再会3
「私がAクラスの担任をしている、沖田恵」
ロングスカートを履いた女性に連れられ、タクマは教室に向かう。卓真と神威はタクマを職員室へ案内すると、すぐに教室へと行かされてしまった。タクマはと言うと、職員室で嫌みを言われてしまったが、今のスタンスを変えるつもりはなかった。
「ここがAクラス。私について入りなさい」
教室に入る前に恵が足を止める。タクマに一言残すと、教室へと入っていった。タクマも後ろに続く。
「転入生?そんな話あったっけ?」
「不良みたい」
「でも、なんかかっこよくない?」
タクマの姿を見留、教室中がざわめく。タクマが教室を見渡すと、卓真と神威が小さくピースサインを出しているのが見えた。
恵が黒板にタクマの名前を書く。
「今日からこのクラスの仲間になる、越智君。仲良くするように」
「越智拓馬です。よろしくお願いします」
恵の形だけの挨拶の後に、タクマも形だけの挨拶をする。このクラスメートの顔も、タクマは覚えて……。
「越智君の席はあそこよ」
恵が指さした席は、窓側の一番後ろの席。前の席は小柄な女の子。つい先日、コンビニの近くで襲われていた子だ。そして、その隣には――。
タクマは小さく息をのんだ。
どうして、彼女の存在を忘れていたのかだろうか。
“Reunion”end.
→The next episode“Shadow”.
To be continue.