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怪異探究行

ドラッグ、アルコール、そしてICUの猫

作者: 藤代京


 前にダイアン・フォーチュン曰く、殺人犯なんかはそうでもないけど、アル中、ヤク中、ある主の精神障害者は甚大な霊的汚染をもたらす。


 そして、俺は、それはアル中連中は脳の保護機能がぶっ壊れているせいである、と書いた。


 それについて気づきがあったので、補稿として少々。


脳の保護機能がぶっ壊れているとは、どういうことなのか。


 それは脳に正しい情報が入っていかない状態である。


 正しい情報が入力されないだけで、人は簡単に薄明の世界に彷徨する。


 入力がないから人が外を認識するときに生じるズレを補正できなくなって、暴走する。


 人は世界を絶対的に認識しておらず、相対的に認識してるゆえに。


 相対であるから、情報が途絶すればあっけなくずれる。



 昼に幽霊が出ず夜に出る理由がそれだけ。


 明るい所で得る情報は多く明解であるから、脳に深刻な障害でもない限りどうがんばっても幽霊なんか見えるはずがない。


 暗く情報がとぼしく曖昧な状況でないと。



 またそれはアル中たちの状態にもにている。


 明るかろうが暗かろうが、彼らは情報がとぼしく曖昧で脳が薄明にさ迷っているとも言える。


 それは怪異を観測するにのも似て、見るたびに姿を変え、全容を測ることは叶わず、境界も曖昧として、異常と正常の区別もつきはしない。


 ある意味、彼らは怪異を生きている、いや怪異として生きているとも言える。


 だからこそ汚染されるのだろう。




 極論すると人間とはなにか? という問いの答えは意思でも人格でもなく、ただ正しく情報が入力されるかどうかだとも言える。



 であれば、怪異や呪術の領域に踏み込むためには脳への情報を遮断する、または一つの情報だけで脳を飽和させる手法が有効だろう。


 そう言えば昔、誰だったかアイソレーションタンクで情報を遮断して意識の変容だとか言っていた人がいるが、それは魔境にはまっているだけだろう。


 犬神の作り方に、犬生きたまま首だけ出して地面に埋め、犬が届かないギリギリの所に飯を置く。

 犬の息で飯が黄色く変色した時、すなわち犬の飢餓が極まった時に首をはねて犬神として使役するってのはあるが、これは犬の脳を飢餓で飽和させている訳だ。


 そしてこれが人間でも同じことができるだろう。

 同じように人間を埋めて、その脳が餓え一色で染まった時に首をはねれば犬神ならぬ人神をつくることもできるだろう。


人は一人では生きていけない、と言うがちょっと違う。


 人は他人からの情報が正しく入力されないと人間らしく生きていけない。


 その情報を遮断するだけで、簡単に人ではないものになる。




 ICUの猫についてはまた今度で。



 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] ナチスのじっけんかな? 完全に無音な場所にひとりでいると人は気が狂うって話は聞いたことがあります だからといって、目が見えなくて耳も聞こえない人が気が狂っているということはありませんよね …
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