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第8話 ファンタジーにおける近代兵器の可能性

ウォーフィッシュが魔物というのを訂正しました。・・・はい、すいませんでした。変更です。m(__)m


 ではどうぞ。( ・∀・)つ



 さぁ、ショータイムだってね。


 当初の予定通りやり直しが効くためそこそこ作っておいた砲弾をガンガン撃ち込んでいく。もちろん、ヤツも攻撃してくるため撃つ→移動→安全確保のサイクルでだ。

 しかし、もう砲弾を五発も撃ったのになかなか沈まない。さすがは国での相手推奨のビックモンスターめ。


 おっとまた狙われた……素早く移動して撃つ。6発目だ。だから砲弾はタダじゃないの、耐えなくていいから早く消えてくれないかな。


 よし、次の行動……移動を開始する。スゥーーとヤツの死角になる位置に船を移動させる。こうすれば攻撃を避けられるのだ。

 しかし、今回は違うようだ。一角水竜は貯めてたビームを先程までとは違いこちらに顔を向けて放ってきた。


 その顔はまるで「もうその手には乗らないぞ」と言ってるようだ。

 そして、光が迫ってくる。


 「ちっ」


 つい、舌打ちをしてしまう。そのまま乗ってくれる馬鹿であれば良かったのだが……いや、そもそも乗ってくれるドラゴンの方がおかしいよな。

 まぁ、こんなこと考えてる間に避ける。意外とあのビームは発射自体に時間がかかるっぽいから発射の兆候が分ければ避けるのは簡単だ。


 そして、また撃つ。


 ドォン と重い音が体に伝わる。


 今度は狙ってた場所の近い所に着弾した。この戦い結構砲術の練習になっているのだ。あー、爆発後見ても大して傷を負ってないね。

 んー、まだまだアイツ死なないね。魔法でしか決定打は与えられないとかないよね? ファンタジー生物くん。いや、そもそも砲弾の爆発は魔法のはずだな。


 にしても、これ町の近くだったらもう終わってるな、悪い意味で。

 少し遠くというぐらいにまでもう離れた砲術実験に使ってた浜辺は奥の山は抉れて崖になってるし、木は倒れてたり消滅してたりで大変だもん。

 どんな実験したんだって話だよ……。山から落ちた人は泳がない限り戻れない地形になったね。御愁傷様。


 さてとっと、また移動して砲を調節する。狙いは目。そーれ、8発目っと。


 ドォン……ヒュー~と音が空気中に伝わり


 バァーーンと爆発音が鳴り響く。


「ギシャーーー!?」


 ん?今まで大して反応無かったのに……効いてる? 


 良く着弾地点を、傷口を見てみると目の側だった。あれは目が傷ついてる可能性があるね。だからかな? よし! 

 蹲ってるし、チャンスだね。


 すると「ピコンッ」と頭の中に電子音が鳴り響く。


 「うぉっ、なんだ? 」


 いきなり過ぎてびっくりするんですが、何?


 『スキル『砲術』を手に入れました。』


 ▼▼▼▼▼▼


  『砲術Lv.1』 


  ・火砲による攻撃力微上昇。

  ・下級アーツ使用可能。


 

 △△△△△△



 おおっ、素晴らしいね。良いタイミングで来た。


 使用可能アーツは?



 ▼▼▼▼▼


 『砲術Lv.1』での使用可能アーツ欄


 下級アーツ 


  ・『魔法式貫通弾』


 

 △△△△△


 初期アーツこれだけ? 少ないよ‼ 詳しく!


 ▼▼▼▼▼


 下級アーツ『魔法式貫通弾』 ※初期アーツ


 効果 発射する弾丸を魔法の力により標的を容易く貫通するようにする。魔力を込める量により貫通力は変動。


 消費MP 10~


 

 △△△△△



 ナイス! 少ないとか言ってごめん、充分だ。 


 「発動『魔法式貫通弾』」

 

 大砲の上に1つの魔方陣が展開され、輝き始める。同時に魔力が吸われる感覚がしたため船の操縦に使う以外の魔力をとにかく込める。


 大砲は全体的に光輝き、魔方陣は回転し始め魔力を込めるほどその輝きは増す。


 そろそろいいだろう、ヤツも落ち着き始めたようだし、早くしないと此方が殺られてしまう。


 「これで決める! 放て、『魔法式貫通弾』!」


 そう言うと魔方陣は回転を止め一回激しく光ると、大砲が光を放つと同時に飛散した。


 ドォォォォーーーーン


 と発砲音と爆発音という重い腹の奥深くに響くものが同時になった。


良く見ればもう一角水竜に当たっている、相当深手を負ってるようだ。


「シャァァァア・・・」


 一角水竜は弱々しく鳴き声を漏らすと海の中に潜り去っていった。


 ええぇ、強過ぎじゃね? 下級アーツだよね? 


 そして、また『ピコンッ』と電子音が鳴り響く。


 『ドロップアイテムを特例としてプレゼントボックスにお届けしました』


 What()? なんだと? 今、ドロップアイテムと言ったか?


 ドロップアイテム無いんじゃないの? ウォーフィッシュの時あんだけ狩ってひとつも無かったのに。

 それとも相当レアとか一定の魔物だけとか?


 まぁ、いい。そう言うのはギルドに行ってクロノに聴けばいいだろう。


 てな訳で何を落としたのか見てみる。


 『プレゼントボックス』


 『一角水竜(幼体)の鱗』

 『一角水竜(幼体)の鱗』

 『一角水竜(幼体)の牙』


 

 おお、ドロップアイテムだ……ちょっと感動。


 『お知らせ』


 ドロップアイテムは海の上に放出すると一角水竜の潜水時の波により一緒に飲み込まれる可能性があるため、折角初心者が退けたということで特別にプレゼントボックスへ送りました。


                      by 運営


 ほう、運営は鬼畜野郎達かと思ってたが少しは違うようだな。良くやった、ありがとう。獲得出来なかったらこれから当分ドロップアイテムが無いという仕様だと思っていたわ。

にしてもプレイヤー一人ひとり確認してるんですかね? AIかな?


 まぁ、いいとして……さて、帰るか。大砲も性能をしっかり確認できたし思わぬ収穫があったしな。


「ふむ、にしても……」


 船の操縦をしながら、舵をとりながら思うがあの一角水竜は幼体だったのか、あの大きさで。あのビームも幼体であれだもん、成体はどのぐらいヤバイことか……。

 まぁ、幼体だったから撃退出来たのかな。成体だったら一瞬で負けてる気がする。そもそも挑まないかも。


 まぁ、他にも砲弾の材料勿体無いな~とか思いながら船を進めること20分ぐらい? 建物の影、街が見えてきた。大きな帆船も見える。


 いやー、戻ってきたね。



 さぁ、残りは一気に速度を上げて行っちゃいましょう!


 「レディ……ゴォォー‼」


 そう言うと同時に俺は競艇のモーターボートさながらな速度で水飛沫を上げ、一直線に舟屋へと向かったのだ。多分、そう見えると思う。



 



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 

 


 「ドロップアイテムですか? 」


 「うん、そう。ウォーフィッシュの時落ちなかったのに一角水竜は落ちた……というか貰えたから。どういう条件で落ちるのかな~ってさ。ボスとかなのかなって。」


 そう言うとギルドの鑑定士クロノはまさに「はっ?」って表情を顔に出した。

 今、居るここはグランドギルドの買い取り室。そこでクロノににドロップアイテムを獲得出来る条件を聴きに来たのだ。

 

 にしてもクロノ、何故その「お前馬鹿?」みたいな顔をするのだ。てかさっさと話せ。しかも客に対する顔、態度じゃないよね。

 その気持ちが伝わったのか表情をシャキッとお仕事モードにしたクロノが話始める。こいつのプライベート面白そうだな。


「えーとですね、まずドロップアイテムを落とすのは何か分かりますか?」


 知らん、首を横に振る。全ての生き物じゃないの?


 「はぁ、分からないんですね。貴方冒険者ですよね、例え初心者とは言えその位の知識は身に付けてるはずだと思うのですがね。ドロップアイテムを落とすのは魔力を持っている生き物です。それにダメージを一定値与えたらそれが持っているものを一定の確率で何らかのものを落とします。まぁ、ダメージをおってなくても落とすときはありますが……。とにかくランダムですよ?」


 「ふーん、成る程ね。でも、それじゃあなんでウォーフィッシュは落とさなかったんだ? 32匹も居たんだから1つ位あっても・・・ランダムだとは言え。」


 するとクロノはまた表情を変え「何言ってんだこいつ」と言うのに変えた。

 やめてくれ、心のHPに地味に響くから。


 「……聴いていましたか? 落とすのは魔力を持っている生き物のです。つまり、魔物が落とします。魔力を持ってない生き物はどんな状況であろう“ドロップアイテム”というものは落としません。そのままの素材は落とすと思いますが。」


 うん、だから落とすはずだろ? ……まさか


「まさか……ウォーフィッシュって魔力持ってないの? 」


 するとクロノは呆れた表情で言ってきた。


 「やっと気付きましたか……まさか知らないとは思いませんでしたが……その通りです。ウォーフィッシュは魔力を持っていません。変異種はどうか知りませんが。いや、本当にこの事を知らないとは」


 「嘘でしょ? あんな危険なヤツが魔物じゃないの?」


 「はい、そうですね。確かに不思議かと思いますが。あ、そう言えば貴方旅人でしたね。それも時空の、だから知らないのですか。あー、盲点でしたね。そんなことをそう言えば聞いてた気が……朝礼とか半分寝てるので。」


 マジか……あんな弓……違う、鉄砲の弾丸の如く飛んでくるヤツが魔物じゃないとは、実際はもう少し遅いけどさ。あれって筋肉の力だけでか。すごいな。


 「ヤバイなー魔物じゃないのにあの力か。てか、お前馬鹿なの? 朝礼寝てるの?」


 まったくそんなイメージないんだが、いや今までの言動を思い返せば意外と普通かも。


 じゃ、まぁ、用はすんだかな。


「はぁ、まぁ、じゃあね。ありがとう教えてくれて。」


「いえいえ、ギルド員として当たり前ですのでいつでもどうぞ。」


 爽やかな笑顔を向けてクロノは言う。


 俺は思う、こいつのこの笑顔の裏には絶対めんどくさいという感情があると。



 

 そんなことを思いながら俺はギルドを出て行った。ちなみに正面入り口を使わなくてもこの買い取り室は直接外と出入り出来るので楽である。



 さて、ログアウトするか。


 


  


 


 


 


 

  

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