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魂魄双伝~祖国統一編~  作者: 希紫狼
西進の章~西方征記~
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新人達

新章始動!


話は前章の最後の話の翌日から!

  世歴八百四年五月九日 午前九時頃 尽 尽子 丞政府 地下のある一室

 真藤は貴狼の副官として、主にマウスを扱って“パソコン”を操作している。

 さらにそのパソコンの隣には“スマホ”と“タブレット”が一つずつ。

 昨日さくじつに貴狼からは教えてもらったことを思い出してみると――

「パソコン、スマホ、タブレット。以上の三点セットでわれわれは様々ない世界に散っている各同志達とやり取りを取ることができる。

 それとこのセットにはわがくにのデータも蓄積されている。

 今からお前の任務はこのセットを使い、俺の業務を手伝うことだ!

 その手伝い方は――追って教えていく!」と仕事を与えられた!

 それ故に現在、真藤はパソコンを扱いながら、貴狼の業務を手伝っている。


 そんなところへ貴狼が「真藤!新しい仕事を頼めるか?」と声をかけてくる。

「なんでしょうか?」と真藤が振り返ると、貴狼が新人達を連れてきたことが分かる。

「今からこの者達の教育も頼む!」と貴狼が指した新人の人数は以下の四人!

「初めまして、谷春たにはる壱誠いっせいといいます!

 真藤さんと同じ平成時代の日本から転移してきました!よろしくお願いします!」

金遠かねとおゆずるです!谷春こいつと同じ世界から転移してきました!」

原賀はらが福太ふくたです!自分も同じ世界から転移してきました!」

勢呂せいろまもるです!真藤さんも平成日本育ちと聞いて――心強いです!」


「僕は真藤しんどうひびき!外交用に、氏は『ぐん』、名が『』、あざなが『深栄しんえい』っていう名前も持ってるよ!

 けど、『真藤』の方で呼んでもらって構わないよ!」と新人の四人に挨拶を返す真藤!

 昨日にも貴狼の口から「新人達が来る!」とは聞いていたが、まさか四人全員が転移者とは思わなんだ!しかも自分と同じ平成の日本とは……。


「今日から、お前に新人このもの達を預ける!己の部下として新人このもの達を教育し……命令も下していけ!」と真藤に命令する貴狼!

丞政じょうしょう閣下、自分もこの世界に来てまだ日が浅く――」

「教えることは、お前が教えられる範囲で構わん!教えることがなくなったら、新人このもの達と共に学んでいくがいい!」と真藤の反論をも抑え込んでみせる。この直後に、貴狼は笑って「それが最高の教育かもしれんぞ!」と付け加えることも忘れない!

 その貴狼の笑顔を見た真藤も、笑みを浮かべつつ「御意!」と応じる!

 その上で「それと……お前の部下である以上――新人このもの達の分の責任はお前が担う!心せい!」と真藤への注意も忘れない貴狼!

 結果――「はい……」と真藤は自身の笑みはたちまち苦い笑顔ものに……。

「「「「……」」」」

 谷春を含む新人達四人は――己の無力さに打ちひしがれるばかり……。


 ――脅しになってしまったか……!とこの部屋内で己を除く全員に漂う空気を感じ、内心で先の己の言動を後悔し始める貴狼。そこで――

「そうだ真藤!お前がどんな魔法を使えるか、新人このもの達に言ってみろ!」と早々と次に話に移ることにする!急ごしらえ故の――苦い笑みを張り付けながら……。

 真藤はこの貴狼の意図に気付くことなく、新人達四人に向かって――

「僕は魔法が使えるよ!回復系のね!」と誇らしげに言ってみせた!

 すると新人達その四人は、真藤に憧れの視線を送りつつ――

「「「「すげええええええっ!」」」」と嬉々として驚愕してみせた!


「えへへっ……!」と照れるあまり、顔を赤らめてしまう真藤――だが……。

「俺なんか、“人”を召喚できる魔法しか使えないんすよ!」と谷春!

「俺も、“艦艇”のたぐいだけ召喚できる魔法しか……!」と金遠!

「同じく、“航空機”のたぐいだけ召喚できる魔法しか……!」と原賀!

「同じく、“地上兵器”のたぐいだけ召喚できる魔法しか……!」と勢呂!

 以上の四人の暴露に、真藤は浮かべている笑みを凍らせて――

「へぇ……。みんな……すごいよ……」と力なく以上の四人を絶賛した……。ちなみにその時の瞳は四人の魔法への憧れのあまり――虚ろになっている……。

 この真藤の反応を見た貴狼は――地雷を踏んだか!? と焦り始める……。

 その結果、貴狼は「後は頼むぞ!新人このもの達はこき使ってもいいぞ!」と言い残して、自身だけ逃げるようにその部屋を去っていった――かと思ったら、戻ってきた!

「言い忘れたが、新人このもの達には全員とも『准尉』という軍階級を与えてある!」とそれだけ真藤に伝えた貴狼は、本当にこの部屋から去っていった……。


 貴狼がこの部屋を去った直後に、真藤は――

「いいねぇ……召喚魔法使えるって……!」と四人に語りかける!虚ろな瞳のまま……。

 この真藤の瞳に、尋常でない違和感を感じた谷春は――

「いいや!“人を召喚できる”って言っても色々と制限ありますし!」と謙遜けんそん

「そうですよ!いくら“兵器”の類を召喚できると言っても、弾とか燃料とかまで自由に召喚できるわけじゃないんで!現地の方々の強力がないと意味ないです!」と谷春に続いて金遠も謙遜!原賀と勢呂も「「ウンウン!」」とこれにうなずく!

 その結果、真藤は「な~んだ!意外と便利な魔法持ってなかったんだ!」と四人の魔法を評してしまう!これに四人は各々に心にちょっとした傷を負ってしまうものの――

「「「「はい……」」」」と乾いた返事をすることしかできなかった……。

次回予告:西進の前に……!

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