↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂魄双伝~祖国統一編~  作者: 希紫狼
序章~塔零記~
87/183

砂時計

宝箱の中身のことでほぼ頭いっぱい……なはず!

 それから宴会中の真っ最中の地方団。ある者は街中に残されている地図を探し当てては、地図《それ》を頼りに宝箱を掘り当て、ある者は宴会に興じて酒を飲みまくる!

 地方団《そ》の指揮官の苦風は後者で、軍務中の飲酒に興じている。そこへ――

「そういえば頭!! 宝箱《これ》、何時開くんすか!?」と恰幅のいい部下が尋ねてくる。


「魔札《ふだ》を見てみろ!魔札《そこ》には砂《なかみ》がある砂時計が描《か》かれてるだろ!砂時計《そ》の砂《なかみ》も落ちてる最中だぜ!

 それとおそらくだが……全部の宝箱の魔札《ふだ》にも砂時計が入ってるはずだぜ!」

 この苦風の声を頼りに、恰幅のいい部下はいくつかの宝箱を手に取ると――

「あっ……頭が仰ったとおり、砂時計が――!」と驚いて例の砂時計を発見!

 しかも手に取った全ての宝箱の魔札《ふだ》に、砂時計が描かれている……。


 ちなみにこの魔札《ふだ》……魔法に精通している者だったらすぐにも、その魔法を解くことも可能である!しかし生憎《あいにく》、今の地方団《ぶたい》には “魔法使い”のような魔法に精通している者が全くいない……。

 無論――外部から物理的な手段でも解けるが、今の地方団《ぶたい》にその為の機会もなければ、労力もない。労力と時間(コスト)がかかりすぎる……。

 ならば時間が解決してくれる以上、人間としてはそれに乗っかるまでだ……!


「砂時計《それ》の砂《なかみ》が全部落ち切ったら――」と苦風が言うと――

「開くんすねーっ!」と恰幅のいい部下は目を輝かせて、苦風《かれ》のその台詞《せりふ》に続く正解を当ててみせた!その瞳には金まみれの夢が描かれている……!


 恰幅のいい部下とのやり取りを終え、再び飲酒に興じようとする苦風に向かって――

「しかし何でこうも宝箱が大量にあるんですかね……?

 既に宝箱《はこ》は二十個以上見つかっているそうなんですけど……」という声。

 声の主は細い方の部下である。その表情は“軽い”とはいえ疑問に思っている者の表情。

 ――どうも怪しすぎます!! と物語っているのは、言うまでもない!


「どうでもいいが……きっと先の大戦の図籍(官男)の所有物《もの》かもしれんな……」と苦風は細い方の部下に返答してみせる。苦風《かれ》自身も怪しみはしているが、その感情は……膨らみ続ける宝箱の“宝《なかみ》”への期待で掻き消されてしまう……。

 現時点《ここ》に至って――苦風の表情はその期待で歪み切っている……。怖い……!

 おまけにその表情を見た地方団《ぶかたち》も……若干引いてしまっている……!



  同日 午後十一時十五分頃 過穀 某所

 一方……尽の軍(旧京賀国軍)の内、某所《そこ》に潜んでいる中団の本隊では――

「作戦は順調です!殿下!」と一人の兵が月清《げっしん》に声を掛けている最中!

 この声に応じて月清《かれ》は本隊に向かって小声で――

「よしっ!皆、くれぐれも“事の初め”には気をつけろ!」と注意を伝達する……。



 同じく別の某所《ばしょ》に潜んでいる貴狼が率いている衛団の本隊でも――

「真藤!時間はどうなっている……!?」と傍にいる真藤に小声で訊いている最中!

 訊かれた真藤も自身に着用してる腕時計を見て、小声ながらも――

「そろそろです!もう十五分前を切ってます!」と勢いよく返してみせる!


「今、掘り出された宝箱《はこ》は何個だ!?」と続く貴狼の問い!

 これにも真藤は「既に四十個以上です!目標まであと少しです!?」と勢いよく返す!

 今、真藤の手に握られているは――巻物!そこには過穀の中心地の地図と、卒《てき》の地方団《ぶたい》が求める全ての宝箱の場所が“黒い点”として記されている!

 さらに巻物《それ》には魔力が込められているので、全ての“黒い点”は外部の手による移動に合わせて、実時間《リアルタイム》で動く仕様になっている!

 また卒《てき》の地方団《ぶたい》に掘り出された宝箱《はこ》の個数も記してくれる!

 巻物《それ》は真藤が前にいた世界の“タブレット”に近い物である……。

 ちなみに過穀中心地《そこ》にある宝箱《はこ》は全部で――五十個である!



  同日 午後十一時三十分頃 過穀 地方団本陣 

「頭あああっ!! もう宝箱《はこ》が開きそうっすううっ!!」

「どけえぃっ!! 真っ先に“宝《なかみ》”を拝むのはこの俺だああっ!!

 地方団《おまえたち》も位の高い順から一人一個ずつ……取っていくだけいいぞ!!」

 せっかく魔札《ふだ》の砂時計を見続けて報告してくれた恰幅のいい部下の手から、宝箱《はこ》をひったくった、地方団《ぶたい》に号令をかける苦風!

 これに地方団《ぶたい》の位の高い奴らは一斉に「わああああああぁっ!!」と宝箱《はこ》が集められた方に駆け寄っていくと、各々一個ずつ宝箱《はこ》を手に取っていく!

 ちなみに位の低い奴らは――ただその光景を見ているだけ……。無力……。


 五十もの宝箱《はこ》が全て地方団《かれら》の手に渡った時、ちょうど全ての宝箱《はこ》の魔札《ふだ》に描かれていた砂時計《とけい》の砂《なかみ》は全て落ちていた!

 これを見た苦風は「開けるぞおおおっ!!」と宝箱《はこ》を開けようとした――その時!!

次回予告:いよいよ待ちに待った……!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。