3.視察は暴露
1話と2話を少し書き直しました。
そちらもぜひ読んでください。
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リーファニクスが領地に来た次の日
ルティア―ナ一行——ルティア―ナとリーファニクス達王都組——は様々な要施設を巡った。
めぐっている間、リーファニクスもシューヴァルトも、ほぼ無言だった。出した声というのは感嘆というか驚愕というかそんな声——おもに、うわぁや、えぇぇ?だ。——だった。語尾が上がっていたのは信じられないという気持ちからだろう。
何せこの世界には存在しないオーバーテクノロジーがたくさんあるのだから。まだまだ未熟なこの世界の技術では、到底作りえることができないものがたくさんある。当然だ。
ルティア―ナ一行が視察一日目の宿に着いた頃には、リーファニクス達王都組——シューヴァルトのほかにリーファニクスについてきたのは5人。そのすべてが秘匿に了承し、書面も用意したため案内をした。——はもういいやと考えることを放棄したような顔をしていた。ただ一人、リーファニクスを除いて。
「ルティア―ナ嬢が言ったことはよく分ったよ。ね、シューヴァルト?」
「ええ。ルティア―ナ様がおっしゃったことも納得がいきます。あれは、言われていても衝撃が大きすぎますから。」
リーファニクスとシューヴァルトが別室で話をしていたころ、ルティア―ナは罪悪感を覚えていた。宿のロビーでは自動車や電車に酔った人たちは今にも失神しそうな顔をして吐くのをこらえようとしている。実際吐いている者もおり、その顔は痩せこけているようにも見え始めた。ルティア―ナは何とも言えない表情をしている。
この日一行は水道局、ごみ処理場、鉱石の発掘場、植物園、自動車、電車を見た。これしか見ていないのにもう死にそうな眼をしているなとルティア―ナは思った。ルティア―ナはこれから試演場及び武器保管庫を見に行く——宿で少し休んでから見に行く手はずとなっている——数人…王都組の中でさらに信用できると判断された者を気の毒だと思って魂が抜けたようになっている彼らを見た。何せ機関銃やら大砲やら、戦車やら…もしものために強力なのが用意されている。驚きは今までの比ではないだろう。
「申し訳ありません。もう一つ見て頂きたい施設が…」
「まだあるのでございますか?!もうご勘弁いただきたいのでございますが?!」
ルティア―ナが申し訳なさそうに言うと一人の騎士が音を上げた。さっきまで車酔いで倒れていた騎士だ。もう勘弁してくれという顔している。
「もう一つですので…頑張ってください。」
ルティア―ナももう投げやりだ。もうどうにでもなれと考えていた。
ルティア―ナはすべ見せようと思ったことを後悔していた。彼らには衝撃が大きすぎたのだ。本当に気の毒である。あえてもう一度言おう、本当に、本当に、気の毒である。
しばらくたって一行は試演場へと向かった。ルティア―ナは気の毒そうにしながらも淡々と説明をしていく。ルティア―ナは緊張しているのか、説明中に又も少しずつ青ざめていく王都組に気づかないのであった。
‣ ‣ ‣ ‣ ‣
数日後、一行はやっとルナティリーナ城へと帰還した。帰ってきた一行が魂の抜けた抜け殻のようになっていたのは言うまでもない。もちろん、リーファニクスとシューヴァルト以外だが。
帰ってきて王都組の騎士たち——リーファニクスが連れてきたのはシューヴァルトを除き騎士4人、侍女1人だ。——を見たシューヴァルトとリーファニクスは、鍛えなおせねばと考えた。そして数日後、シューヴァルトによる地獄の特訓が始まった。その日からルナ城に騎士たちの悲鳴が響いたのは言うまでもない。その悲鳴を聞いたシューヴァルトが黒い笑みを浮かべて地獄の特訓を更にきつくしたのだが、この話はまた別の機会に。
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