助けた三人組は…
先ほどから遠慮のない視線を僕とマリアに向けるカイとボムボムプリン。
若干ボムボムプリンからは言い知れぬ嫉妬が混じっているように感じる。
オマールはカイたちよりはマシであるがチラチラと忙しなく視線を送る。
マリアはその視線たちで居心地が悪いのか僕の背中に身体半分隠れている。
「…何かついてますか?」
多分違うだろうと心の中で思いながら三人組に訊いた。
「不公平である!」
ボムボムプリンが突然ビシッと人差し指をきれいにまっすぐ伸ばし僕とマリアを指さす。
「はげどう!」
カイもまた同じようなポーズをする。
「はあ」
僕はどういう意味か分からず生返事する。
「カイの旦那ー、このお兄さん、よくわかっていないらしいですぜ」
「おう、ボムボムプリン、ここはよーく言っておかないといけないらしい」
カイとボムボムプリンはなぜか妙にハイテンションになっている。
オマールは身体をそわそわしている。
「バベル様。なぜこのお二人は興奮なさっているのですか?」
「僕にもわからないことがある」
「まず!! こんなにも美少女と! 二人っきりで旅をしていること!」
カイが異常な声量とともに左手は腰に当て、右手は天高く人差し指を立てる。
ボムボムプリンはすぐ脇に膝立ちで際立たせるように両手をひらひらとしていた。
どういう風に反応していいかわからず固まる。マリアは苦虫をかみつぶした顔をしている。
「キューティクルな黒い髪! ほっそりとした体形なのに意外に豊かな胸!着痩せするタイプかな? あどけなさがまだ残っているがそれも魅力の一つの美少女!」
カイがさらに声量をあげる。
「なんなんだよ、この差! 俺なんてデブと騎士のコスプレしたおっさんだぞ!」
カイが血の涙を流しながら叫ぶ。
「あれ!? さらっと悪口言われたけど!」
「騎士のコスプレではない! 私はものほんの騎士である!」
ボムボムプリンとオマールが驚愕する。
しかしそれも一瞬ボムボムプリンは調子を合わせる。
「こんな美少女と毎日昼も夜も二人きり! 怪しからん! 不純!」
ついでにボムボムプリンも血の涙を流す。
マリアがハッキリと汚物を見るような視線を彼らに送っている。
「…バベル様。かなり不愉快です」
「…僕もだ」
「…ズッコケ三人組め」
「え! 私は何も言ってないぞ!」
オマールが一緒くたにされ、慌てて否定する。
しかし残念ながらそこに所属しているお前も同類だ。
カイとボムボムプリンはさらに何かをわめきたてているが、僕とマリアは無視する。
「マリア。今回の調合はちょっと難易度が高めだけど、閃光弾を作ってくれないか?」
「はい、任せてください!」
マリアは元気いっぱいに答える。
僕はマリアに必要な素材を渡す。あと練習用にほかの素材も渡す。
マリアには調合スキルレベルを上げてもらおう。
マリアがチラチラとこちらを見る。
どうしたのだろうと首をかしげていたらマリアが遠慮がちに言った。
「あ、あの前して頂いたようにバベル様のサポートはあるのかなっと思いまして…」
マリアが顔を真っ赤にしながら言いよどむ。
そういう風に言われるとすごく恥ずかしいし今この場でそれをやると三人組からの阿鼻叫喚の嵐が降り注ぎそうなので
「今回は一人でやること」
心を鬼にして言い放つ。
マリアが残念そうにしながら調合を始めようとしたときボムボムプリンが近づいた。
「ふっふっふ、お嬢さん、調合をしようとしているね? この調合の魔術師と言われたボムボムプリンがその極意教えて進ぜようか?」
ボムボムプリンが前髪をたくし上げながら相も変わらず低く渋めの声で言った。
「遠慮します」
マリアが容赦のない笑顔で即答する。
「即・答!」
ボムボムプリンは胸をえぐられたのか三回転くらいして地面に倒れこんだ。
「…こんなふざけた奴だが、こいつの職業は錬金術師だ。調合の極意を知っているのかどうかは疑問だが習っておいて損はないと思うぜ」
カイが哀れに思ったのかフォローを入れる。




