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魂魄双伝~祖国統一編~  作者: 希紫狼
序章~塔零記~
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標的

卒王朝の終わり……!


《注意》今回、残酷な場面が出ます!

    責任は負いかねますので、注意して読んでください!

 陽玄が地に降りて足を着けた頃を見計らってか、貴狼がやってきて――

「確保するのは塔秀(俊雄の氏名)の“首”だけぞ!残りは焼いてから闇業者に引き渡せ!」と連れてきた兵達に命令!俊雄の数多の肉片は事務的に片づけられていく……。

 貴狼は顔色一つ変えずに、俊雄の返り血を浴びた陽玄に近寄って――

「陛下、御召し物(着物)をご用意しております!」とだけ伝える!

 これに「うむ……」とだけ無表情で応じた陽玄。

 そんな陽玄かれに、鋒陰が「やったな!」とハイタッチを求めてくると――

「パンッ……!」と元気よく鋒陰かれの手にハイタッチしてみせる!


「陽玄、無事か!」とそこへ陽玄の父である月道が駆けつけてきた!そして――

「陽玄!?」と驚愕ビックリ!目の前には血だらけの息子がいたらそうなるわな……!

 月道ちちがそのまま陽玄むすこを抱きしめようとした時、貴狼が「高祖陛下(月道)、そのまま抱かれては御召し物(着物)がけがれますぞ!」と制止するも――

「貴狼、今上きんじょう陛下(陽玄)をてきの血で汚しおって!!

 何のためにお前を摂政にしたか!?」と月道に詰め寄られてしまう。

 しかし貴狼はまたも顔色一つ変えずに、自身は関知していないと言いたげに――

「殿下が望まれたことです!それにこの件は太師(鋒陰の官職)殿の発案で御座います!」と一蹴!月道は「何じゃと!?」と驚愕ビックリする羽目になる!

 そこへ鋒陰が笑いながら「その通り!」と月道に声を掛けるとそのまま――

「今後の為にも“悪人クズ”は殺せるようにいかんとならん!」と力説し始める!

「殺しはいい!じゃが、何故なにゆえに陽玄が直接手を下さねばならんのじゃ!」


 そんなまだ興奮状態の月道に、「今上きんじょう陛下(陽玄)のためだ!」告げる!

 これに「何じゃと!?」と月道に、今度は貴狼が――

「今上陛下は既に――多くの不届き者から御命おいのちを狙われる立場に御座います!

 このことで今上陛下は『いざという時にその不届きな輩を殺せないようでは――国全体にとって不幸である!』と御考えになられたのです!」と説明し始める!

「どういう意味じゃ?」

「不敬極まりないことを承知で申して……仮に他国から刺客が放たれたとしましょう!

 その刺客の標的ターゲットは――もちろん今上陛下!

 そしてその暗殺の結果は――もちろん失敗に終わります!

 しかしその刺客が陛下の手から生きて帰ったとなると――他国から舐められるだけ!

 人殺しをむ精神は、誰もが共感できます!

 善し悪しを別にして、その精神は軍務に服する身としては注目されるべきでしょう!

 ですが――この世界では殺生せっしょうができない君主なぞ“無能クズ”!

 そのことは高祖陛下が一番お分かりでありましょう!」

「……」

 貴狼の説明を聴いて、何も言い返せない月道。今まで諜報の旅に出てたからよく分かる。


 そんな月道に対し、貴狼が「今一度、御考えなさいませ!」と声を掛けると――

「他国が今上陛下を舐め出しますと、刺客の標的ターゲットは帝室(陽玄の一族)全体に及びます!その時、あなた一人でその全て守り切れる訳では御座らんでしょう!

 まだ帝室には一切にも満たぬ赤子や、妊婦も含まれておるのですぞ!」と追い打ち!

 これに続くように、当の陽玄あいそくが――

「父……いや、パパ上!予はいずれ偉大な御先祖様達のように自ら軍の陣頭に立つ!

 それなのに、当の予が国のために敵兵てきの殺生を指揮できぬとあっては――民達や臣下達に申し訳が立たぬ!」と月道ちちに止めを刺す!

 その結果――月道ちちは「失礼……つかまつった……」とその場を辞する他なかった……。これまで陽玄むすこを人殺しにせぬよう頑張ってきたというのに……。



  世歴八百四年四月二十二日 午前八時頃 卒(旧佞邪国) 丘幸 中心市街

 その頃、卒の本拠地では司隷校尉(首都防衛司令官)の長目ちょうぼくが全部下ごと起こした政権奪取クーデターによって、粛清の嵐が吹き荒れていた!

 粛清標的ターゲットはもちろん、釣幻と着している文官や商人達、そしてここの皇帝である釣幻ちょうげんの一族とその一派のほぼ全員である!

 政権奪取クーデターの合図からたちまち――彼らは皆一様に長目の兵達に捕らえられた!なおこの捕縛には丘幸みやこの住民達も協力している!


「助けてくれえええええっ!!」

「殺さないでええええええっ!!」

「いっそ殺すなら早く殺してくれえええええっ!!」

 捕らえられた標的ターゲットは、先日に釣幻が佞邪ねいじゃ救国政府の首魁である図籍《図籍》(官男かんなんの氏名)を処刑した方法で殺された!

 その方法は――標的ターゲットを一人ずつ特製の棺の中に閉じ込めて、蓋の隙間から水を流し込んで、棺の中の標的ターゲットを溺死させる方法である!

 この処刑の醍醐だいご味は標的ターゲットをじわじわと時間をかけて処刑すること!当然彼らは今まで買った恨みの分、時間をかけて溺死していった……!


 そして言うまでもなく、二日酔いのため深い眠りの最中に捕らえられた釣幻も――

「やめろおおおおおおっ!! 自決させろおおおおっ!!」などと多くの絶叫を残して……溺死。

 ここに卒王朝は誕生から二週間も迎えることなく――あっけなく滅亡した……。

次回予告:新キャラ登場!陽玄の……!?

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