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咎人たちの聖戦  作者: 白騎士58
第二章 冥界に手向ける鎮魂歌
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冥界の神ハデス ~やったな~

「やったな」


 マリアちゃんがハデスの魂を破壊してくれた。


 迫る亡者とすれ違うように斬り捨てる。


 プリンは先ほどからアイテムが底をついたのか逃げ回っている。

 邪魔にならないだけマシかもしれない。


 かくいう俺も技を連発しすぎてしばらく技を出すことが出来ない。


 破壊したのならさっさとここからおさらばだ、じゃないと厄介な奴がすぐにやってくる。

 今の状態じゃあまともな相手にすらならない。


 みんなに退却の合図を出そうとしたその時


「お前たちか! 虫けらどものくせに…! よくもわが愛するペルセポネを…!」


 本当に次から次へとピンチがやってくるなとさすがに辟易してくる。


 振り返ると肩を震わせ怒髪天を衝いているハデスがいた。

 ハデスがここにいるということは、バベルは負けてしまったのか。

 せめて命だけは無事であってほしいものだが。


 俺は刀に手をかけ、抜刀の構えをとる。


「…下にいた奴はどうした?」

「殺してやる…殺してやる…」


 オーケー、無視されたことはこの際水に流そう。

 よくわかった、俺の質問に答えられないくらい相手は怒っている。


 相手は冷静ではない。

 勝機は…あると思いたい。

 まあ何事もやってみなくてはわからない。


 俺は一気に間合いを詰める。


 ハデスは怒りで視界が狭いのか俺が迫っているのに気づいていない。


 一撃で決める、その一心で渾身の力を更に籠める。


 キラリと刀身が銀色に輝き解き放たれる。


 刀身はハデスの首筋に吸い込まれハデスの首を斬り飛ばす、順当に行けばそうなるはずだった。


 ガキン!! と金属音の弾ける音が響く。


 ハデスの首には鎖が蠢いておりそれが俺の一撃を防いだ。


「どけ!」


 ハデスに巻き付いていた鎖は解き放たれ無差別に攻撃が襲う。


 俺は避けきれずに何発も鎖の攻撃を受け吹き飛ばされる。

 刀を地面に突き刺し何とか頂上から落とされることは防いだが激痛で身体が思うように動けない。


 ハデスはそのままマリアちゃんのほう、というよりもペルセポネの棺のほうへと向かっていた。


 行かせるわけには…と気持ちを奮い立たせても身体は正直で全く動かない。


 プリンはどうしたと思い探してみるとプリンも先ほどの攻撃をひっそりと受けていたらしくはるか後方に吹き飛ばされていた。


 あの馬鹿野郎、黙ってやられているんじゃあねえよ。


「マリアちゃん! 逃げろ!!」


 力を振り絞り叫ぶ。

 マリアちゃんは逃げるそぶりを見せなかった。


 迎討つつもりか、馬鹿なことは考えるな。


「まったく…しょうもねえ連中だぜ、本当…」


 俺は刀を支えに何とか立ち上がろうともがく。

 頼む俺が行くまで馬鹿なことはするなよ。

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