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第14話 そんなに軽いの?

遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした。m(__)m


 急いだんで少し違和感があるかもしれませんが気にしないで下さい。(言い訳

 「いや、あのさ~。」


 森の主(仮定)がそこら辺へ散歩しに行くかのような調子で話しかけてくる。

 アキとハルはその言葉にビクッと震えながらも杖と剣を構え直し、自分達に叱咤するかのような声を出す。


 「なんの用だ! 前回の件ならもう済んだはずだ! 」

 「そうよ! シノくんから離れなさい!」


 んー、ゴブリンの集落荒らし事件は無いことにするようです。森の主はそのことを知らない可能性があるってこと? あれ、 その破壊音で来たんじゃないの。


 「ちょっとー、話しを聞いてくれませんかね。私もね、そんなに争いたいわけじゃないからね? 貴方達、勝手に私を戦闘狂にしてません? まったく、人を勝手に勘違いして決めつけないで欲しいですねー。え? 人じゃないって? まぁ、そんなことほっといてですね。いやー、実はお礼をしに来たんですよ?」


 森の主は独特な口調で話すと言い切り終えて満足したのか手をこの世に対して嘆くかのように横に投げ出し、一人で勝手にうんうんとうなずいてる。


 そんな森の主の様子は露知らず、アキとハルは強い口調で言う。それはさながら天敵に怯えながらも守るものの為に威嚇する小動物のように。


 「とにかくシノ、そして僕達から離れろ! さもないと撃つぞ。」


 アキは魔力を込めているのか、輝く杖を右手で構える。


 「・・・ん、ほら早く!」


 ハルさんは此方に向けて手招きしている。こちらにおいで、そいつから早く離れなさい。そう伝えたいようだ。目を合わせれば目をこれでもかと言うぐらい大きくし、必死に訴えてかけてくる。

 よし、じゃあそちらに行きますか。森の主からあまり嫌な感じはしないんだけどな、敵意? 殺意が無いって言うか……。


 「うん、分かったよ。」


 俺は了承の声をハルにギリギリ伝わるぐらいの小さな声で言う。森の主は何故か「んー」と唸りながら考え事をしてるようで大声でも気づくか分からなそうだが念のため。そもそも、普通に逃がしてくれそう。


 「あぁ、よかった‼……」

 「そうそう、アイツに遊ばれ無くて本当によかった。危うく君はトラウマを作るところだったんだから。……にしても、アイツはどうしてあんな風に唸ってるのだろう? まっ、いっか。」


 ハルは満面の笑みを浮かべ、アキは俺の顔を見て呆れた様に言う。確かに何を考えているんだろうな、森の主は。

 にしても、どうしてアキはそのような顔をしてるのだろうか。


 「なんで君はそんなに余裕そうなんだよ……」


 アキが微かに聞こえるか聞こえないか程度の声で呟いた。ああ、そう言うことか。森の主が恐ろしいって二人は言っていたもんな。でも全然そんな感じしないからな~。あの主。


 「さっ、早く逃げよう?」


 ハルさんが必死な声で問い掛けてくる。それに俺は「あぁ」と答えると、


 「よし、じゃあ気付かれないように離れるよ?」


 とアキは俺達に小声で言ってきた。そろりそろりという表現が似合いそうな歩き方で俺達は歩き、いまだ嘆いている森の主からある程度離れると、一斉に走り出した。


 「あっ! ちょっと待ってくださいよ‼ 貴方達は人が嘆いているのに見ているだけで話しを聞こうとしないのですか! えっ? 人じゃないって? そんなの知りませんよ。はぁ……」


 走った音で気付いたのか、森の主がなんか言っているが気にしない。俺達は気にしないで駆けて行く。

 木々の間をすれすれで根っこに引っ掛かりそうになりながらも俺達は森を抜けるために一直線に走る、が。


 「まったく、いきなり走り出しては行けませんよ? しっかり人の話しを最後まで聞かないと。学校で習いませんでしたか? 」


 いたずらっ子に長々と説教をするような感じで話しがら森の主は俺達の目の前にいきなり現れた。


 「ちっ、やっぱり僕達で遊ぶ気か。前回と同じようにはさせないよ。ハルとシノは逃げて。ほら早く!」


 そう言ってごそごそと懐から何かを取り出したのはアキ。えっ? いきなり現れたことに対しては反応なし? 森の主ってそんなにチートキャラ?

 にしても、アキも舌打ちするんだね。なんか、今まで口調も丸い感じだったしな~。ん? このゲーム舌打ちの音まで再現してるのか……、そりゃまた細かいことで。


 「シノくん、早く逃げよ? 森の主はアキが仕留めてくれるから。」

 「……えっ、あ、はい。」


 ハルさんにいきなり話しかけられた為少し驚いてしまう。結構深くどうでもいいことについて考えていたようだ。


 「ちょっーと、そこのお二人さんにもお話しがあるんですけど? なーに勝手に逃げようとしてるんですか。あのね、言いましたよね? お礼(・・)をしに来たって。なんで」

 「うるさい、黙れ。そう言って油断させた後、僕達を苦しめながら殺す気だ、違いないだろう。」

 

 ……アキ容赦ねぇ。アキ怒らせたら怖いタイプの人かな。そう言えば普段優しい人って怒ると怖いってよく言うよな。 俺の回りってもしかして怖い人達ばっか? 


 「……人の話しは最後までしっかり聞きなさい、そう学校で」

 「学校で習いませんでしたか、だよね? 君は自分を殺せる手段を持つ犯罪者の話しを聞くの? そもそも、何故学校というのを知っている。」

 「んー、何故私が犯罪者なんでしょうか? 質問についてはまた後で知る機会があると思いますよ。」


 アキと森の主、二人の口論は他の者が口を挟めないレベルでやばい。口調はどちらも穏やかな方なのにな~。殺気がヤベェ。特にアキ。トラウマじゃなくて殺意しかないでしょ、あんた。ちなみにハルさんと俺は空気となっています。現在、ナレーターに就職しました。


 「えっ君は前回俺達を簡単に殺さず、じわじわと苦しめてから殺したと思うのだけど? これを犯罪者と言わず何と言うか。」

 「ほう? お前らは勝手に森に侵入。それならまだしも荒らした挙げ句、私に奇襲。そちらの方が犯罪者だと思うのですけど。私は正当防衛ですよね? 簡単に言えば警備員なんでから。それに話しも聞かないとは。」


 んー、どっちもどっちですね。うん、俺は前回とか知らないから関係ないよね?


 「「ふふふふ、アハハハ‼」」


 よし、今のうちに逃げるか。なんかもうここに居るのが嫌です。


 「よし、逃げましょう。ハルさん。」

 「えっ?あ、うん。そうね、逃げましょう。」


 空気となっていまハルさんはいきなり話しかけられて驚いたようです。さて、逃げよう。そう思った時にハルさんがこちらへ振り向きます。


 「でも、今回森荒らしたのってシノくんだよね? ここに残らなくていいの? 」


 ……折角、誰も言わなかったから良かれと忘れてたのに。なんで、今言うですかね。


 「なんかもう、トラウマとかあれ見てると無くなってきたからやっぱりここでアキを見守ってよう? 」


 はぁ、分かりましたよ。こんなんで無くなるのってトラウマって言うのですかね~。はぁ、ついてない。大砲撃っていいですか? テンション上げたいなー。

そんなに軽いの? トラウマがです。

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