馬鹿とマイフレンド
友達が出来て少したった頃。
私、花夜の前には、馬鹿そうな顔の男2人と女1人が居ます。
「なぁ、早く金出せよ」
と、同じ言葉を繰り返して。
え、なに?これ。
あの、あれスカ?
えーっと、脅して金をとるアレ。
うーんと、確かお兄ちゃんの友達が良くやってる……そう。
カ・ツ・ア・ゲ!!
やっべぇ、初体験なんだけど!
ちょっと、楽しい!?
初めての経験ってドキドキする!
…ってなるか!
やばいよね?
これやばい奴だよね?
金でしょ?
あげる金無いし!?
あげねぇし!
「ねぇー、早くしてよぉ!マリカ達、忙しいのぉ!」
いやいやいやいや、
知らねぇし!
それとマリカ化粧濃いぞ!!
どうせゲーセンに消える癖に!
この金はやらんぞ!もったいない!
喧嘩ならやったことあるぞ!?
多分負けるけど!
怪我ぐらいさせられるハズ!
たっ……多分!
やばい、最近友達が出来て少し浮かれてたから、格闘技の練習をしていない!
てか、もう1年くらいやってない!
あー、やばい!
もしかしたらマグレで当たるかもしれん!
おし!
脳内会話の末。
男達に……まずは女に殴りかかろうとした時。
男のひとりがぶっ飛んだ。
「どわぁ!?ちょっ、大丈夫スカ?」
可愛くない声を出しながら、思わず心配してしまう。
驚きながら振り向くと、そこには彼が立っていた。
「おぉ、平岡君!がやったの?」
マイフレンド、平岡君。
「あぁ、ピンチだっただろ?」
平岡君は、柔道部だった。
いやぁ、さぞかし優秀なのだろう。
「まぁ、ね……と言うか、なんで花夜ってわかったの?」
思わず気になって聞く。
すると平岡君はいきなり言葉を濁した。
「えーっと、とりあえず一旦来てくれない?」
「いいよ。でも、コイツらを片付けてからでしょう?」
「勿論だ。……やるか?彩樹」
そう、不敵に笑う彼の真似をして私も不敵に笑って見せた。