明通り皮膚は相当の硬度を誇っている。


 右の頭はそのまま僕を吹き飛ばそうと力を入れる。

 

 負けじと力をいっぱいに振り絞りそのまま殴り倒す。ケロべロスの巨体が地面に叩き込まれる。


「さ、さすが!」


 オマールが少し呆れた感じで驚嘆した。


「このまま攻撃を叩き込んでください」


 僕とオマールは攻撃を連続で叩き込む。


 しかし鋼鉄の皮膚に阻まれ有効打にならない。

 ケロべロスはその巨体を振り回し僕たちを引き剥がす。


 ケロべロスはピョンっとその巨体を感じさせない俊敏さで上空を飛び距離をとる。


「お前たち、よくやった! 俺たちも加わるぞ」


 カイとボムボムプリン、マリアが僕たちに近寄った。


 カイは刀を構え、マリアはポーチからすぐにアイテムが出せる準備をしている。

 ボムボムプリンもファイティングポーズをとるが、両足は目に見えるほど震えている。


「…しまらねえなあ」


 カイがボムボムプリンを見て呆れる。


「今更ですぞ。これが吾輩クオリティ!」


 ボムボムプリンの低く艶のある声は震えている。


「まだ『オールバインド』の効果は持続している。私が先行するからみんなは側面から攻撃してくれ」


 オマールがそう言い、ケロべロスの正面へと立つ。


「オマール様のサポートを致します」


 マリアがオマールのサポートのため少し後方へと移動した。


 僕とカイはそれぞれ左右から攻撃するため動き始めた。

 ボムボムプリンが僕についてくる。


「どうして僕のほうへ?」


 ボムボムプリンに尋ねる。


「この中で一番強いから!」


 ボムボムプリンの明快な答えに清々しさを感じた。


「多分、僕のところが一番激戦になると思うけど。やる気あるね」


 僕がそう言うとボムボムプリンはしまったというような顔をした。


 ケロべロスはオマールへと激しく攻撃を繰り出している。

 オマールは防御系のスキルを駆使しその猛攻に何とか耐えていた。


 マリアはちょくちょく神聖魔法を使用しオマールを回復したり、煙幕弾や閃光弾で目くらましをして嫌がらせをしている。


 ケロべロスはこっちに気づいていない。

 僕は『退魔の剣』に力をためる。右の頭が僕に気づいたがもう遅い。


「『魔を退く閃光』」


 斬撃ははち切れんばかりの閃光ととともに放たれケロべロスへと向かう。


 右の頭は雷撃でそれを迎え撃とうとするが簡単に斬撃に飲み込まれる。


 斬撃がケロべロスに当たる。


 轟音が響き渡り爆風が巻き起こる。ボムボムプリンが吹き飛ぶのを視界の端で捉えた。


 ケロべロスはまだ生きていた。しかし右の頭は吹き飛んでいて巻き込まれたのか真ん中の頭も傷だらけであった。


 ケロべロスはふらつきながら僕のほうへと身体を向ける。


 ケロべロスは僕を睨みつける。

 その目にはまだ闘志が宿っている。

 

 僕を優先的に倒さなければならない敵として認識したようだ。

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