不老
新キャラ出ます!
陽玄の身内で……!
世歴八百四年四月二十二日 午前十時頃 玉蓮藩 玉蓮 政庁内大広間
「此度、我が玉蓮藩を救っていただいたこと――感謝に堪えない!」
陽玄ら一行に畏まって頭を下げる――玉蓮藩の藩主である生歩!
これに貴狼が「貴殿らの働き――見事!」と藩まるごと褒めたたえる!
それから陽玄隣席の下、貴狼と生歩が一時間に渡る会談を行った!
そして即刻――玉蓮藩は尽王朝の自治領となった!廃藩の日まで……!
同日 午前十一時三十分頃 玉蓮藩 玉蓮 近郊 某所
藩主である生歩主催の昼食会が準備中。陽玄らは貴狼の案内で、ある空き地に連れられていた。その空き地に着くと、「貴狼、待たせたな!」と声がする!
声の主は月道の父にして陽玄の祖父である――青月!
しかも先程まで卒兵を倒し尽くした歩兵戦闘車に乗りながらでの登場!
ちなみに青月の妻の彩艶も一緒!
この青月が乗っている歩兵戦闘車に月道と陽玄の親子は――
「「かっけーっ……!」」と歩兵戦闘車への羨望の眼差しを惜しまない!
鋒陰も「いいの持ってるーっ!!」とノリノリでべた褒め!
「……!」
平成の日本出身の真藤に至っては――愕然とするのみ!
――何で歩兵戦闘車が異世界にあるの!? と言う疑問を処理できない!
さらに続いて一台の軍用小型トラックもここにやってきた!これも先程の歩兵戦闘車と同じように卒兵を倒し尽くした軍用車両!
これにも月道と陽玄の親子は「「おおおおおーっ!」」と驚嘆の声を上げる!とはいえ、先程の歩兵戦闘車に比べて劣っている感は否めないが……!
実際に、鋒陰に至っては「ふーん……」とほぼ無反応!
「……」
真藤に至ってはまだ愕然として歩兵戦闘車を見続けている!
その小型トラックの荷台には一丁の機関銃が増設されている!また陽玄と同じように鉑の長髪の人物も荷台にいる!
その人物について「どなた……?」と呟く陽玄。そんな彼に向かって貴狼が――
「今上陛下はあの御方と会うのは――今日が初めてでしたな!」と声をかける!
そこへ鋒陰がわくわくしながら「貴殿が『御方』という言葉を使うということは……?」と貴狼に訊いてくる。これに貴狼は「左様!高貴過ぎる御方だ!」と答えてみせる!
陽玄らが内々にやり取りをしている場合に、既に件の人物は小型トラックの荷台から降りていた!その服装は真藤が前にいた世界でよく見る――迷彩柄!
さらにその素顔に至っては――なんと陽玄の母である照泉に似ている!
肌も照泉と同じように白く、同じくその顔つきも可愛らしくも凛々しい!
ただ一点、照泉との違いを上げるなら――目つきだけがやや鋭い!それも周囲に向かって威圧するようなものではなく、人の心の底を見抜くような鋭さである!
まるで名刀のような鋭さと美しさを兼ね備えた目つきである!
「……!」
そんな件の人物と目を合わせる陽玄――言葉が出ない……!
その月道の場合は「師匠……!」としか言葉が出ない……!
「今上陛下……あの御方が陛下の曽祖父であらせられる――」
「氏が『零』、名は『風』、字が――『空兎』だ!」
貴狼が紹介し始めて、一番肝心な部分で自ら名乗る――空兎!
これに真藤が「あの……御無礼を承知でお尋ねしたいんですけ……」と手を挙げて――
「御年は……御いくつなんでしょうか?」と空兎に尋ねる!
すると当の空兎に代わって、貴狼が――
「今は……四十三歳であらせられる!」と答えてくれる!
この貴狼の答えに「美容に気を使っているんですね……!」と暢気な感想を漏らす真藤。
確かに空兎の顔を見れば――その肌は透明感があり、張りも抜群!到底――四十代に見えない!見えるとしたら――十代後半!というより最早――“美女”!
「零(陽玄の氏)一族は不老だからな」と自然体で暴露する空兎!
この暴露に真藤は「ええっ!?」と驚きの声を漏らしてしまう!無理もない……。
そんな真藤に追い打ちをかけるように、月道もさも当たり前のように――
「そう驚くこともあるまい!破(月道の氏)一族も不老じゃぞ!」と暴露!
この暴露にも真藤は「ええええっ!?」と驚きの声を無意識に漏らしてしまう!
さらに鋒陰も「壱(鋒陰の氏)一族も不老!」と続く!
そこへ止めを刺す様に、貴狼が「――てか、お前の一族も不老だぞ!」と大暴露!
この暴露は真藤の許容範囲を大きく超えて――
「ええええええええっ……!?」と驚いてしまう!いくら異世界でも、不老な方々がこれほどまでに多いとは思えなかった!しかもあまり珍しそうでもない!
それに当の転移者もどころか……『一族』の不老の範囲に含まれているとは……どんなに逆立ちしようとも――思い浮かぶことができない!
そんな真藤を置いて「ところで貴狼――」と別の案件を持ちだしてくる空兎!
これにたまらず真藤は「えっ……無視!?」と驚き嘆くことしかできない……。
次回予告:これからの予定!




