#3-2.蜂は無茶して死んだのさ
かずら亭の季節メニューは秋バージョンだった。シイタケに良く似たキノコと、山菜風の野菜の炒め物が主で、肉や魚介が程良く混ざっていた。
美味しいものは正義だよね。
そのあとはドウエルの武器屋へ。生首は見当たらなかったので一安心。
初心者用の革鎧とショートソード、バックラーという小さめな丸い盾をジンゴローとギャリソンのために購入。グインに簡単に装備の仕方と使い方をレクチャーしてもらう。こうして装備を整えると、不思議と板について見えるから不思議だ。
アリエルには革鎧と短剣を十本ほど。魔法の手で扱える最大数だ。そして両手にはバックラー。
冒険者メインな街だけあって、薬や魔法具の店も充実している。マオもこの品ぞろえには心を惹かれたらしい。その日の午後は、そうした店を覗いているうちに夕方となった。
辻馬車で門前広場に戻る。今日も、外から帰って来る人や馬でごった返していた。辻馬車を降りて宿に向かおうと歩き出した時、門の外から駅馬車が入ってきた。
「タクヤさん!」
女性の声が駅馬車から響く。そちらを振り向くと、赤いショートヘアの女冒険者が馬車から飛び降り、満面の笑みでこちらに駆け寄って来た。
「ランシア」
彼女は俺の腕の中に飛び込んできた。思い切りハグして来る。
「こんなに早く再会できるとはね。動けるようになるまで、まだ何日もかかるはずじゃ?」
「あなたたちが出発した翌日、アスクレルの巡回神官様がやってきて、一日かけて祈祷して頂いたの」
怪我人のために一日ずっと祈るというのは、なかなか出来る事じゃないな。
「そうしたら、どんどん傷が治って、翌日には抜糸できるくらいになったんです」
神聖魔法は普通の魔法とは対価の払い方が違うようだ。普通の魔法が後払いだとすると、神に祈ることが対価に相当し、祈りに応じて効果が表れてくるようだ。魔法のように一瞬では治らないが、徐々に効いてくる感じだ。。
と言うことは、魔神に祈ることでも御利益があるんだろうか? それって神聖魔法と呼んでいいのだろうか?
とはいえ、そんなことは後回しだ。
「それより、それ着てくれたんだね。良く見せて」
ランシアの体を引きはがす。ハグは嬉しいんだが、胸元にゴリゴリ当たるのがちょっと残念だ。
俺とジンゴローが甲虫の殻から作った鎧だ。黒光りする鎧に、燃えるような真っ赤な髪が映える。
「冒険者はやめるつもりだったんですけど、起きれるようになったら、折角だから一度着てみようと思ったんです。そうしたら、体にぴったりだし、宿の女将さんも似合うって言ってくれて」
ランシアは泣きだした。今度はうれし泣きだ。
「冒険者やめるの、やめました」
俺はうなずいた。
「俺たちも冒険者ギルドに入ったよ。パーティー名はドラコン」
彼女も喜んでくれたが、パーティー名の方はぴんと来なかったようだ。
「俺の母国の方の言葉で、竜との盟約を略したものなんだ」
英語だから母国語じゃないのがややこしいな。
それよりも。
「冒険者を続けるのなら、俺たちのパーティーに入らないか?」
ランシアは口元を押さえて目を見張った。またうれし泣きだ。
「いいんですか、あたしみたいな駆け出しが」
「大丈夫。うちの半数は今まで戦闘に参加してなかったから、まだ初心者だよ」
そうなれば、ランシアの快癒とメンバーに入ったお祝いだ。みんなでモースさんの宿屋へ戻る。女将さんに頼んで、御馳走を作ってもらう。酒も頼んだ。
料理ができるのを待つ間、部屋に戻ってランシアの荷物を女子部屋に。ついミリアムがいるつもりで三人部屋を取ってしまったが、結果オーライだったな。そして、そこでアイテムボックスを開いて、残りのメンバーをランシアに紹介した。
「エレ、ロン。今日から仲間になったランシアだよ。仲よくしてやってくれ」
エレは寝ていたようだ。ロンを前足で抱きかかえるようにして電気をあげている。ロンはまだ熟睡か。生後三日だからな。
『むにゃ……パパだ。このおねぇちゃんがランシアなの?』
『そうだよ。ロンが起きたら教えてくれ』
エレは分かった、と答えた。
「この子……タクヤさんの従魔ですか?」
アイテムボックスにも電光トカゲにも、ランシアは驚いているようだ。まぁ、そうだろうな。
「そうなるかな。俺にとっては可愛い子供たちだよ」
ゲートを一度閉じて、今度は反対側の面を開く。エレの後ろ姿の手前に、小さな机を置いてある。そこに乗ったノートパソコンを指差して、ランシアに紹介する。
「こっちはキウイ」
「……これは、魔法具ですか?」
さすがにノートパソコンは理解の範疇外だな。
「まぁそうだけど。キウイ、ランシアに自己紹介しなさい」
久しぶりに念話ではないキウイの声がスピーカーから響く。
「はじめまして、ランシア様。私はタクヤの魔法具でキウイと申します」
今日のランシアは驚きの連続だな。
ランシアに、俺が魔法を使えるのはキウイのおかげだということと、キウイにとっての活力の元、電気を与えているのがエレだと伝えた。
「じゃあ、もしかしてタクヤさんは……異世界から召喚された勇者?」
毎度思うけど、素直にうなずけない事情なんだよな。
「まぁ、そう言うことになるんだろうな。ただ、俺はキウイに命じて、こいつの魔法を使ってるだけだ。魔物を使役する人をこっちでは調教師というらしいから、強いて言えばそれに当たるかな」
おかげで、俺はずっとレベル1のままだし。
「言うまでもないけど、これらの事情は秘密にして欲しい。旅が続け難くなるから、あまり勇者とかも吹聴しないようにね」
彼女は真剣な顔でうなずいた。
そんなことを話していたら、やがて階下から良い匂いがしてきた。みんなで下に降りて、宴の始まりだ。
料理はなかなかいけた。酒の肴にもあう。もっとも、酒に弱いグインは禁酒だ。しかし、他の男子組は既にほろ酔い気分だ。女子組は、ランシアが結構いける口だとわかった。アリエルはワインをゴブレットでちびちび飲む程度。トゥルトゥルは年齢から言ったら問題ないはずだが、酔わせるのは危険すぎるので禁酒を命じた。本人も酒が好きというわけではなさそうだ。
ランシアはジンゴローと意気投合していた。彼女の鎧は、ほとんどジンゴローが作ったようなもんだからな。俺がやったのは固い甲虫の殻をゲート刃で切り分けただけ。皮帯などの細工はほとんど彼がやってくれたし。
ランシアの生い立ちも少し聞けた。父親は北の大陸で食い詰めた傭兵で、こっちなら冒険者として魔物を狩って暮らしていけると見込んで海を渡って来た移民だという。冒険者の中にはそうした連中がかなり多いらしい。そのうちにパーティーを組んだ女性の冒険者とゴールインして、ランシアが産まれたと。しかし、彼女が成人する前に二人は迷宮に挑み、そのまま帰らなかったという。
両親と死別してからは、預けられてた宿屋の手伝いをしながら、父の知り合いの冒険者に剣の稽古を付けてもらい、先日、デビューしたと。
「ありがちな物語ですよね」
湿っぽくなりそうな話題だが、彼女はあっけらかんとしていた。騙して利用した悪質な連中のことは、もう過去のことらしい。
宴のあとは、それぞれの部屋に入って早めに休む。明日は魔物退治だから、しっかり休むのが大事だ。寝る前にロンが一度起きたが、もうランシアが部屋に下がった後だったので、紹介するのは明日にしよう。
いつものエレとの夜のおしゃべり。今日は沢山話すことがあった。それでも酒が入ったこともあって、俺はすぐに寝落ちしてしまった。
翌朝。朝食の後で、俺は一旦宿を引き払った。ランシアもギルドで教えられたと言うが、魔物討伐に出かける時の決まりだという。死んだりして宿代が払えない可能性があるからだという。その代わり、かさばる荷物などは預けていくことも多いらしい。もし死亡した場合は、宿が売り払ったりするらしいが。
ギルドで聞いた「モンスター蜂」の巣は、街から馬車で西へ数時間ほど進んだところにあるという。しかし、ゲートボードを飛ばせば何倍もの速度だから、一時間もかからないだろう。各自、装備を整えて階下の食堂に集合。
「あの……馬車の用意はいらないんですか?」
ランシアはその辺を知らないので、誰も馬たちを厩舎から出そうとしないのが不思議らしい。馬と馬車は、今日中に俺たちが戻らなかったら売り払っていいことにしてある。
「短距離なら、もっと便利な乗り物があるんだよ」
まずは城門から街の外へ出る。しばらく街道を歩き、人目に付かないように道から逸れたところで、全員が座って乗れるゲートを開き、別なゲートから敷物を出してしいた。
「さあ、みんな乗って。スピード出すから座った方が良いよ」
皆、敷物の上に座る。アリエルだけは御美足の腰かけモードだ。俺はランシアを手招きしてすぐ横に座らせた。
「タクヤさんこれって……」
ランシアだけは上手く状況が飲み込めない。ま、驚かすためにやってるんだけどね。
「百聞は一見にしかずさ。では、出発」
ゲートボードを一気に十数メートルの高さまで上げる。
「きゃっ!」
期待通りにランシアは俺にしがみついてくれた。魔物討伐だから仕方ないが、できれば鎧を装備してない時にやりたかったな。
「きゃあ♡ご主人様♡」
反対側からトゥルトゥルがしがみついてくる。だから「♡」は無しだって。
俺は森の上を木々を掠めてゲートボードを飛ばした。風が強いが、バランスを崩しそうな者はアリエルが魔法の手で支えてくれるから安心だ。
ランシアは、俺にしっかりしがみついてるしね。
トゥルトゥルも大喜びでしがみついてる。しね。
時々、背の高い樹木を左右にかわしながら、大体時速四、五十キロの速度で西へ。一時間もすると、前方にモンスター蜂とやらの巣が見えてきた。徐々に速度を落とし、上空から見下ろす。
「こりゃデカイな」
日本でもたまに、スズメバチが巣を作って問題になることがあった。大きなものはひと抱えくらいあるそうだが、これはけた違いだ。ランシアがロイヤルゼリーを求めて潜った巣は家くらいあったというが、こっちはさらに大きくてビルくらいある。周囲は鬱蒼と茂った木々に囲まれている。
覗きパネルをみんなの目の前に開いて断面透視。巣の断面を上から下までスキャンする。内部は同心円状になっていて、中心にある十メートルほどの広間に居るのが女王蜂らしい。こいつと、そのそばでロイヤルゼリーに浸かってる次の女王の幼虫を倒せば、この巣は全滅となるだろう。女王蜂は他のやつよりかなり大きくて、体長二メートルはあった。
女王と幼虫を倒すのはグインに任せよう。闘気の鎧があるから、蜂の針も毒も問題ない。瞬間移動であそこへ送り込めばいい。だが、狭い巣の中心部で大剣を振り回すのは難しいし、他の蜂が群がってきたらグインでも防戦一方だ。
空間断裂斬を駆使すれば俺一人でも退治はできるけど、みんなのレベルが上がらないと面白くない、というか、迷宮に潜るとかしたら、そのうち犠牲者が出そうだ。みんなで戦って、みんなでレベルアップ。これだよね。
「よし、最初に一匹倒して、他の蜂の注意をこっちに引き寄せよう。それで巣の中がほとんど空になったら、グインに突入してもらう」
俺の作戦にみんなうなずいた。
で、問題は誰に先鋒を務めてもらうかだ。注意を引きつけるのが役目だから、行きはさておき、帰りは瞬間移動は使えない。
「ランシア、頼む」
突然の大抜擢に、彼女はまたも驚いていた。
「あ、あたしですか?」
俺はうなずいた。
「逃げ足は速いだろ? この前の黒蜂の群れから逃げ切ったように、あそこからここまで走ってくればいい」
彼女は鬱蒼と茂る森が気になるようだ。不安そうに見下ろしている。
「でも、森の中で別な魔物に襲われたら……」
当然の心配だが、大丈夫。まずは舞台づくりからだね。
「それなら、任せてくれ」
アイテムボックスで伐採事業を開始。まずは百メートル四方ほどの森の木々を、片端から切り取って深淵投棄していく。次に、そこから巣までの間を、幅三メートルほどで切り開いた。
切り開いた空き地にみんなの乗ったゲートボードをおろして消すと、俺はランシアに言った。
「道を用意したから、ここを走ってくればいいよ」
あ、ランシアが固まっちゃってる。しばらくそっとしておこう。
最後に、トゥルトゥルのために石礫を足元に出してやった。
「それじゃ、仕掛けるぞ。マオ、俺以外に保護の魔法を。ランシアには特に念入りに」
うなずくと、マオは無詠唱で魔法を行使した。みんなの体が赤い光に包まれた。四人の光はすぐに消えたが、ランシアのはしばらくかかった。かなり強めにかけたようだ。早速、魔法の対価はキウイに引き取らせる。そして、全員が武器を手にした。手ぶらはマオと俺だけだ。
「では戦闘開始!」
まずは特大のゲート刃を水平に、巣の中ほどよりやや上に開く。巣がそこで切断され、ゲート刃を移動させて上半分をすぐ横に落とす。突然天井が無くなった巣の中は大騒ぎで、何千もの蜂がオレンジ色の雲のように湧きだしてきた。確かにこれは毒々しい色だな。
「ランシア、頼むぞ!」
真剣な顔でうなずく彼女を、切り開いた道の先端、巣のすぐ近くに瞬間移動させる。目眩がしたのか、一瞬よろめく。しかし、すぐに立ち直って近くに飛んできた一匹をショートソードで斬り落とした。
その瞬間、ただ飛びまわるだけだった蜂の群れが、彼女めがけて群がって来る。すかさず、彼女は道をひた走った。何度か追いついてきた蜂をさらに斬る。
狙った通りだ。遠隔視で見ると、怒り狂った蜂たちはほとんどがこっちに向かっていて、巣の中は空っぽだ。
大剣を構えたグインに命じる。
「行け! グイン!」
赤い闘気の鎧をまとった彼を、瞬間移動で女王蜂の広間に送り込む。即座にグインは大剣をふるったが、女王の殻はよほど固いのか、闘気の大剣すら弾いてしまった。体節に打ち込まなければ刃が立たないようだが、女王は巨体の割に動きが早く、なかなか攻撃が決まらない。
そのうちに、俺たちの存在に気付いた蜂の群れが、ランシアを追い越してこっちに迫ってきた。物凄い数だ。
「数を減らす。空間断裂斬!」
十メートルの立方体を切り刻むようにゲート刃を出す。その範囲にいた蜂が微塵切りになる。いくつも出していき、数を五分の一くらいまで減らす。それでもまだ数百匹が向かってくる。戦闘初心者たちのレベル上げの糧になってもらおう。
ランシアの様子を見ると、蜂の群れに追いつかれて囲まれそうだ。前に回ろうとした一団を空間断裂斬で粉砕する。左右から挟みこもうとした奴らも同様に倒す。
「マオ、ランシアの支援を。魔力は節約で」
「了解」
俺はグインの支援だ。思いのほか苦戦している。大剣をふるえるよう、天井を切り取ったのが仇になった。シロアリの女王と違って、女王蜂は飛べるんだった。空に逃げられると、グインでは追うに追えない。
俺はグインの足元にゲートボードを開き、飛んで逃げようとする女王蜂に追いつかせる。グインは一瞬バランスを崩したが、大剣をゲートボードに突きたてて杖代わりにし、なんとか落ちずに済んだ。
右に左に、上に下にと逃げようとする女王蜂を、俺の操作するゲートボードが追尾する。そこから打ち込むグインの斬檄が、ついに女王蜂の片方の羽を切り落とした。今度は女王蜂がバランスを崩し、錐もみ状態で森へと落下する。
グインをその墜落した女王のそばに降ろし、俺は女王の支援に群がってきた蜂を始末して行く。墜落の衝撃で脚をやられたのか、女王の動きが鈍い。これなら時間の問題だろう。
振り返ると、初心者組が善戦していた。アリエルが御美脚を椅子モードにし、十本の魔法の手すべてで短剣を操り、鉄壁の守りとなっていた。近づく蜂どもはその短剣で次々と貫かれていく。まるで短剣が勝手に宙を舞って敵を倒しているように見える。それでも近づいてきたら、両手のバックラーで防御。
トゥルトゥルはフーパックのY字型の部分に張った革に石礫を入れ、豪快なスイングで撃ち出している。百メートル以内なら、ほとんど外さない命中率だ。近寄った敵は尖った石突で槍のように串刺しにしてる。
ジンゴローも、アリエルの守りのすぐ外側で、トゥルトゥルが撃ち漏らした蜂をショートソードで突いて倒している。グインから簡単な手ほどきを受けただけとは思えない。
意外なのがギャリソンだ。バックラーで蜂の毒針を上手くかわしながら、最小限の動きで無駄なく敵を倒していく。ショートソードの扱いも、毎日ふるっている包丁並みに手慣れている。流石に三百歳は伊達じゃないな。
そこへ、蜂を引き連れ全力疾走してきたランシアが辿りつき、へたり込んで激しくあえいだ。
「も……もうだめ、走れない」
「ご苦労様、おかげで決着がつきそうだよ」
グインは女王の右側の後ろ脚を切断し、ほぼ完全に動きを止めた。そしてついに、頭と胴体の間に大剣の斬檄を決め、頭部を切り落とした。
俺はグインに遠話をかけた。
『グイン、よくやった。女王の死骸はアイテムボックスで回収するから、巣に残った女王の幼虫を始末してくれ』
『はい、我が君』
ゲートボードを彼のそばに寄せて、女王がいた中央の広間に送り込む。母親を殺されたのがわかるのか、幼虫はロイヤルゼリーの詰まった穴から襲いかかってきた。しかし、軟らかな外皮はグインの大剣で容易に切り裂かれ、絶命した。
『そっちの魔核の回収を頼む。終わったら教えてくれ』
昆虫型の魔核の位置は種族ごとに違うので、断面透視で位置を確認してグインに伝えた。遠話の回線は維持しておく。そして、女王の死骸をこっちに転送。
百メートル四方に広げたゲートボードの上には、蜂の死骸が散乱していた。こちらも魔核を回収しないと。飲みこんだ魔物がレベルアップしてはたまらない。ゲートを広場の四隅に柵のように出し、中央へと寄せていくと、散らばっていた死骸が集まって来た。
ランシアが走ってきたゲート通路にも死骸が落ちているので、同じように柵を作ってからこちらにたぐり寄せる。結果として、広場の真ん中には蜂の死骸がうず高く山となった。
「こんなに大量の魔物を、こんな短時間で……すごいですね」
ようやく息切れが収まったランシアが感心してくれた。
極端な話、女王蜂も蜂の群れも、俺一人、というかキウイの魔力で倒せたろう。でも、それじゃキウイのレベルが上がるだけで、みんなが強くならない。それでは、一緒に迷宮に潜れないからね。
グインが遠話で幼虫の魔核を回収したと告げてきたので、こちらに転送した。それから全員総出で魔核を回収する。終わった時には昼近くになっていた。
さて、昼飯の時間だから、ランシアにはもうちょっと驚いてもらおう。その後には、ちょっと厄介な問題も解決せにゃならんし。
タクヤがドウエルで生首と反応しているのは、「ドウエル教授の首」というSF小説です。
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