第8話
何とか、文字覚えるのは1ヶ月で終わらせました。
かなり頑張った。めっちゃ頑張った。
まあ、文字は象形文字ではなく発音記号式、数は10進法というかなり馴染み深い物だが。
分かりやすく言うと、アルファベットである。
さて、読み書きが出来るようになったということで、魔法の勉強が始まりました。
驚いたのが、ある程度理論的な解説が体系立って行われたことだ。
体に感じる魔力をうーんってやって力んで集めて詠唱してはい!みたいなものを想像していた。
魔法自体の分類に始まり、詠唱の文言を組み立てることで意図的に特定の結果を得る事ができるというところまで研究してあるのは素直に驚いた。
まあ、そこら辺の基礎研究を一気に進めた人の名前を見ると、なーんかどっかで聞いたことがあるような名前をチラホラ見かけたりするのだが。
んで。
ますたーの専門は、異端も異端。
魔法を使った後に大気中に発生するマナを、工房に書いた魔法陣を使って利用する。
まあ、これだけでもかなり珍しいらしいのだが。
そうして集めたリソースを使い、「魂に干渉する」魔法を一族代々研究し続けているそうだ。
所謂、ネクロマンサーというやつである。
じめじめとした部屋で部屋いっぱいに摩訶不思議な模様を書き、死体を弄る。
勿論、魂をいじくるのは禁忌に限りなく近いです。
何処からどう見ても悪い魔法使いです本当にありがとうございました。
というわけで。
昔やっていた死体の供養と墓地の管理というお仕事も宗教系に取られて以降、目の敵にされることは珍しくなく。
天才が生まれたということで、出る杭を打ってしまおうということでお家は取りつぶしになったそうだ。
この山の中に押し込められてから、やることも無いのでひたすら研究し続けてきたらしい。
うん、なるほど。これは相手が悪かったわ。
そりゃ自分なんてかもネギどころのお話じゃないわ。
相性最悪じゃないですかやだー。
まあ、自分のことは誰にも言わないように念押ししておきましたが。
うん。まあ、さっさとアンデット以外の魔物作るべきですねこれ。
アンデットがいっぱいいるダンジョンとか見つかったら割と真面目に国軍レベルで殺しに来るだろ真面目に。
というわけで、ダンジョンの編成を考えておきましょうか。
「本国から呼び出しが来たの。戦争が始まりそうなんだって。それで、荷物を纏めて送る必要があるの。・・・どうする?一緒に来る?それとも、ここに残る?」
「・・・そう。
寂しい。けど、ここに絶対に戻って来るから。
そう、絶対。危なくなってきたら、逃げてね?」
「それじゃ、またね。絶対に忘れないから。ここが危なくならないよう、頑張るから。私、頑張るから!」