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第20話 悩み事

久しぶりです。特に何も無い日常回という名の繋ぎの話です。




 俺は今回の成果……貰い物ばっかだがそれを袋から出し、カウンターに並べる。そしてそれを目の前の奴はひとつひとつ手に取り確認していく。鑑定スキルは使ってないようだ。


 「……今回はゴブリンの核に武器類、防具類ですか。後は……スライムゼリー!?」


 分かった人も居るかも知れないが……今、俺はグランドギルドの売買課に来ている。そして、もちろんあの鑑定士クロノが目の前に居る。

 

 そのクロノは物品を順番に見ていくがやはりというか、予想通りスライムゼリーに反応を示した。本当の名称は『スライムの組織』のはずなんだがな……。


 「シノさん、スライムゼリーも売るんですか?」

 「まぁ、売るつもりだが……それも美味しいのか?」


 俺は多分そうなんだろうなーと思い、聞いてみる。


 するとクロノはその言葉を待ってましたと言わんばかりの表情に無表情から一瞬で変化させ、口を動かし始める。どうやったらそんなに表情を上手いこと動かせるんだよ……。


 「おおっ! よくぞ聞いてくれました! そうなんですよ、このスライムゼリー。単品で食うのはあんまり美味しく無いのですが、合わせて食うと美味しい……というより合わせるとどんな物でもゼリーになる性質を持ってるんですよ。つまり、フルーツジュース等を合わせると時間が立つにつれ段々と固まっていきゼリーなるんです。ですがそれではただのゼリーと変わりません。ではどうするかと言うと───」

 「分かった! 分かったからもういい! 売るから、売るから早くしてくれ!」


 やはり長くなりそうなので最初の内に終わらせようと思った俺はつい大声をだしてしまう。

 

 するとクロノはとても残念そうな顔をしたが仕事を思い出したのか直ぐ様無表情に切り替え、ひとつひとつを細かく、今度は鑑定スキルをつかいながら見ていく。

 何故それが分かるかと言うと、明らかに目線がおかしいというか、鑑定スキルを使った時に表示されるあの空中に浮いたホログラムのような画面を見てるような感じだからだ。あれは他人には見えないということだな。


 すると、鑑定が終わったのかクロノが顔を上げ、目線を此方に合わせる。


 「えー、合計で9000(エル)となります。」


 ふむ、予想してたより少ない……前回の魚、ウォーフィッシュより安いとは……仮にも金属とかスライムゼリーとかあるんだけどな……ウォーフィッシュは数が多かったというのは否定出来ないが。

 

 「あのー、ウォーフィッシュは数が多かったというのは勿論ありますが一応あれは高級魚です。槍の傷痕があろうと売れるぐらいのです。それに対し今回はハッキリと言ってしまえばガラクタばかり、重さの合計から金額を出しています。それに対しスライムゼリーは何だかんだで手に入れにくく、高級食材でもあるのでひとつひとつで言えばこの中で一番高いですが」


 あー、やっぱりそうなんだ。


 スライムゼリーばっかとってこようかな……まぁ運に左右されるドロップ品だから高いのだろうから、そう都合良く取れないだろうけど。


 「分かった、じゃあそれで問題無い。」

 「畏まりました、ではこれを」


 そう言いながらクロノが差し出してきた金の入った巾着袋のようなものを受け取り俺はクロノのもとを後にした。


 そして、俺はふと疑問に思った。


 あれ? アイツいつ重さ量った? 鑑定スキルはいずれ高レベルになると重さまで分かるようになるのだろうか……。それとも適当?


 俺はそんな怪しいような、気の遠くなるようなことを考えていまい、足取りは重くなっていくのだった。

 



 




 



 


 プレイヤーやNPCノンプレイヤーキャラクターが活発に動き回ってる町中を通り抜け、港近くのマイホームに辿り着いた俺は部屋のイスに腰を下ろしホッと一息つく。


 「ふぅ……」


 疲れたぁ……今思えば普通に命の危機だったんだよね……最初は軽い気持ちでスライム&ゴブリン狩りだったんだけどなーどういうこっちゃ。

 まぁ、復活するからいいけれども……でも課題がある、レベル上げなんだけど……どうしようかな。やっぱり最初の内みたいにある程度楽に攻撃出来て、圧倒的火力を誇る大砲も使用できる船で移動する海でやるのが一番かな。


 そこまで考えた所で力が入っていたのか、疲れを感じたためだらーんと腕や足を伸ばす。何気なく目も動かすとそこで船を視界に捉える。


 そして考えを船自体に移す。んー、やっなりもう1個欲しいよね、大砲が。まぁそのためにはもうこの船には乗っけられないからもう一艘の船と操作する一人の仲間が必要だけどね。


 くそー、やっぱ仲間か……後は金だ! 

 

 あ、でも船を大型に改造して、大砲を何個か乗っけられるようにして同時に操作出来る仕組みを作れば俺一人で済む。よし、ひとまずそれを目指そう。魔術でどうにかなるよね?


 てことはやっぱり金を集める必要があるから……また狩りか、はぁ。


 なんでかな~。

 

 そんなこんなで俺はまた溜息を吐きながらメニューを開き、ログアウトボタンをタッチするのだった。







 

 



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 

 とある運営の風景


 






  


 「あー! 始まりの森の木が結構消えました!」


 モニタールームの数多くのモニターを見ていた一人の女性が叫ぶ。その時、こっそりと食べていたお菓子を隠すのも忘れない。

 

 「なんですって……やっとクレーターを直す作業が終わったのに、結構ってどのぐらいなの?」


 調度その時ドアから入ってきたもう一人の女性がその事が聞こえて憂鬱そうに答える。


 「えっとですね……100本位ですかね?」


 その問いに小首を傾げて少しの間をおき、お気楽に答えるモニターを見る女性。そこにドアから女性に続けて入ってくるその部下のような男性。

 会話の内容を理解したとたんとても悲痛な顔をした。


 「えっ! また仕事すかっ!? 一旦休みましょうよ。……そもそもなんで態々現地に行って作業しなきゃいけないんですか!? 俺ら運営のはずですよ!? なのに態々インしてゲームの中に居るんですか……。作業なんて外側からポチッと操作して終わらせましょうよ。」


 面倒な事が貯まりに貯まってとうとう我慢しきれなくなったのか、言いたい放題に言う部下の男性。


 「……そんなこと言わないの。仕方がないでしょ、ここはもう1つの本当にある世界ということなんだから。そんな誰も居ないのに木が生えてくる超常現象を見たら、ユーザーが何て言うか……。それにこの世界の住人にも影響を与えるから」

 「いや、魔法でも十分超常現象だと思います」


 そんな上司とその部下である同期のやり取りを耳で聞いていたモニター担当の女性は呆れながらも追加の情報を言う。

 

 「……残念ですが追加です。大規模アーツの使用が確認されました。情報を送ります」

 「「……」」


 顔を見合わせた二人は重い足取りで扉から出ていった。それをしっかりと確認したモニター担当の女性は隠したお菓子をこっそりと出して食べるのだった。


 「あ~美味しい、味覚のあるVR最高……」


 その顔はとても幸せそうだった。

 

 






 運営さんには面白いことをやってもらおうと思っています、主人公は関われるのか怪しい……。別のプレイヤー視点も書こうと思ってたりします。


今後の更新がとってもスローペースになると思います。

随分と前から新たな物語を考えていてゆっくりと書き起こしているためです。では(。・ω・。)ノ

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