最悪の結果
焦る羽目になる――俊雄!
一方、俊雄は自軍の本陣で「何っ!? 騎兵隊の馬が消えたのか!?」と叫んでいる最中!
俊雄に詰め寄られた騎兵隊の隊長は弱々しく――
「はい……。何者かの手によって、厩から連れ去られ様です!」と答えた!
「二百もの馬がいたはずだ!! なぜ誰も連れ去られてる事に気付かなかった!?」
俊雄が更に詰め寄ると、騎兵隊の隊長は苦虫を噛み潰したように――
「その者――おそらくは尽の工作員でしょうが……。
その者が堂々と偽の命令書を卒兵に見せつけ『転進の前に馬の体調を調べる!』と言われてしまったのです!」と無念さを吐き出す……。拳も震えている……。
「何故、その者を疑わなかった!? 阿呆か貴様ら!?」
遂に詰め寄るを通り越して切れ始める俊雄!これには騎兵隊の隊長は――
「その者に『時間に間に合わなければ、責任が取れるのか!?』と詰め寄れられまして……。
それでも勇気ある者達が……その者に付いて見張っておりました!
しかしその者達は……最後に見かけられた場所からそう遠くない所で……死体となっておりましたあああああっ!!」と号泣し始める……!情けない、いつもの威勢、どこへやら。
仮にも親衛隊の再筆頭部隊の隊長を務めているのくせに……。
ちなみに騎兵隊の馬を連れた者の正体は――月道である!
また見張りの兵達全員を隠し持っていた短刀で死体にしたのも――月道である!
しかしどう見ても中学生くらいに見える小僧……!信じられそうにない……。
「もうよいっ!!」と俊雄が情けなく泣いている隊長に愛想を尽かした時――
「たっ……大変です!! 将軍殿下!!」という声が俊雄にかけられる!
その声の主は伝令兵。俊雄は「既に『大変』だ!! 何があった!?」と訊くと――
「槍兵隊が戦闘しているようです!!」という事実が返ってくる!
「誰と戦闘している!?」と俊雄が訊けば、伝令兵の口からは――
「それはまだ……!しかし戦闘している地からは聞き慣れぬ音がしていると……!」
「どんな音だ?」と俊雄が再度訊けば、伝令兵の口からは――
「どうも『ダダダダダッ』という音でして……何と言って表現できるか……」
結局、伝令兵の口から満足できる答えを得られなかったは「下がれ!」と伝令兵に吐き捨てるように命令して、そのまま衛団に――
「全軍、槍兵隊の配属地へ向かえ!!」と号令をかける!
その頃……衛団の槍兵達が全滅している地では、弓兵隊が到着していた!
重機関銃の「ダダダダダダッ!」という発射音を聞いた住民から知らせを受けたのだ!
弓兵隊がその場に着くとすぐに、弓兵隊の隊長は――
「如何に奇妙な箱でも、乗せている奴はまるごしだ!数で仕留めろ!」と全隊へ号令!
そこへ先の謎の物体――小型トラックの撤退を支援するかのごとく、また別の箱状の物体が卒の弓兵隊の所へ全速力で近づいてくる!
これに弓兵達の間には「何だ!?」だったり、「また別の箱が来たのか!?」という具合に動揺が走るが、隊長の「怯むな!そいつを撃て!」と言う命令で正気に戻る!
ちなみに今の弓兵達の頭の中に、槍兵隊を殲滅した物体はない!
そして弓兵達が一斉に二百もの矢を……今も弓兵達に近づいてくる箱状の物体の上から注いでやるも――「カンカンカンカンッ!」と弾かれてしまう!
このことは弓兵達の間に「弓が効かねええええっ!!」という恐怖心を与える!
それから弓兵達に芽生えた恐怖心が消えない内に、その物体から――
「ダダダダダダッ!」という先の小型トラックと似たような音が聞こえてくる!
その箱状の物体の正体……なんと――歩兵戦闘車!
その音の正体――機関砲の発射音!それはもちろん――この歩兵戦闘車の武装!
この機関砲で撃たれたた弓兵達は次々と――
「ぎゃああああすっ!!」や「あべしゅううううっ!!」と断末魔の叫びを上げて討ち取られる!
弓兵達の中で撃たれて死体になっても、まだ身元が判明できるぐらい“肉塊”が残っている方はまだ運が良い方……。運が悪い奴は真の“肉塊”に成り果てている……。
尤も、モザイクかけないと映せる物ではないことに変わりないが……。
続々と“肉塊”が造られていく最中、遂に弓兵達の中から――
「ひいいいいっ!助けてくれえええっ!」と脱走する者が現れた!
しかしその者はすぐに「ぎゃあああああっ!」と断末魔の叫びを上げて死ぬ羽目になる!
それも数多の――弓兵達から放たれた矢によって……!
「逃げる素振りさえ見せた者は――その場で処刑する!戦え!」と弓兵隊の隊長は不退転決意で――“督戦隊”を投入!すると弓兵は死ぬまで戦ってくれる!
しかしこの決断は“弓兵隊の消滅”という最悪の結果を齎すことになる!
もちろんその消滅には……弓兵隊の隊長や督戦隊も含まれている……!
次回予告:そろそろ終わりそうな――卒!




