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咎人たちの聖戦  作者: 白騎士58
第一章 女神の讃美歌
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人対神

まさかこんなに早くに神と戦うことになるとは。


ダメージが大きい。


イカロスは強かった。


視界がふらふらし、耳の調子も悪い。


 閃光弾はもしもの時の保険で、あれを使ってしまったのは痛かった。


 腰までかかった黒髪、健康的な小麦色の肌

 フラッシュバックに記憶を掻き立てられる。

 吐き気を催し、怒りがこみ上げてくる。


 お前みたいなやつがその人の姿をしていい訳がない。


 ありったけの呪詛を込めた視線を送っていた時


 アフロディーテは、魔方陣を宙に描いている。

 そこから鞭が出現した。

 あれがアフロディーテの神器か?


 神は神器を所持している。

 神器は人知を超えた能力を宿している。


 例えば天候を操る、海を操る、万の軍勢を討つなどはお手の物だ。


 アフロディーテは鞭を一回、二回と唸らせる。

 自然、剣を握る力が強くなる。


「あら、緊張しているの? 案外かわいいところあるじゃない」


 アフロディーテは邪悪な笑顔を見せる。


「いいからかかってこい」

「ふん! やっぱりかわいくない」


 その時すぐ近くの地面が突然割れる。


 何が起こったのか瞬時には理解できなかった。


 数秒後、凄まじい破裂音が鼓膜に襲いかかる。


 もしかして今、鞭で攻撃したのか。


 嘘だろ、何も見えなかった。音が遅れてやってきたということは音よりも速いのは確かだ。


「ほら、よそ見しない。あまり期待してないけど、なるべく私を楽しませてね」


 その言葉を聞き終える前に僕はジクザクに駆け出す。


 アフロディーテは獲物を狩る愉悦の笑顔を漏らす。


 遅れてやってくる音を認識する度、生きていることを実感する。


 よく見ろ、何か突破口があるはず、もっとジグザクにでたらめに走れ。

 把握されたらあっという間にゲームオーバーだ。


 スタミナ無視の全力で走り続ける。


 アフロディーテは敢えて命中させようとしていない。

 狩猟と同じだ、じき獲物の体力は尽きる、それを待つだけだ。


 スタミナが尽きようとしたそのとき…気付いた。


 音速なのは鞭だ。


 もっと正確に言うなら鞭の先端だ。

 鞭の手元、または鞭を扱う手は音速ではない。


 『鞭』を見て避けるのは至難の業であるが、『手の動き』である程度は攻撃してくる方向が分かる。


 逡巡している時間はない。


 アフロディーテへとまっすぐ突っ込んでいく。


 アフロディーテはクライマックスを想像したのか、残酷な笑みを浮かべる。


 アフロディーテの腕の筋肉が強張る。


 僕は右へと急速に方向を変える。


 先程までいた地面が破裂する。


 アフロディーテは信じられないような顔をする。


 猛烈に距離を縮めていく。


 アフロディーテは慌てて鞭を手元に戻そうとする。


 鞭という武器の性質上、この隙は必然であった。


 その隙を見逃さず大剣を大きく振りかぶる。


 大剣はアフロディーテの頭へととめり込む。


 勝利を確信したが、アフロディーテの姿が煙のように消えた。

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