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#3-1.冒険で貢献!

 その日の夕方、俺たちはソルビエン市に到着した。

 旅の間にギャリソンから馬車の運転法を教えてもらったので、今は俺が手綱を握っている。その間ギャリソンに休んでもらうつもりだったが、食事の下ごしらえをしたいというので、アイテムボックスの中に調理場を作った。ゲートを開いておけば火を使うこともできるし、鍋がぴったり収まるアイテムボックスに入れておけば冷めない。おかげで、野営の時は小屋を出してすぐに夕食が食べられるようになった。

 この世界の街はどこも城壁に囲まれているが、ここの城壁は街のサイズから見るとかなり立派だった。高さが二割増しくらいだろうか。近くに魔物が数多くいるというから、それに対してのものだろう。

 門では出入りする者の検査をやっていた。荷車などに小型の魔物が紛れ込んでいたりしないか警戒しているのだろう。ペイジントンの時はかなり待たされたが、あっちは商業都市なので密輸の検査に時間がかかった。ソルビエンは冒険者がもたらす魔核や魔物の部材が主な交易品なので、それらが無ければ検査はあっさり終わった。

 城門をくぐるときに分かったが、高さばかりでなく厚みも二~三割増しくらいになっている。これだけ厚ければ、ドラゴンの一撃くらいでは崩れないだろう。もっとも、ドラゴンなら空から襲うだろうけど。

 城門を抜けると、そこは半円形の広場だった。こうした作りは、大体どこの町でも同じだ。

「わぁ、すごい」

 トゥルトゥルが歓声をあげた。

 なるほど、確かに凄い。道を歩くものの大半が革鎧などで武装している。どうやら、この街の人口のかなりが冒険者らしい。冒険者ギルドの規模が大きいわけだ。

 しかし、同じ武装と言っても、軍隊と冒険者ではかなり違うな。軍隊なら装備が統一されているわけだが、冒険者は各自バラバラだ。しかも、鎧や兜などに飾りをつける者も多い。大半は飾りのない質素な作りだが、派手な飾りを付けている者もいる。おそらく高レベルの金周りのいい連中なんだろう。名工の作った一品モノなのかも。

 また、おそろいの飾りを兜に付けていたりするのは、同じパーティーの印かな? 羽飾りをつけたグループがすれ違った。

 なにはともあれ、宿を見つけないと。城門の番兵に聞いてみれば良かったな。

 この世界では、意外と店を遠くから見つけるのが難しい。まず看板が小さい上に、夜になると街灯も明るくない。そのかわり、広場には宿屋の客引きが結構多い。

「そこのお兄さん、宿をお探しかい?」

 明るいブラウンの髪の、二十歳前後の女性が声をかけてきた。

「ええ。一人部屋と、三人部屋を二部屋で泊まりたいんですが」

 あ。女子部屋は二人部屋で良かったのに。つい、ミリアムが居るつもりで頼んでしまった。男子部屋はギャリソンとジンゴローが半分ずつ寝れる。

「部屋なら問題ないよ。それだと一晩で銀貨七枚。夕食がまだなら、大銅貨三枚で一人分」

「帝国銀貨で?」

「もちろん。旅の人は大抵それでしょ?」

 確かに。港湾都市で両替が必要かと思ったが、帝国の通貨なら、同盟国のどこでも使えると聞いたっけ。

 銀貨(スタテル)が大体千円、大銅貨(デカドラ)が百円だから、素泊まり一人で千円、夕食が三百円か。他の町より結構安いな。しかし、この世界での一般庶民の生活費が安いこと。全く同じ品でも、貴族様御用達だと価格の桁が違う。贅沢品とか特注だと一気に跳ね上がるし。

 まぁ、それでいいんだろうけどね。この世界では。

 俺は客引きのお嬢さんにうなずくと、彼女の先導に合わせて馬車を走らせた。


******


 宿屋の部屋は、宿場町よりちょっとだけグレードが上? と言う感じだ。文句はない。

 食堂で出された夕食も、決して悪くはない。いつの間にか、ギャリソンの料理が標準になってるのが、強いて言うと問題かもしれない。

 そんなわけで、とりあえず問題なく、ソルビエンでの最初の夜は暮れて行った。

 翌朝、朝食の時に、客引きをしていた女性に聞いてみた。宿の看板娘で、名前はモース。なんだか硬そうな名前だが、お堅いのかどうか試す気はない。

「この街は冒険者が多いね。ギルドに行ってみたいんだけど」

「冒険者ギルドなら、この大通りを進んだ先よ。太守様の城塞のすぐ手前」

 なるほど。この街の太守が、どれだけ冒険者を重視しているかわかるな。

 しかし、その膨大な需要を満たすだけの魔物が生まれているってのは、確かに問題だ。エレのような青魔核ならともかく、人を襲う衝動を秘めた赤魔核では。もし、ギルドに魔物退治の依頼があったら、受けてみるか。

 モースさんに出かける旨を伝えた。ギルドには、どうせだから全員で行って登録してしまおう。ギルド会員でないと迷宮に潜れないとかあったら面倒だからね。クラーケンの魔核、買い取ってくれるといいんだが。

 街の城門から続く大通りを、辻馬車に乗って街の奥へと進む。歩いても良いんだが、人魚のアリエルは魔力で御美足を動かしてるから、長距離は可哀そうだ。

 太守の館は城壁に囲まれていて、城砦都市の中の城という感じだ。辻馬車に乗り合わせた乗客によると、大規模な魔物の襲撃があったら街の人を収容して保護するらしい。シェルターって感じだな。

 太守の館には第二の城門があり、その手前はやはり半円形の広場になっていた。冒険ギルド会館はその広場に面した一角にあった。

「結構、風格があるな」

 なぜか知らないけど、元の世界の銀行を思わせるような重厚な建物だ。ああ、ギリシャの神殿風の柱が外側にあるからか。

 荘厳な感じの正面玄関をくぐり、俺たちはギルドの会館に入って行った。

「中も銀行みたいだな」

 この世界に銀行があるのかよくわからないが。金貸しはいるけど、預金を預かるってのはなさそうだ。

 ギルド会館は入ってすぐが大広間になっていて、入ってすぐに番号札を渡された。広間の奥には窓口がいくつもあり、その上には数字が二組表示されたパネルがある。片方が窓口の番号で、もう片方が番号札のものだという。窓口が空いたら、その番号と番号札の数字が出るよう、係りの者が魔法で操作しているらしい。アリエルと同じ魔法の手だな。見ているうちに、テニスの得点表みたいにパタパタと表示が変わっていく。

 面白いもんだ。便利さを追求すると、こっちの世界でも同じような形になるのか。

 銀行と違うところは、広間には椅子とテーブルがあって、有料だが軽食と酒が出ることだ。気短かな冒険者も、これなら納得だろう。しかし、朝から酒を飲んでる奴がこんなにいるとはビックリだ。

 手元の番号札と番号パネルを確認する。今日は人が少ないのか、朝だからなのか、そんなに待たなくても済みそうだ。俺たちはテーブルに着いて待つことにした。

 ほどなくして、パネルの番号が進んで俺たちの番号札と一致した。示された番号の窓口に行く。

「本日はどのようなご用件でしょうか?」

 こぎれいな中年の女性だが、できたら、若くて美人な二つ向こうの窓口が良かったんだけどな。

「まずは俺たち、この冒険者ギルドに入会したいんだけど」

「では、入会申込書にご記入ください。何名様ですか?」

「はち……いや七人です」

 どうしてもミリアムの分まで考えてしまう。なかなか慣れないもんだ。

 俺は七枚の申込書を受けとった。

「記入したら、あちらの箱に入れてください。手続きが済めば、係りの者がお呼びします」

 意外と合理的だな。

「あと、魔核の買い取りをお願いしたいんですが」

「では、ここに出してください」

 みんなに壁となってもらい、周囲から見えないようにして足元にアイテムボックスを開く。最初は電光トカゲ(アストラサブラ)の魔核だ。ロンの母ちゃんのだな。

 オバチャンに渡すと、身長計を小さくしたような計測器でサイズを測り、短冊形の色の標本の束と見比べて色合いの深さを調べ、B5版くらいの石板にチョークでササッと計算して金額を示した。この世界に算用数字はないが、和算のような式に見えた。

「金貨十二枚となります。よろしければ、お引き取り致します」

 おお。結構行くもんだな。これだけでも、残りの旅の路銀に十分だ。

 しかし、何と言っても問題はクラーケンの魔核だ。

「それでお願いします。で、もうひとつ、大物があるんですが」

「それは凄いですね」

 オバチャンがニコニコしているので、もう一度アイテムボックスを開く。大きさも重さもボーリングの球と同じ、深紅の魔核を抱えあげ、受付の台に載せる。

 ん? 反応がないぞ。

 オバチャンの笑顔が凍りついている。あー、これってエルベランでも見たな。

「えーと。買値が付きませんか?」

 俺の言葉で、オバチャンの意識が戻った。

「あ、はい。ちょっとここの計測器では測れませんので」

 なるほど、さっきの身長計のような器具では、この魔核は挟めそうにないものね。仕方ない、これはトラジャディーナ王都か迷宮都市ガジョーエンのギルドに頼もう。大物は場を選ぶんだな。

 ちなみに、買い取り金は出口でこの証書を見せれば受けとれるらしい。

 窓口でやることは終わりなので、電光トカゲ(ロンのママ)の魔核の代金を受け取って、テーブル席に移動する。

 帝国の公用語はアストリアスでもトラジャディーナでも広く使われているので、俺とマオ、ギャリソン、ジンゴローは自分で書けるが、トゥルトゥル、グイン、アリエルは自国の文字しか読み書きできないという。なので、三組に分かれて記入だ。

 用紙にはレベルを書く欄があったので、最初にマオに全員のステータスを鑑定してもらう。非戦闘組もそれなりにレベルが上がってるが、トゥルトゥルの「男の娘レベル二十」でずっこけた。

 俺は自分の用紙を書き終えると、目の前のトゥルトゥルにインタビューだ。

「名前なんだけど、ケンダーって苗字(ファミリーネーム)はあるの?」

「ないよ。誰と誰の子、みたいなのは有るけど」

 ロシアのなんとかビッチとか、イギリスのマクなんとかは、全部「なんとか」の子、という意味らしいな。まぁ、この世界のヒト族は貴族でもない限り苗字(ファミリーネーム)は付かないようだから、空欄でいいか。

 ……てことは、ガロウランという苗字を持ってたミリアムって、貴族だったのかな?

 ……あー、未練がましいな、俺って。次行こう、次。

「性別。男で良いよな?」

「男の娘だよう」

 俺は頭をかきむしった。

「あのな、こんな項目が意味を持つのは、お前が迷宮とかでおっ死んだ時だ。死んでまでギルドの職員さんに迷惑かけるんじゃない!」

 渾身の力を込めて、「男」と書きこむ。

「次。年齢」

「ちょっと待って」

 指を折りながら、数え始める。

「えーと、今ってルテラリウス歴何年だっけ?」

 異世界人の俺に聞くな。

「マオ、今年って何年だ?」

「百と三年です」

 答えるマオは、グインの申込書をスラスラ書いている。あっちは楽でいいなぁ。

「えーとね、百十四歳」

 凄い数字来ました。妖精族は基本、やたらと長寿らしいけど。首を伸ばして覗いたらジンゴローもギャリソンもそうだったとは。二人とも二百とか三百とかです。アリエルは見た目通りの二十四歳だった。

 しかしこれ、某閣下の「十万と何十何歳」的なノリにしか見えないな。そもそも、トゥルトゥルがこの性格でこんなに長生きできたのが不思議だ。ケンダーは恐怖への耐性が高い分、慎重さに欠けると言われてるからなぁ。そのまんまだ、コイツは。

 とはいえ、用紙には申告通りに記載しましたよ。事実は事実ですので。見た目がそっくりかえるけど。健康で長生き。良いことだ。歳の功とは無縁みたいだが。

「種族はケンダーでいいよな。主なスキルは何にする?」

 多分、ギルドから依頼を受ける時にチェックされるんだろう。

「かわいい♡とか、服飾♡とか」

 俺は羽ペンを置くと、トゥルトゥルの頭を両手でガッシと掴んで揺さぶった。

「真面目に答えろ。魔物討伐とか迷宮攻略に役立つスキルだ」

 ちょっと涙目になりながら、トゥルトゥルは答えた。

「スリングショット。罠発見、解除。解錠」

 そうそう。お前はやればできる子だよ。やればね。

 最後の項目が大問題だ。集団で登録するなら、パーティー名が必須だと。

 俺はみんなに聞いた。

「何か良い名前ないかな?」

 失敗だった。

 涙の勇者と愉快な仲間たち。「涙」が「悲嘆」とか「嘆き」などに変わったバリエーション沢山。

 なんで俺だけ泣いててみんな楽しんでるの? ということで却下。

 勇者タクヤと云々。俺の名前を晒しものにするな。

 結局、今回の旅の目的である「竜との盟約」から、「竜盟ドラゴン・コントラクト」という名前に落ち着いた。つーか、俺が決めた。略称の蘭もあったので、「ドラコン」と記入した。略称が英語なのは趣味ね。

 書き終わった書類を箱に入れ、しばし待つ。黙ってると、どうしてもここに居ない人の事を考えてしまうので、必死に雑談に励んだ。トゥルトゥルの自分語りがなかなかおもしろかった。なるほど、何か失敗するたびに奴隷になってたのか。それも、結構可愛がられてたらしい。カワイイは正義とか言うけど、長寿にもなるんだな。

 ……可愛がられた詳しく書くと十八禁になっちゃうけど。

 やがて、係員から名前を呼ばれたので、出口で人数分の会員証を受けとる。首から下げる小さな二枚組のタグ。入会したばかりは最下位なので、鉄製のタグだ。続いて銅、銀、金、ミスリルとなるらしい。さっき申込書に書いたことが、細かい字で刻まれている。二枚あるのは、片方は予備で、迷宮に潜る時に予備の方を入口で預かるらしい。身元確認用だな。

 しかし、ミスリルなんてファンタジックな金属が実在するんだな、こっちでは。係員に聞いてみたら、淡い緑色を帯びた銀色だそうだ。きっとそのうち、お目にかかれそうな気がする。やたら丈夫な金属らしいから、タグの文字を彫るのが大変だろうな。

 さて、「やるべきこと」は終えたのだが、昼飯にはまだちょっと早いし「出来たらいいこと」もこなしておこう。出口から受付に取って返して、ギルドに上がっている依頼のリストを見せてもらう。

 ふむ。依頼をこなせないことを避けるために、冒険者のランクごとの依頼になっているのか。確かに、鉄ランクのペーペーがドラゴン征伐とか受注したら、全滅してそのまま、なんてことになりそうだしね。

 俺たち「ドラコン」も、最初は「毒消し草の採取」なんて初級クエストからかと思ってたら。さっきのオバチャンが息せき切って走ってきた。ダイエットなら、むしろ有酸素運動だよ?

「す、すみません。あの巨大魔核の事が上に伝わって無かったようです。皆さんの会員証を更新いたします」

 彼女が俺たちに手渡したのは、金ぴかの会員証。

 一体、何階級特進したんだ。何回戦死した?

 ……さらば、毒消し草クエスト。いきなり凄い依頼が来るな、これは。

 という予想通り、俺たちはギルドマスターの部屋に連行された。四十代の恰幅のいいオッサンだ。

「さて、タクヤさん。あなたはペイジントンや帝都を魔族から救い、海運ギルドを悩ましていたクラーケンを退治した、『涙の勇者』ということでよろしいですか?」

 微妙だなぁ。

「否定はしませんが、その称号はどうかと。そんなに泣いてたら干からびちゃいます」

 意外にも、ギルドマスターは豪快に笑った。

「まぁ、称号なんて他人が口にするものなんで、意に沿わないのも当然でしょう」

 てなわけで、この件は完了(クローズ)

「それはさておき、皆さんが高レベルのパーティーなのは疑問の余地が無いので」

 俺としては、さっきのマオの鑑定で出てきたトゥルトゥルの「男の娘レベル二十」に突っ込みたいんですけど。達人レベルの男の娘って何よ? どんな攻撃を繰り出すのか、見たくも聞きたくもないんですが。

「で、是非とも皆さんに引き受けて欲しい依頼があるのです」

 そう! どうせならそっちに話を向けようよ。確実に旅人などが恩恵を受ける話に。

「俗に、『悪魔の毒毒モンスター蜂』と呼ばれる魔物が、街道近くに巣をもうけまして」

 ……なんか、詳細を聞かなくても良さそうなくらいの名前なんですが。これって、この前ランシアを助けた時の蜂と親戚だろうか。

「これらの討伐が金貨十枚で募られてます。が、未だに応募者がいなくて……」

 随分な額だな。日本円だと百万円か。

 なるほどな。蜂ってことは、数だけは何千も来るから、低レベルでは全滅クラス。そうなれば、高レベルのパーティーに任せたいのも道理。しかし、いわゆるドロップ品が毒針や羽程度。魔核も小さい。うま味は少ないわけだ。

 俺たちなら拒否しないと見られたのか、ギルドマスターは続けて詳細を話し始めた。

 毒のレベルを聞くと、うちの戦闘組なら即死にはならならなそうだった。魔王のマオやグインなら何事も問題なし。

 残る俺も、流石に肉眼では敵の動きは追いきれないが、キウイの監視があれば、身体操作と透明鎧でかわせる範囲だ。

 問題は非戦闘組の四人。トゥルトゥルはY字杖のフーパックで石礫(いしつぶて)を撃てるから、残る三人の護衛を頼もう。いよいよヤバイとなったら、アイテムボックスに避難させればいい。

 ……いや待てよ。この際、非戦闘組にも少しずつ戦いを経験してもらった方がいいな。アリエルの魔法の手は、使いようによっては戦闘に役立つし、ジンゴローもギャリソンもショートソードくらい使えた方が良い。

 ……勇者のはずの俺が、そうなると最弱になりそうだな。

 念のために三人に聞いてみた。

「お役にたてるよう、頑張ります」

 アリエルはいつもけなげだ。

「竜とかならともかく、蜂くらいに臆したりしやせんぜ、旦那」

 ジンゴローもやる気だな。

「このギャリソン、若様の命とあらば奮戦いたしましょう」

 うん? ギャリソンが意外と積極的だな。

 非戦闘組も戦うのなら、なんとかいけるな。俺とグインが前衛、マオが全員の防御、残りは後衛で専守防衛。

 俺はギルドマスターに応えた。

「分かりました、お受けしましょう」

 がっしりとした手で握手された。

 さて、準備もあるから、討伐に出るのは明日だ。どこかの店で昼を食べて、午後は市内をぶらつくか。ジンゴローとギャリソンの装備も必要だし。

 ギルド会館の出口で、係りの者にお勧めの店はないかと聞いてみた。中年男性の職員が、にこやかに応じてくれた。

「食事なら、前の広場にある『かずら亭』という店がお薦めですよ。季節ごとのメニューがあります。装備なら、会館の裏手にある『ドウエルの武器屋』がよろしいでしょう。初心者向けの刀剣や鎧が揃ってます」

 飯屋はともかく、武器屋の方は生首でも売ってそうだな。まぁ、行ってみるか。

 係りの者に礼を言って、俺たちは会館を後にした。


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